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工作レンズ02_スマホ用マクロレンズ

AUKEY製「15倍マクロ + 0.45倍広角」というスマホレンズがあります。スマホ用クリップの取り付けネジ径が37mmでこのクリップ欲しさに何年か前に購入したもの。
マクロレンズ側には「15×」と刻字されています。
iPhone12 miniの画面短辺でノーマルだと6cm弱まで合焦するのですが、これつけて3cmが短辺いっぱいになるくらい寄れる。なので実際の写り加減で言うと2倍マクロという感覚です(マクロ倍率の定義はさておきます)。
これに0.45× WIDEと書いてあるレンズ(凹レンズです)を重ねるとワイコンレンズになるという仕組みです。


iPhoneに取付状態

左:マクロレンズ 右:ワイコン状態(マクロレンズ+ワイドレンズ) iPhone12mini

スマホレンズとしては大ぶりですが、口径が大きい分スマホとの位置合わせが楽で、小ぶりのスマホレンズよりは写りも良さそうな気もします。

大きさ比較

AUKEYマクロ+ワイドレンズ・NIKONワイコンWC-E67 0.67×
Gizmon Macro + Wide 0.5×

スマホ用のアタッチメントレンズは、上のGizmonくらいの大きさで取り付けネジがφ16mmという製品が多いのですが、このAUKEYのクリップはφ37mm。
ワイコン状態で使うとさらに結構なカサになります。ここまでくるとカメラ用のワイドコンバーションレンズと大きさが変わらないし、撮り比べても明らかにカメラ用の方が歪みが少ないので、スマホで使うワイコンも最近はもっぱらNIKONのWC-E67 0.67× になってしまいました。(取付径が28mmなので37mm-28mmステップダウンリング併用)

カメラに着けてみる

で、スマホとかワイコンの話じゃなくて、このAUKEYマクロレンズも当然ながら凸レンズの類なので、カメラで使えないかなと思った次第です。
レンズの取付径が37mm(多分0.75ピッチ)、正面にはワイドレンズ取付用に39mmのネジが切ってあります。
39mm-37mmのステップダウンリングで取付径を39mmに変換、0.75mmピッチ→L39(1mm弱ピッチ)に変換するアダプタは探しても見当たらない。
ネジピッチが違うのはちょっと無視して、L39-M42変換リングを介してM42マウントアダプタに捩じ込んでみます。

M42マウントアダプタ + L39-M42変換リング
左奥はL39マウントアダプタ

M42マウントだとマクロ専用状態、1.5m近辺以内しか合焦しないかわりに、センサー面から20cmくらいまで寄れます。

ステップダウンリングの39mmネジをL39-M42変換リングやL39マウントアダプタに捩じ込むのも気持ち悪いので代用品をあれこれ探すと、L39の延長リングが出てきたのでこれを使うことにします。
レンズ底ネジφ37mmにビニールテープを巻いて隙間を埋めて、さらに上からもう一度テープを巻いて補強。
外れるリスクもありますが、ねじ山痛めるよりはマシかな。

左からL39マウントアダプタ・L39延長リング・AUKEY MACRO
右:さらに10mm厚の延長チューブを追加

L39マウントアダプタだけだとカメラ側センサーとレンズの間隔が近すぎてどこにも焦点が合いませんが、厚さ10mmのチューブを挟むと若干オーバーインフ、無限遠の少し向こうから50cmくらいまで合焦します。

フランジバックが L39: 28.8mm(今回は+10mm) / M42: 45.5mm、マウントアダプタ先端からこのレンズの中心まで8mmくらい。
つまり、センサーからレンズ距離で47mmだと無限遠の少し向こう、53.5mmだと近景・マクロ状態なので、推定焦点距離が50mm弱のようです。
焦点距離はともかく、撮りたいものが無限遠〜50cmだとL39マウント、マクロ専用 ぐっと寄りたい時はM42というパターン。あるいはL39のまま、さらに延長チューブを追加するということになりそうです。

お手製絞り

左:単眼鏡目当(開口径約15mm) 右:レンズキャップに6mmほどの穴

さすがに開放だと滲みます。味と言えばそれまでですが、状況によっては絞りたくもなりそうなので穴あきのレンズキャップとかステップダウンリングとか絞り代わりになりそうなものを何種類か用意しておきます。

作例

左:開放 右:ステップダウンリングでφ24mm
左:目当てでφ15mm 右:キャップ穴6mm

CloseUp No.10+5 と同じモデル(備前焼ねこ全長約6cm)。
30cmくらいの距離
シャッター時間から想像すると
 開放(f:1.8くらい?)/半絞り/2絞り/4絞り(f:8くらい?)くらいかと思います。

下は最短近く、センサーから21cm(レンズ先端から16cm)くらいに寄って

左:開放 右:キャップ穴6mm
左:目当てφ15mm 右:ステップダウンリング24mm

このあたりまで寄ると絞ってもピント範囲が薄い。少しだけ絞ってなんとなく滲んだ雰囲気の方が好みかも。

風景テスト

FUJIFILM X-A3 左:開放 右:φ15mmに絞り

開放だとピントがさっぱりわかりませんが、Diana F+で取り損なった(^^;ような絵(Dianaレンズは、もっとコッテリ感あった気がします)。
逆光でコントラスト低下してるわけでもなく、露出加減が難しそうです。右は有効径の半分くらいに絞った状態。
チェキ風とかフィルムカメラ風といえば褒めすぎ。少しだけ絞るくらいが良さそう。

仏の座(春の方です) 左:開放 右:15mmの絞り

元がスマホマクロなので至近距離の方が向いているのかと思って接写も試してみました。最短の(センサーから)20センチくらい。

左:開放 右:15mmの絞り

開放だとピントも露出も発色も読めません。偶然性頼りです(^^;
昔、カメラ雑誌かでフィルターレンズにわざわざワセリンとか塗って滲ませるという話を読みましたが、手持ちのレンズでこんなに滲むものは持ってないので喜んでいいのかどうか。
さらに延長チューブを重ねて10センチ以内を撮ってみたいかな?

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