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塗り薬、何日で使い切りますか?

初めてお会いする患者さんには、今までの治療についてお聞きします。
「前にこの薬を別の病院でもらったけど効かなかった」とお話くださることも。

そんな時に聞くのが、これです。
「もらってたチューブを何日くらいで使い切っていましたか?」
1日に何gくらいの薬で治療していたかを知りたいのです。

この塗布量というのは、人によってかなり差があります。
大人の体の広範囲の湿疹なのに「チューブ1本で2週間くらいもつ」と言われてしまうことも。
これは少なすぎで、この塗布量では効きません。
もらっていた薬そのものが効かない・合わないという話の前に、「薬の量が不足していただけ」かもしれません。

例えば飲み薬で考えてみましょう。
錠剤を、半分に割って、さらに半分に割って、もう半分に割って、、、小さなカケラを飲んでいたらどうでしょう?おそらく効果はありませんね。
これと同様に、塗り薬にも【適量】があります。

塗り薬の適量の目安として、1FTU ( Finger Tip Unit ) という単位があります。
【1FTU=薬のチューブから人差し指の1関節分まで絞り出した量】で、大人の手のひら1枚分の範囲に塗る量がこの1FTUくらいとされています。

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実は以前は、1FTU=手のひら2枚分と言われていました。
でもこれは海外の大きなチューブの場合の話で、日本で主流の5gや10gといった小さいチューブの口から絞りだした1FTUは手のひら1枚分くらいなんですね。
これを実際塗ってみると、適量って結構多いんだ!と驚きます。

お薬というのは、治療という目的のために、決まった量を決まった使い方で使うものです。なんとなく使うものではありません。
薬の量は、多すぎてもいけませんが、少なすぎてもいけないんです。

湿疹の治療で使われるステロイドには、強さの「ランク」があります。
薬を塗ってもイマイチ症状が良くならない時、この薬は効かない→もっと効果の強い薬にした方がいい!と思うかもしれませんが、その前にちょっと待って。

塗っていた量は、果たして【適量】だったでしょうか。

お薬の効果は、飲むのも塗るのも、適量を使ってこそです。
正しい塗る量や範囲がわからない時は、皮膚科の先生に確認してみましょう。

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