見出し画像

「クロスライン」というePARAの夢の中でわたしは

こんにちは。お久しぶりです、気合いでなんとかする系発達障害の茶鏡です。
2022年10月15日から17日まで岡山へ団体旅行へ行ってきました。

eスポーツを通じて障害者の社会参加を支援する、ePARA という会社が、当事者とともに企画、運営した大プロジェクト、「クロスライン」とはなにかというと、

トヨタ・モビリティ基金のMake a Move Project での採択を受けて実施する実証実験です。多種多様な障害当事者がeスポーツを通じてモータースポーツの世界を学び、仲間との絆を強め、違いを尊重しながら参加者全員が楽しめる“旅”を共創します。

旅のしおりより

旅をイメージで表すとこれです。

クロスライン、はモビリティをめぐる。障害の当事者が作る「旅」

こちらのグラフィックは旅に出る前の説明として、わたしが描いたものです。プレスリリースの旅の概要がこれ一枚というのにズッコケました。が、全国津々浦々から岡山にやってきた障害者30人以上で、オンライン参加者をDiscordで繋ぎ、eスポーツ大会やモータースポーツ観戦を行うという壮大な旅なのです。

「クロスライン」はePARAの描く夢のカタチ

これは、帰ってから気づいたことなのですが。

事前準備、練習、企画運営から障害当事者を巻き込んで、岡山に「本気で遊べる」環境を整え、実行する。

これは、ePARAのミッションである「eスポーツを通じて、障害者が自分らしく・やりがいをもって社会参加する支援」で、「世の中の人に困難や限界を越える精神や力への移付きを与え、誰もが輝ける社会の実現を目指す」ビジョンを、「旅」のカタチに落とし込んでいます。

「モビリティ」というお題に対して、ePARAが目指していることを3日間に圧縮し、そのまま実証実験として実行するという、超パワープレイをやってのけているのです。これは大胆だし凄いことだと思いました。ボクたちの夢はこれだ、と、トヨタ・モビリティ基金さんに見せているのですから。

わたしとクロスラインの旅

1.有識者

わたしはeスポーツには関心は薄いですが、リアルモータースポーツのファンです。それゆえ準備段階では「有識者」チームにジョインしました。

この企画を知った時に、実際観戦するスーパー耐久について簡単なグラレコのようなものを描いて提出したら、それが通り、説明グラフィックを作ることになりました。冒頭の旅の説明もその一部です。まさか8枚も描くことになろうとは。しんどっ!

他の有識者はレースゲームの実験や練習をしたり、観戦会で解説など。レースゲームのエキスパートもいます。グラフィックのチェックもしてもらいました。

2.eスポーツの可能性

1日目はeスポーツ大会で、みんなでレースゲームで岡山国際サーキットを1周走ってリレーするというもの。人によっては初めてのハンドルコントローラ。障害の種類によってハード面のセッティングも違います。それでも、みんな、走れてる。最初はぶつかりながら、けれど、完走できてる。(わたしはとんでもないビビリなので、出場しませんでした。コソ練したけど)

セッティングの様子はリアルレースのピットさながら

そしてエキスパートチーム(練習を積んだエキスパート有識者と岡山代表eレーサー)の、プロレーサーさながらの走り。

個人的にうれしい言葉が、「ぼく、eレーサーになりたいです」。
車好きだけど、病気で運転を諦められていたあの方。今回有識者としてレースゲームの練習や検証をされて、岡山代表eレーサーに迫るめっちゃいい走りを見せました。

eスポーツなら誰でもモータースポーツに挑戦できる、と、いう可能性を見出します。

3.岡山国際サーキットでの至福の時

スタート前のようす

言わずもがな、わたしはこれを楽しみにやってきました。
すごくうれしい、快晴の現地観戦。

団体旅行なので、みんなで、しかも障害当事者ばっかりぞろぞろと動くのはなかなか大変でしたが。マイクナイトでの近さは本当に迫力がありました。ええ、語彙力失っています。みんなめっちゃ楽しそうでうれしい。

それでもゆっくり一人で味わいたいという気持ちが勝ってしまい。
広場でいつ帰るのかよく分からん状況になっていたので、こっそり一人でグラスタで観戦していました。あの瞬間は本当に本当に至福でした。集合に間に合わずで多大な迷惑をかけましたが。

後で聞いた話、視覚障害の方が音で楽しんでハマって、推しまで見つけてしまった!というのが、とてもよかった。またサーキットに行って欲しいです。

4.新たな課題

1日目ふりかえりノート

発達障害の特性もあって、緊張が強く、コミュニケーションを取るのが苦手です。
団体行動も苦手で、ストレスがたまりこの旅で2回逃亡しました。(ちょっと外します!という感じで)

1回目はeスポーツ大会、2回目は先ほどのサーキットでこっそりグラスタ観戦です。

サーキットで、支援者とともに行動する方々を見て、
「一人じゃ無理だ、サポーターが欲しい」

その話を、3日目の旅の振り返りの時にしたら、「たとえば視覚障害でコミュニケーション取れる人のサポートをしてみたら?」というアイデアを出してもらいました。これ以外にもポジティヴな課題がたくさん出たので、振り返りはいい時間でした。

「一人じゃ無理」という課題が、わたしの中ではかなりインパクトが強くてこれからどう向き合おうかと思った次第。

夢の中で

探し物はなんですか、見つけにくいものですか、カバンの中を、机の中を、探したけれど見つからないの。まだまだ探す気ですか、それより僕と踊りませんか、夢の中へ、夢の中へ、行ってみたいと思いませんか…

井上陽水「夢の中へ」

わたしもそうですが、障害者は、健常者以上に、生きがいや夢、仕事、人生の目標などを探している人が多い気がします。
もちろん、見出して邁進しておられる方もたくさんいるのですが。

冒頭で触れた通り、ePARAはeスポーツを通してやりがいや社会参加を支援する会社です。

「本気で遊べば、明日は変わる」

その言葉に惹かれてやってきた、ePARAのコミュニティメンバーは今も増えています。

わたしは遊ぶというか「有識者としてモータースポーツを伝える仕事」をしました。仕事として振ってくれたePARAにはとても感謝していますし、自身の今後に繋がればいいなと思っています。

旅のことを思い出した折に思い出したのが、井上陽水の歌で、すっと腹落ちしたのでした。熱いテーマソングを作ってくれた方にはやや申し訳ないと思いつつ。

説明グラフィック展示の前で

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?