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2022年読んだ雑誌とかでいっちゃんいいやつ決めようや!な話

 昨年も乃木坂46メンバーが掲載された雑誌、新聞、写真集等をモリモリ買ったわけですが、その中から独断と偏見でいっちゃんええやつを決めようと思います。

 とはいえ、ありがたいことに読み応えのあるインタビューや思わず声が漏れてしまうグラビアなど、数多くの良書があったため、今回は部門別に個人的グランプリを決めようと思います。なお、写真集は選考対象外にさせていただきます。

 各月の簡易レビューはこちらのマガジンから。インタビュー部門は各月の雑感と内容が重複する箇所もありますが悪しからず。



グラビア7選

ノミネートNo.1:EX大衆 2022年4月号
掛橋沙耶香(撮影:佐藤祐一)

 掛橋沙耶香さんが銭湯でアルバイトをする、というシチュエーションなのですが、それがまぁ似合うこと。彼女のどこか気だるそうな雰囲気が閑散とした銭湯にマッチしていますし、コインロッカーの上で漫画を読んだり浴場で寝転ぶ姿が彼女のキャラクターを表しているようで刺さります。温泉旅館や流行のサウナも魅力的ですが、足を伸ばしてでも通いたいお風呂屋さんはここ一択。


ノミネート No.2:B.L.T. graduation 2022 高校卒業
岩本蓮加(藤本和典)

 岩本蓮加さんの高校卒業グラビアは「雪解けエモーション」というコピーに相応しいものでした。雪が積もった校庭での無邪気な様子から、どこか寂しげで別れを感じさせるカットは、卒業式後のノスタルジックで冷たい空気を想起させてきます。また、「graduation 2019 中学卒業」をセルフオマージュしているカットもあるので、そちらも合わせて読むとより感慨が増します。graduation編集部は室内で制服姿のメンバーを裸足にさせがち。


ノミネート No.3:EX大衆2022年8月号
清宮レイ(撮影:北浦敦子)

 清宮レイさんの夏グラビアは今年も最高でした。背伸びをしながら腰に手を当て、首をちょっと曲げて笑うカット。相変わらずレイちゃんは角度が良いね!無機質な背景とは対照的に、寝転がって足をバタバタするカットや、屋上ではしゃぐ姿にはシンプルに元気を貰えます。清宮レイちゃんが太陽の下で水色のノースリーブを着ている、という3点セットはさすがに夏の過剰供給。


ノミネート No.4 B.L.T. 2022年12月号
池田瑛紗(撮影:YOROKOBI)

 池田瑛紗さん初のソログラビアは、初めてとは思えない完成度でした。宝石のような瞳にクールな表情には思わずなんて美だ!と叫びたくなります。序盤で焼き芋を手に背を向けているカットがあるのですが、最後のページではそれが笑顔に変わっているのが振りが効いていて破壊力抜群。インタビューでは撮影に臨むにあたって意識していることが語られているのですが、それがこのグラビアの魅力の裏付けになっていて面白いです。撮影したYOROKOBIさんからは「池田瑛紗さんは被写体として素晴らしい感性の持ち主だと思います」との評価も。


ノミネート No.5:B.L.T. 2023年2月号
小川彩(HIROKAZU)

 テーマは「迷子」。眉を顰めながら地図を読んだり、地図をマントのようにしたり、地図を破って顔を覗かせたりと、地図の使い方が世界一上手なグラビアでした。両手いっぱいに枯れ葉を拾い上げているカットでは背伸びをしているのがいじらしい。落ち葉を蹴っ飛ばしている姿がばちこり似合うので、BUMP OF CHICKENが『スノースマイル』のMVをリメイクする時は是非とも彼女に声をかけてほしいです。


ノミネート No.6:週刊少年マガジン 2023年 4・5号
久保史緒里(細居幸次郎)

 キメキメなグラビアやアイドルシチュエーションも当然うれしいのですが、こと久保史緒里さんにおいては、日常に溶け込むような自然体カットが好きなので、この巻頭特集は至高のグラビアでした。その「日常感」を演出することにおいて、細居さんの右に出る者はそういないとも思うので、この2人は最強コンビなのです(CM NOW vol.209とか大好き)。


グランプリ:blt graph. vol.78
柴田柚菜(細居幸次郎)

 2022年の個人的グラビア大賞に選ばれたのは blt graph. vol.78 の柴田柚菜さんでした。柚菜ちゃんの笑顔にめちゃくちゃに惹かれるのは言うまでもないのですが、笑顔のレパートリーの多さも印象的です。ページを読み進めていくごとに表情も大人っぽくなっていくのですが、そのグラデーションも魅力的。過去には細居さんとgraduationで一緒になった際「またいつか撮って頂けるように頑張ります」と綴っており、それが夢だと語っていた blt graph.の表紙で再開を果たしたのだからなお嬉しいですね!優勝!


カバーガール3選

ノミネート No.1:週刊少年マガジン2022年 16号
鈴木絢音(撮影:細居幸次郎)

 同じく絢音ちゃんが表紙を飾った「CM NOW vol.216」と迷いましたが、鈴木絢音×雪の引力に引っ張られてこちらを選出しました。絢音ちゃんと雪の組み合わせといえば、約4年前のグラビアを思い出すのですが、その時から変わらず麗しいです。巻頭グラビアのメロウな雰囲気とのギャップを感じる笑顔も素敵。


ノミネート No.2:CanCam 2022年11月号
山下美月(撮影:SASU TEI)

 これぞモデル!といった印象を受けるアイコニックな山下美月さんがめちゃくちゃカッコいいです。これまでも何度かCanCamの表紙は飾ってきましたが、どちらかというと甘い系統が多いイメージでした。しかし、こういったキレキレな姿にも堂々たる風格を感じます。こんなモデルさんがピチピチの革パンひとつでダサくなるのが不思議でなりません。


グランプリ:B.L.T. 2022年10月号
遠藤さくら(撮影:前康輔)

 カバーガール大賞はこちら。まず遠藤さくらさんが仁王立ちをしているというのが良いですよね。手で庇を作り、微笑みながらこちらを見つめる様子にカラッとした夏の空気感を感じますし、抜けに映る青空と入道雲がそれを引き立てていて最高です。昨年の夏は入道雲を見るたびに、この表紙を思い出したと言っても過言ではありません。優勝!


インタビュー5選

ノミネート No.1:BUBKA 2022年5月号
田村真佑(文:犬飼華)

 何事もネガティブに変換する「でもでも星人」は見たことがありますが、ポジティブに捉える「でもでも星人」には初めて出会いました。すごいです、田村真佑さん。

 「『Actually…』の表現の難しさを体感しています。でも、魅力的な楽曲なので~」「メンバーともそのことについて話しました。でも、それぞれ解釈があるところがいいところでもあって~」など、彼女のインタビューは尻上がりに終わることが多かったです。

 そんな真佑ちゃんですが、ファンからポジティブだと思われがちだけど、落ち込むことも多いとも語っています。はじめの数行を読み進め、まさに彼女のポジティブさに感嘆していた身からすると、痛いところを突かれた気持ちです。しかし、そこで終わらないのが田村真佑。

田村:でも、アイドルとしては、明るい人だと思われることはすごくいいことだと思います。私の目標は、自分がいるだけでみんなが明るくなれる人になることなので。

 また、選抜内での目標や、理想と現実とのギャップについても語られているのですが、それらもすべてプラスの言葉で締めくくられており、感服するほかありません。また、「授業であてらると緊張で手が震える」「駅で転んで恥ずかしい」といったシャイな過去が明かされているからこそ、これほどまでに前向きに舵を切れるようになった変化の大きさが際立ちます。

 横道ですが、真佑ちゃんのインタビューといえば「N46 MODE vol.2」で実現した久保史緒里さんとの仲良し対談も良かったです。なかでも、久保てゃんが「私は真佑がよくコーラを飲むところが大好きなんです」と言っていたことが印象的でした。

 というのも、過去に久保てゃんが悩みを抱えていた際に、新内姉さんから「自分が食べたいものを食べなさい。そういうところから始まるんだよ」と、自分の欲求を尊重するという自己肯定の緒を説いてもらっていたそうなので、久保てゃんが真佑ちゃんのありのままに惹かれるのはすごく納得感があるなぁ、というお話でした。huluは『僕たちは居場所を探して』再配信して!

 とにかく、ここまで読んでいて気持ちのいいインタビューはなかなかないと思います。彼女が目標としているような明るい気持ちにさせてくれる読後感を味わうことができました。


ノミネート No.2:B.L.T. 2022年4月号
早川聖来(文:大久保和則)

 早川聖来さんがどんな人であるか、それを知るのに欠かせない一冊だと思います。先輩の卒業、後輩の加入、そして自己肯定感についてがメイントピックスとして語られています。

 4期生として様々な経験を積んだことに対しては、感謝の思いとともに、3期生から「うらやましい!」と言われることも多いと明かす聖来ちゃん。期を超えた関係性が構築されているからこそのラリーなのでしょうが、ファンの目には映りにくいやり取りだと思うので貴重な証言だと思いました。

 後輩について印象的だったのは「一番下の後輩の責任感」という台詞。一番の若手だからこそ気を遣う場面が多く、それが先輩や周りの信頼感・距離感に繋がるという話でした。ここまで頭を巡らせることができることが聖来ちゃんの真面目さの証明であり、彼女はこの責任感と4年間向き合ってきたんだな、と思います。聖来ちゃんならではの視点だと感じました。

 そして、活動をするうえで「自己肯定感を高める」ことが大きな目標だとも口にしています。グループ加入前から自己肯定感が低かったらしく、同期の田村真佑さんや清宮レイさんの名前を例に、自己肯定を持つ人に魅力を感じると語られています。

 しかし、自己肯定感を持てないことに辛い気持ちを抱えたり、活動を楽しむために「もっとがんばらなきゃ」という台詞を口にしていて、そこからは自分を肯定するというより、自分を変えなければ、といったある種 使命感のようなものまで伝わってきました。

 その後、夏に休養を経てグループに帰ってきた聖来ちゃんですが、ブログやメッセージで紡ぐ言葉からはすごい変わった印象を受けるんですね。自己肯定感云々を判断するのは早計かと思いますが、少なからず自分を大切にすることや、自己受容の意義に触れているように映ります。年末には彼女から「前の私より、今の私の方が好きだと思います。」という言葉が聞けたことに感動しました。

 来年は「毎日の一瞬一瞬、私は私が好きだと言える一年にしたい」と目標を掲げた聖来ちゃんですが、そこからはこのインタビューで感じた閉塞感のようなものは感じませんでした。彼女の変化の歩みを知るためにも読んでおきたい一冊です。


ノミネート No.3:B.L.T. 2022年10月号
遠藤さくら(文:小畠良一)

 遠藤さくらさんが持つキャラクターが色濃く反映されているインタビューでした。彼女のことを知らない人に「遠藤さくらはどんな人か」を説明するなら、この本を推薦するかもしれません。特に印象的だったのは最後の会話。

── 何かひとつだけ遠藤さんの願い事が叶うとしたら、何をお願いしますか?
遠藤:なんだろう。うーん……
── 特に思い浮かばないですか?
遠藤:うーん。うーん。
── ないのも ”らしい” かと。
遠藤:じゃあ、これで(笑)

 一見すると煮え切らない幕引きですが、それが遠藤さくらさんが出した答えだと何故だか心地いい。彼女への問いかけも、無理に取り繕った言葉を引き出そうとしていないのが嬉しいです。

 その他にも「何かを投げ出したり、その場から逃げ出したくなったりすることはありますか?」という問いには、「しょっちゅうなってます(笑)」と返すも「でも、逃げ出すわけにはいかないから、がんばるしかないですよね。」と続けています。この弱気な一面の裏に確かな気概が同居している感じや、それを自分に言い聞かせているかのような言い回しにも心をくすぐられました。

 インタビュー内では、自分が歩いている道を迷路のようだと表現していました。何をゴールにするかは人それぞれでしょうが、個人的にアイドルというコンテンツでは、目標そのものより、そこに至るまでの営みに惹かれることが多いので、幾ばくかの後ろめたさを抱えながら今後の彼女の歩みを楽しみにしたいと思います。


ノミネート No.4:日経エンタテインメント 乃木坂46 Special 2023

 メンバー全員の1年を振り返る日経エンタ特別号は、今年も大満足な内容でした。どのメンバーにも最低2ページ分のインタビューが担保されているのはありがたい。特に印象に残った齋藤飛鳥さん、山下美月さん、秋元真夏さん、鈴木絢音さん、阪口珠美さん、中村麗乃さん、早川聖来さん、池田瑛紗さんのインタビュー雑感はこちらに書いております。

 月別の方では触れていなかったのですが、一ノ瀬美空さんのインタビューもおもしろかったです。ぶりっ子を全うすることに対して、「素のままでアイドルをやったら、否定されたときに気持ちが沈んでしまうから、今はアイドルの一ノ瀬美空を自分でも楽しんでいるんです」と語っていました。これを聞いて思い出すのは『いつのまにか、ここにいる。』の大園先生。両者とも素の自分をアイドルという職業に落とし込むことの難しさを感じつつも、その先の考えにキャラクターの違いが現れていて興味深いです。

 個人的に2022年に開催された3つのアンダーライブは、そのどれもがグループ単位でもメンバー単位でも有意義なものだったと感じました。なので、(1~4期生のうち約半数が参加しているので自然ともいえますが)秋元真夏さんや久保史緒里さんを含む多くのメンバーから話題に挙がったことも嬉しかったです。


グランプリ:BRODY 2023年2月号
梅澤美波(文:大貫真之介)

 2022年の乃木坂46を振り返る梅澤美波さんのロングインタビュー。めちゃくちゃよかったです。彼女は毎月「日経エンタテインメント」の連載で乃木坂46のトピックをコラムに綴っているのですが、そこでは掬いきれないグループの内情や個人の心情を知れて、読み応え抜群でした。また、総括ということで話題が広く派生するのですが、そのどれもが解像度高く語られていた印象です。

 副キャプテン視点では、3月に起きたグループの混乱や、5期生のこれからについて。当時の心境については、これまでメンバーが口にする機会はそうありませんでしたし、この先わざわざ蒸し返すようなこともないと思います。だからこそ今回、梅澤美波さんが当時どういった感情を抱いていたかを明かしてくれたことは貴重だと感じますし、梅澤さん自身相当難しい時期を過ごしていたことが伝わってきました。また、5期生のこれからについては、おべんちゃらではなく、彼女たちの未来を思いやる率直な願いを口にしているところがグループの先頭に立つ人ならではだと感じました。

 3期生視点では、神宮での注意喚起、同期の現在地、4期生への思いなどが聞けました。4期生に向けては「私にできることは声をかけてあげることくらいで、どの道に進むかは自分しだい。だからこそ、間違った言葉を投げることはできないな、とも思います。」と話しています。

 実際に、矢久保美緒さんはインスタグラムで「周りをよく見ている方で、沢山褒めてくださって すごくすごく尊敬しています。頼りになる方からの言葉はすんなりと受け入れられて自信に繋がります。」と綴り、柴田柚菜さんはバースデーライブの頑張りを認められ「見てくれている人はいるんだなって改めて思えたし、『私は何かを乗り越えたんだな』って実感もできて、ありがたかったです。その場では我慢したんですけど、なんか泣きそうになりました。梅澤さんは、本当にかっこいい先輩です(B.L.T. 2022年8月号)」と語っています。広い視野で後輩の動向から届ける言葉まで気を配れる彼女の声掛けは、4期生にとって大きな励みになっていると感じます。

 梅澤美波さん個人の視点では、『シンクロニシティ』でセンターに立つことや、齋藤飛鳥さんの卒業に寄せて。舞台『キングダム』に臨むことから、2023年の目標などが語られています。白石麻衣さんとの初卸エピソードだったり、飛鳥ちゃんとの愛ある牽制合戦だったり、先輩としての振る舞いが板についた今だからこそ、後輩・梅澤美波としての言葉に微笑ましさを感じました。

 主に3つの視点で語られた梅澤美波さんの2022年総決算。この先のグループや個人を取り巻く環境が変わっていっても、彼女の慧眼が曇ることはないと確信しているので、2023年以降も続けてほしいですね。優勝!


パンチライン5選

ノミネート No.1:GIRLS STREAM 05
早川聖来(文:森野広明)

早川:そもそもみんな何も知らない状態で入ってくるので、ふわっと言われても、よくわからないことがたくさんあるんです。日本人特有の「空気で察せよ」みたいな感じで、具体的に「それはこういうことだよ」と伝えない雰囲気があったりするので、そこは具体的にしっかり教えてあげたいなって。
必要な苦労はした方がいいと思うんですけど、無駄な苦労はあんまりしてほしくないんです。

 新たに加入する5期生に向けての言葉なのですが、今すぐ全国の企業に聖来ちゃんを配置したい思いでいっぱいです。

 新加入のメンバーはそのほとんどが学生であり、アイドルになると同時に飛び級で社会人としてもデビューするわけで、はじめましての常識にたくさん直面することでしょう。それはグループとしても大事にいている土台部分でもある思うので、こうした思いで後輩に接することができる存在がいることは、長い目で見るという意味でも価値あることだと感じます。

 ちなみに真夏さんも月刊エンタメにて、後輩たちにライブの姿勢について注意を促したという話題から「世代が離れてきた分、私の常識が通じるわけではないので、イチから教えないことは不親切だと思うんです」と話しています。大人数グループアイドルの特性上、年齢も価値観も異なるのは当たり前ですが、共通して持っておきたい「あたりまえ」をきちんと提示し、ズレを修正できる人がいるのは頼もしいです。


ノミネート No.2:乃木坂46新聞 2022
井上和×菅原咲月(文:横山慧)

菅原:私が泣いている時、和は笑ってるっていうのを決めてるらしく。それがすごくうれしくて。

 ときにメンバーからは「乃木坂46で過ごす日々こそ青春だ」といった言葉を聞きますが、これはまさしく青春を煮詰めた約束事だと感じました。後に発売された「B.L.T. 2023年1月号」では、井上和さんが泣いている時は自分(菅原咲月)が笑うんです、ということも明かされています。なんだこの青春協定は!見てるか日清!これがアオハルってやつだ!

 「アップトゥボーイ 2022年8月号」時点では、2人の関係は「大変なことがあったら一緒に泣いて」と綴られているので、全国ツアーあたりを境に一歩踏み込んだ仲になったと思われるのですが、加入からここまで結束を固めるの早くないですか。来る5期生ライブを経て、2人がどう成熟していくのかにも注目していきたいです。


ノミネート No3.:アップトゥボーイ 12月号
奥田いろは

奥田:いつか、『日常』を日奈子さんの位置でパフォーマンスさせていただくのが夢です。

 過去にブログで聞いた言葉ではありますが、改めて。北野日奈子フォロワーでも知られる奥田いろはさんですが、この発言には思わず唸りました。後輩メンバーが憧れの先輩の名前を口にすることは珍しくありませんが、その先輩の代名詞ともいえる楽曲の真ん中に立ちたいと言える後輩はそうそう現れません。また、『日常』が好きだというメンバーも多いですが、センターで踊りたいという声は、記憶する限り久保史緒里さん以外で耳にしたことはないです。

 好き故の無邪気な願望なのか、黄緑とピンクを継いだ覚悟の先にある夢なのか、はたまた別の思いが込められているのか。いずれにしても、『日常』の火を絶やさずにいてくれる存在が5期生の中にもいると知れて嬉しかったです。


ノミネート No.4:東京カレンダー 2023年2月号
秋元真夏(文:Yoshie chokki)

秋元:”乃木坂46が好き” っていう気持ちが同じなら、一緒に前を向けると思います。あと、すごい自意識過剰かもしれないですけど、私がブレずに ”好き” って思えば、絶対に行ける!と、どこかでちょっと思っているのかもしれません。そういう思いの結晶のようなものが、私たちなんだと思います。

 大人数グループにおいて各々の熱量の差を擦り合わせることの難しさについて問われた際の、キャプテンのアンサーです。

 2022年のベストインタビュイーを選ぶなら真夏さんで、月間エンタメアップトゥボーイR25など、読み応えのある記事をたくさん提供してくれました。また、岩本蓮加さん、梅澤美波さん、賀喜遥香さん、金川紗耶さん、北川悠理さん、弓木奈於さん、賀喜遥香さんらは、インタビューで真夏さんから受けた優しさを口にし、早川聖来さんや井上和さんからは背筋を正す言葉をかけてくれたと明かしています。その中で感じたのは、彼女自身キャプテンとしての輪郭がはっきりした1年だったのではないかと思いました。

 グループとしてのバリューを損なわないためにも地に足をつけ、時にはタフな役回りもこなす人が、自分の「好き」を信じ、メンバーの「好き」を信じ、その思いの結晶が乃木坂46を乃木坂46たらしめているのではないかと語っているのです。そんなロマンティックな思いに、愛おしさを感じずにはいられませんでした。


グランプリ:EX大衆 2023年1・2月号
一ノ瀬美空×小川彩(文:大貫真之介)

一ノ瀬:私は世界で一番、あーやのことが好きなんです。あーやがどんな姿に生まれ変わってもあーやだとわかるし、世界中の人があーやと同じ顔になっても本物のあーやを見つけることができる自信があります。そんなあーやを産んでくれたお母さまは偉大な存在。お母さまを含めてLOVEなんです。

 2022年のパンチライン部門を勝ち取ったのは一ノ瀬美空さんです。いやはや、恐ろしい。この対談では一ノ瀬み~キュンキュンが終始アクセルベタ踏みでかっ飛ばしているのですが、その中でもこの台詞は強烈なインパクトと得も言われぬ畏怖の念を与えてくれました。

 小川彩さんに対する一ノ瀬美空さんの偏愛っぷりはとてつもないですが、内面の魅力もしっかり伝えてくれるのがいいんですよね。五百城茉央さんが言うところの「上辺で可愛いから好きっていってるんじゃない(新・乃木坂スター誕生)」というやつでしょうか。それは小川彩ちゃんにも伝わっているようで、対談中も笑い泣きをしてしまったり(スタ誕では泣きそうになったり)、逆に小川彩ちゃん側からも一ノ瀬美空さんへの思いを聞くことがあり、2人の関係性がエンタメとしてではなく、相思相愛であることも見て取れるのが非常によいです。


番外編

ミステリー部門:月刊バスケットボール 2022年6月号
弓木奈於(文:高木希武)

── 弟さんや妹さん、林さんのように年下が優しくしてあげたくなる雰囲気が弓木さんにはあるのでしょうね。

弓木:靴下を脱ぎっぱなしにするとかですかね(笑)

 質問に対して脱落しているとしか思えない返答をする弓木奈於さんなのですが、これは私の読解力が足りないのでしょうか。6月時点では「靴下を脱ぎっぱなしにしする→手がかかる→優しくしてあげたくなる」という仮説を立てたのですが、奇才弓木奈於にパンピーの考えが及ぶとは到底思えないので、この件は迷宮入りです。最後の「(笑)」が煽られているようで、己の浅学さをより痛感させられます。


次はがんばろな!部門:UteenB No.1

 アップトゥボーイのムック本として発売されたUteenBがグランプリです!おめでとうございます!おめでとうございます?

 「10代限定・ハイクオリティービジュアルマガジン」と銘打っていましたが、なぜ10代女子に限定しているのかは不明です。エリザベートが編集を務めているのかもしれません。1人あたりに割かれるページ数は通常のアップトゥボーイと変わらず、インタビューの内容・量は割引な印象で、価格は割増という「何だコイツ~」なUteenBにNo.2が訪れるのか否か、乞うご期待!表紙を飾ったあやめちゃんはかわいかったです。


応募券おしゃれ部門:SCREEN girls

シャレてる

矢沢永吉部門:スポニチ

なんで?


2022年のいっちゃんいいやつ

 というわけでグラビア部門は「blt graph. vol.78」柴田柚菜さん。他にも選考を悩ませるものはたくさんあったのですが、柚菜ちゃんに関しては、途中で「アップトゥボーイ 4月号」の柚菜ちゃんと「B.L.T. 8月号」の柚菜ちゃんもノミネートするというボーボボの人気投票のような現象が発生するくらいどれも素晴らしかったです。

 個人的にメンバー個人の考えや価値観を知れて、その子への興味を深めるきっかけになるインタビューが好きなのですが、「BRODY 2023年2月号」の梅澤美波さんはその枠を取っ払うくらい良かったです。ちなみに、推し補正がかからないようにと変なフィルターをかけてしまったのですが、北野日奈子さんのインタビューは相変わらず(写真集も含め)耽読してしまうものばかりでした。

 グラビア、インタビューともに「B.L.T.」は一定のクオリティを保証してくれる印象があるのですが、最近は乃木坂46メンバーの掲載が(姉妹本含め)減っている気がするので、オタクたちはいっぱい買っていっぱいアンケートを出して!おしまい!

2023年1月19日
エメリンゴ

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