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自分がプロダクトを選んだ経験から選ばれるプロダクトを考えよう

私は月に3-4回のワークショップをやっているのですが、その中で最近お気に入りの演習があります。
誰か一人のこだわりの一品を掘り下げ、以下を考えてもらうものです。

  • それが自分にもたらす効果

  • これがなくなって手に入らない場合何を買うか

意外とこれ本人も質問されないと答えられなかったりするんですよね。

自分のこだわりの一品を考えてみた

考えてみたというより、社内の方にご協力した時に聞かれて初めて自分がなぜ買ったか説明がついたものがありました。

私はこのフィギュアが好きでみるたびに買うんです。

お気に入りのフィギュア (おいなりさん)

すでにコンプしているのにまだ買ってるんですよね。好きだから買うくらいの感覚で買ってました。

ある時同僚になぜ買うのか聞かれたんです。その時におそらく好きだからとか答えたと思うんですが、同僚が「好きだからなんですね!」と言って黙ってしまったんですよね。続けろということかと思って何か言わなければいけないといろいろ考えた挙句、自分が言ったんです。

「だってオンラインワークショップの時に自分の顔見ながら喋るのつらいんですよね。みんなカメラオフにしてて聞いてるかよくわからないし。可愛いものが周りで見てて聞いてると思うとモチベーション上がるじゃないですか」

ここで初めて、なるほど自分はそのために買ってたのか!と思ったんです。

ここまで気がついたので代替品を考えてみました。
そもそも出席されている方にカメラONにしてもらう方法があればそっちの方が良く、なければないで何か自分が話しかけられるものがあればいいなということに気がつきました。例えば人が描いてあるポスターとか。

他の人にも聞いてみた

面白かったのでワークショップに取り入れていろんな人のこだわりの一品をお伺いしてるんですが、これがまた面白いんです。

ある人は自分の名前に関連するモデルの万年筆。
動機はモチベーション。
勉強など多くの場面で使う筆記用具に自分のこだわりの品物を使うことで、作業が楽しくなり、作業をしたくなるから。
代替品は多分ネイルアートとか高い腕時計とかだなんだそうです。

ある人はとある雑穀ご飯がこだわりでした。
動機はお料理の時間の短縮と同時に食事の満足度の向上を図ること。雑穀ご飯があることで食卓の彩りが担保され、同じ品数でも見た目の華やかさで満足度が向上する。

ある人はオペラグラス。
動機は自分自身のエネルギーを効率的に蓄積すること。
ライブパフォーマンスに参加するのはエネルギーを自分自身に蓄積することだが、この時に舞台上で自分が見たいところが綺麗に見える状態をオペラグラスを使って担保し、ライブの後で別の参加者と気づきを共有することでさらにエネルギーを蓄積することができる。

人は意外と直感でプロダクトを選んでいる

ヒアリングしていて気がつくのは、自分の動機は意外とみなさん気づいていないんです。
問いかけをくりかしながらヒアリングするとやっと出てくるんですね。

私のように、選んだ段階ではなんとなく、無意識的に選んでいる方が多い。

例えばオンラインワークショップ、勉強、限られた時間内での料理、ライブといった各個人の文脈において適切なものを直感的に選んでいるので、いかに機能が多いかとか、そういう選定基準ではあまり選んでいないんです。

機能で選んでいないので、代替品を考えた時に全く別のものが出てくることがあります。「ポスター」「ネイルアート」といったように。

なぜ人がプロダクトを選ぶのかについては「ジョブ理論」という考え方があります。

ジョブ理論はこちらが非常によくまとめられているのでご参照ください。

つまり人がプロダクトを選ぶ理由は文脈に照らし合わせてたくさんあり、その傾向を特定しそれぞれに見合ったプロダクトのストーリーを作ること、またそのストーリーに照らし合わせたプロダクトの展開を考えることが、選ばれ続けるには重要なんです。

その一歩目に自分がなぜ特定のプロダクトを選んだか振り返ってみましょう。
それはなんでしょう。
どんな効果がありますか。
もうそれが入手できない場合、同じ目的を達成するために何を選びますか。


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