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ツールを選べるように

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

新年度がいよいよ来週から始まります。ICT担当としては色々なツールを整えて、万全の準備をして生徒を迎えようとしています。

年々、生徒が使えるツールが増えているので、新年度にその準備を整えることも大切な仕事になっています。

これだけツールが増えると「生徒が混乱して使えない」という意見もよく耳にするのですが、個人的にはあまり大きな心配をしなくても大丈夫かと考えています。

安全に使える準備はしっかりと

もちろん、「大きな心配をしなくても大丈夫」というためには、安全に使えるようにするための準備は必要です。

たとえば、情報の公開の範囲についての設定であったり、どういう使い方をすると大ごとになってしまうのかというガイドラインであったり、トラブルの時にはどうしたらようかというマニュアルであったり、そういう準備は必要です。

ツールだけではなく、困ったときにどのように対処していくかというルーティンを学ぶ、デジタル・シティズンシップ教育を丁寧に実施していく計画を考えることも大切にはなります。

本当に失敗してしまったら大けがになることに、しっかりとセーフティネットを準備しておくことが大切です。

ただ、あまりに細かくルールやマニュアルを決めてしまうと、使いづらくて使わないということになりやすいです。学校の基準に沿って、できるだけシンプルで分かりやすいものを準備したいものです。

どれを選ぶかから考える

セーフティネットをしっかりしておけば、実際にツールをどのように使うかということは子どもたちにできるだけ任せて良いのだろうと思います。

もちろん、チュートリアルとして一通り使ってみることは大切でしょう。それは一人だけの授業ではなく、色々な授業で横断的に取り組んでいけば、おそらくそれほどハードルも高くないはずです。

そうやってある程度のチュートリアルを経た後は、どのツールをどのように使うかということは、子どもたちに任せても良いだろうと思います。

おそらく、初めのうちは上手くいかないケースも多いでしょう。たとえば、Jamboardを覚えたら何でもかんでもJamboardを使ってしまうようなこともあるかもしれません。実は他のCanvaのホワイトボードの方が便利だった…ということも十分に起こりえる話です。しかし、自分でそうやって体験して気付くからこそ、次にどのツールが良さそうかの感覚が身についていくものです。

使ってみて、比較してみないと分からないことはたくさんあるはずです。例えば、WindowsとMacの違いについても、言葉で説明されてもイマイチよく分からない人の方が多いでしょう。しかし、一回、道具として使ってみると体験の違いははっきり分かります。そういう体験をすれば、どういうときにどちらを使うかもよく分かるようになるのと同じです。

授業のイメージの変化も必要

子どもたちがどのツールを使うかを選ぶ自由があるということは、従来のイメージの授業からは少し距離をとらないと難しいかもしれませんね。

授業案通りに生徒が動くことを目指すのであれば、ツールを自由に選ぶということ自体が上手く行かない方が多いだろうと思います。

ツールを選んで、自分の達成したいことを目指していくという授業設計は、なかなか従来のイメージからは難しいかもしれません。

そのハードルを突破できると、無理な力みがない状態での使い方も見えてくるだろうと考えています。

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