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板の上の魔物

今年になって、大阪よしもとの若手芸人さんを観に行くことが増えた。

オードリーのオールナイトニッポンin武道館というモンスター級のイベントを見たせいで、心にぽかーんと穴が空いた。

そんな折り合い、ひょんなことから幼馴染が「見取り図が見たいんやけど」と言い出した。

2018年のM-1ファイナリストの見取り図。

前職でたまに若手芸人さんとお仕事することはあったが「エレベーターで一緒になるお兄ちゃん」程度にしか失礼ながら思っていなかった。

彼らに関しても、とうの昔に少しだけ思い入れがあった。でも個人名を把握する程でもなかった。


閑話休題

その昔わたしはbaseよしもとという劇場の初期からドが付く追っかけだった。
その頃贔屓にしていた芸人さんは奇跡的にも皆さん解散されているが、何処かでご活躍されているであろう。

そんな時期を経て、同い年の方がいたり歳下なんか数えきれぬほど。
baseよしもとは突然NMB劇場になり、最期のbaseの板を踏んでいる方々は本当に少数になってしまったようだ。
出来れば、二丁目劇場閉館の時に惜しまれたように少し青春を惜しむ暇が欲しかった。
いまの若手の方には申し訳ないが、はっきり言うと全体的にゆとりを感じる。なので最近はテレビで見る程度に留まっていた。


そしてなんだかんだで幼馴染に誘われたイベント。
今年4月に見にいったのが幸か不幸か、ロフトワンプラスウエストというニッチな会場であった。

今の若手と呼ばれる方の客層がわからない、でも喫煙所もあってお酒も頼める。
ライブハウスに通う期間の方が長くなっていた自分達にとって精神衛生上、随分と好都合なのだ。

トークライブだったが、楽しめた。

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(存じ上げなかったが、右端のフワちゃんというYoutuberのイベントだった。いまやゴットタンやCMにも出演されている…びっくり)


そうすると人間は欲が出てくるもので

「ネタが見たいなあ」

そんな事を語りながら春の夜風に当たり、徒歩で帰路につく。

これは劇場に通っていた学生時代にお小遣いしかない時にやっていた事と同じだ。
今はタクシーだって捕まえられるのに。まあ帰宅途中、焼き鳥屋には立ち寄れる年齢にはなった。

そしてそんな焼き鳥屋で酒を煽りつつ、とうとう軽い気持ちで口が動いた。

「どうする?漫才劇場行ってみる?どうする?これからずぶずぶと沼にハマってって一ヶ月に一回、二週間に一回、一週間に…てなったら」
と冗談めかして話していた。

結果、言わんこっちゃなかった。

「金と時間、持って帰宅しただけ」が合言葉。

仕事があるため結局時間はないものの、あの時の幼馴染と足しげく通っている。
定時上がりできれば、当日券でひとりの時もある。

おとなになった私たちの中では、ルールをいくつか決めている。
出待ちなどは基本しない。とか。(劇場周辺グレーなところもあるため)

そして何より、その時間があればすぐに劇場を後にして、時間の許す限り、インプットしたての出来事をお互いアウトプットして、アルコールを煽りたいのである。関係ない話も延々とする。そうした日々を続けた結果、肝臓の数値が上がったらしい。気にしてないけど。

あとbaseよしもと時代より漫才劇場の1日の公演数が異常に増えている。
こちらとしても追いきれないのでそれは申し訳ないが、とある2組だけ一緒になる公演には行こうと。

前述した見取り図、
そして今のわたしがジャンキー級に贔屓にしている令和喜多みな実(ex.プリマ旦那)というコンビ。

この事についてはまた後日書き記したいと思う。上方漫才と言うハードロックさに惚れた。


日々、一瞬でもいいな。

今日も笑いが欲しくなる。
一瞬でも脳内ドーパミンだばだばで幸せになれるから。
そして欲深いが、贔屓がなにかしらで高みを魅せてくれるなんて、そんなしあわせを味わいたい。

明日はどうなるかわからないから。彼らの船に乗ってみよう。
そう思い始めた頃に、秋が今年のおわりの始まりを告げていた。

いつも楽しみにしていた賞レースは、とにかく身体に悪いものになってしまった。



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