見出し画像

授業改善② ~指名方法~   正解は子どもに決めさせよう。

はじめに

授業で子供たちへの指名で悩んでいませんか?
指名方法を変えるだけで、子どもたちは意欲的に授業に参加するようになると思います。

先生からの質問

アドバンスティチャーをしていた時、小学校の低学年を担任している先生から次のような質問を受けました。

「算数の授業で児童に問題を解かせると得意な子どもたちがとても良く手を挙げてくれます。授業はとても活発で良いのですが、算数が苦手な子どもが参加できていないように感じています。算数が苦手な子どもたちをにも回答の機会を与えたいのですが、なかなか手を挙げません。授業が苦手な子どもたちも、積極的に参加できるような授業を提供したいと思っています。放課後や休み時間にも個別指導をするのですがなかなか定着しません。何や良い方法はありますか。具体的な方法はありますか?」

同じような悩みを持っている先生も多いのではないでしょうか?

こんな授業をしていませんか?

先生:「この答えが分かる人はいますか。」
多くの児童が手をあげます。
A君を指名します。
A君:「○○です。どうですか」
(正解)
他の児童:「いいです」
先生:「正解だね。良くできたね。他の答えはないかな」
児童:「大丈夫です」
先生:「よく分からない人はいないかな。では、次の問題…」

もし、A君が間違えたらどうしますか?

先生:「この答えが分かる人はいますか。」
多くの児童が手をあげます。
A君を指名します。
A君:「○○です。どうですか」
(不正解)
他の児童:「違います」
(多分先生方は、まちがえた児童の気持ちを考えてやさしく声を掛けると思います。)
先生:「ちょっと違ったかな。もう少し考えてみようか。」
先生:「ほかの人はどうかな」
多くの児童が手をあげます。
B君を指名します。
B君「○○です。どうですか」(正解です)
他の児童:「いいです」
先生:「正解だね。良くできたね。他の答えはないかな」
児童:「大丈夫です」
先生:「分からない人はいないかな。では、次の問題…」
(A君のフォローは当然行いますが)
まちがえたA君は次に手をあげるでしょうか?

次のようにアドバイスをしました。

先生:「この答えが分かる人はいますか。」
多くの児童が手をあげます。
A君を指名します。
A君:「○○です。どうですか」(正解)
他の児童:「いいです」
先生:「B君はどうですか」
(児童:「えー正解なのに」「違っているの?」ちょっとざわざわするかな)
B君:「A君と同じです」
(ちょっと戸惑っている)
先生:「A君と同じではなくて、自分の答えをいってね」
B君:「○○です」(不正解)
先生:「C君はどうですか」
C君:「○○です」(正解)
先生:「3名の人に答えてもらったけど、正解はどれと考えたらよいでしょうか}
児童:「○○です」
先生:「この問題の答えは、○○とします」

発問は正解を聞くのではなく、児童の考えを聞くためにあると思います。

指名で心掛けたことは

正解が出たところで指名を終わらないこと。
ここで終わると、先生が正解だけを求めていることになるからです。そして、答えに自信のない児童は手をあげなくなります。正解不正解に関係なく数名の児童を指名しましょう。

不正解でも児童に声を掛けないこと。
不正解の児童は自信を無くします。
正解であっても不正解であっても次の指名をしましょう。

答えは、児童に決めさせましょう。
この方法は、道徳の授業でも有効です

授業は間違える場所

手をあげさせて、児童に答えさせるとき、先生方は何を期待しますか?
授業はテストではありません。
授業は正解を答えるだけの場ではありません。(正解も必要ですが)
自分の考えを述べる場所です。
授業は間違えるところです。
問題に正解はあるけれど、児童一人一人の考えに間違いはありません。

初めて習うことには間違えることが必要なのです。
授業は間違える場なのです。

では、また。

追伸
児童の発言は、必ず板書しましょう。
机間巡視がとても大切です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?