希望は高貴、絶望は権利
今回は『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話(頭木弘樹編訳)』をご紹介。
この本の構成が大好きで、年に数回風呂で読む本です。
どうでもいいのですが、東京テレポートの本屋で買った記憶がぼんやりあります。
たぶん何かの集合時間よりちょっと早くついてしまって、暇つぶしに買ったのだと思いますが、良い出会いをしました。
この本の構成なんですが、2人の作家、ゲーテとカフカの名言対決!と題して、同じテーマに対して、二人がどのように考えていたのかが書かれています。
この二人は明のゲーテと暗のカフカと著者が書いているように対照的です。
生きるということ、夢について、仕事について、沢山の対比が紹介されているのですが、今回は僕が好きなものをいくつかご紹介します。
価値のある人間×価値のない人間
ゲーテ明る!カフカ暗!笑
でも何となくどっちも分かる気がする。しませんか?
苦痛も甘美×苦痛がトラウマ
あの苦しかったことが報われた!という経験は多くの人にあり、ゲーテに共感できるのではないでしょうか。実際カフカもそう思っていたようです。
しかしカフカは苦痛の水路は消えず、折に触れてそこを船が通る、と言っています。
何か分かる。それが生きていく深さ、とも言えるかもしれないですが、後悔や苦しさは忘れているようで、忘れていないような気もします。
希望は高貴×絶望は権利
明のゲーテの言うことはまさに強さと勇気を感じますが、暗のカフカの言うことも、ある意味では希望がある感じがして好きです。
絶望という感情も権利、逞しく感じます。
他にもたくさんの対比があるので、ぜひ紙の本で風呂場の近くに置いておくことをお勧めしたいです。
何となくゲーテは葉でカフカは根のようなことを教えてくれるような感じがします。
外の光を存分に力を変えるゲーテと、外の風でも倒れないように自分を保つカフカ。
どちらも自分の中にいる気がします。
多面的な自分を認めて、健やかに生きていこうと思え一冊です。おすすめです。
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