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新しいツールを使った授業で失敗しないコツ

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

認定コーチとして、定期的にICTツールを活かした授業づくりについての相談を色々な人から受けています。

最近であれば「生成AIを使ってどのような授業が出来ますか」ということをよく聞かれます。

しかし、生成AIに限らず、新しいツールを授業に導入しようとしたときに、注意した良いことがあるように感じています。

いきなり教科内容で挑戦しない

新しいツールを手に入れると、つい教科書の内容について、ツールを使って授業をできないかということを考えがちです。

例えば、国語の授業でICT端末を使うようになったから、言葉の意味をネットを使って調べてみよう……というようなイメージです。

しかし、木に竹を接ぐような形で「とりあえず使わせてみた」という使い方であると、生徒も教員も手応えを得ることが難しいですし、また、ツールの不適切な使用も誘発しやすいのも事実です(飽きてしまって余計なことをしてしまうのですよね…)。

特に授業でツールを使うことによって、生徒の思考を加速させたり効果的に理解を促進したりするイメージを、自分自身が持てないものを無理して授業の中に組み込んで使わせる必要はあまりないだろうと思っていますし、アドバイスを求められたときには「やめたほうがいいこと」として話すようにしています。

教科内容は教科内容として一番効果的に学びにつながる方法を選ぶ方が大切で、ツールを使うことを目的にしては難しいのです。

教科の周辺の環境で使い始めてみる

個人的にオススメしているのが、先生と生徒のやり取りを増やすような使い方で慣れていくことです。

つまり、積極的には「メール」や「チャット」で連絡をすることを、授業でやってみるということです。

限られた授業時間で回りくどく感じられるかもしれませんが、授業のオリエンテーションの際に、メールの件名の付け方のルールだとかChatで聞いていいこと悪いことだとかをきちんと合意形成しておくことで、色々と仕事が捗ります。

個別のコミュニケーションツールが禁止されているのであれば、自由に書き込みができるCanvaのようなアプリで遊んでみるのもよいと思います。

ツールに慣れていない子どもが多いのであれば、一つのファイルに共同編集ができるという体験が視覚的にも感覚的にも面白いと感じてもらえるケースも多いかと思います。

もう少し授業の要素を深めるのであれば、振り返りなどに導入してみるのもよいという話をしています。

特に生成AIを使って生徒とAIが対話することを通じて、そのまま振り返りを独力で書くよりも深めることが出来ます。いきなり授業で、例えば作文の授業で生成AIを活用しながら……となると、かなり難しいですが、授業の内容を生成AIに質問しながら授業を振り返ってごらんという使い方はやりやすいだろうと思います。

ツールは環境としてかなりインパクトがあります。だからこそ、最初の一歩は内容よりも関係性や条件を整えるために「遊んでみる」ということがやりやすいだろうと思います。


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