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【ヤンデレ好きの皆さんへ】今日は『永山吐夢』を覚えて帰ってください【映画「マッチング」】


このブログを開いてくださりありがとうございます。
皆さん「ヤンデレ」は好きですか?

私は大好きです。

◼️ヤンデレとは◾️

キャラクターの形容語の1つ。「病んでる」と「デレ」の合成語であり、広義には、他のキャラクターに想いを寄せているが、その好意が強すぎるあまり、精神的に病んだ状態になることを指す。

ウィキペディアより

「ヤンデレ」と一口に言っても様々で、
『ひぐらしのなく頃に』の竜宮レナや園崎詩音、『化物語』の千石撫子、『fate/stay night』シリーズの間桐桜のように、いくら本人に素質があったにせよ不可抗力な状況に背中を押されて病んでしまった子もヤンデレと呼びますね。

ちなみに私が好きなタイプは
「ゴリゴリに素質があり、暴力性の矛先が愛する対象には絶対向かない、頼れる騎士タイプ」です。

『未来日記』の我妻由乃、
『呪術廻戦0』の折本里香、
『妖狐×僕SS』の御狐神双熾、
『ハッピーシュガーライフ』の松坂さとう、

辺りが挙げられるかと思います。

さて本題に入りますが、ヤンデレ愛好家の皆様に
この度ご紹介したいのは、
2月23日から公開されている
映画「マッチング」の狂気のストーカー・
永山吐夢。

白に近いボサボサの金髪に、着古したロングコートを引きずって歩く。足元はデートだと言うのに野暮ったいゴム長靴を『ぶこ、』と音をさせながら歩いてくる。
その顔に正気はなく、真っ黒な瞳は深海のよう。

彼を数あるヤンデレタイプに分類するのであれば、
先述しました
『ゴリゴリに素質があり、暴力性の矛先が愛する対象には絶対向かない、頼れる騎士タイプ』だと思います。

映画『マッチング』は、
そんな「刺さる人には絶対刺さる」永山吐夢が
2時間かけて真実の愛を探す映画と言っても過言ではありません。

三次元でありながら、二次元のオタクにもグサグサと刺さる要素がてんこ盛りの『永山吐夢』。

鬼才・内田英治監督がオリジナル脚本で温め生み出したキャラを、アイドルでありながらアニメオタクであることを豪語する佐久間大介が自己解釈のもと丁寧に噛み砕いて作り上げた『永山吐夢』というキャラクター。

春が近づきお出かけ日和も増える3月。

ちょっと映画を見に行きたいけど良いのないかな?と思っている皆様が、
映画『マッチング』を見たくなりますように。

今日はそこに登場する、
愛を狂わせ、愛に狂わされた、
なんとも魅力的な彼らを覚えて帰ってもらえたらと思います。

※以下の文には映画本編の多少のネタバレが含まれます※

※本当はネタバレなしでプレゼンしたかったけど永山吐夢の魅力を伝えるために彼の振る舞いや言動、設定についてある程度のネタバレが含まれます※

※何も知らずに見たいという方、
もう見ることが決定している方は
Uターンでお願いします※


①顔が良い

待ってください。行かないでください。
顔が良いんです。本当です。

狂気のストーカー、永山吐夢を演じるのは今をときめく人気アイドル・Snow Manの佐久間大介。
ピンク頭がトレードマークで、整った鼻筋とブラックホールのように大きな目がチャーミングな31歳成人男性。
彼のことを賑やかなパブリックイメージでしか知らないと、「なぜそんな不気味なストーカー役のオファーが…」と思う方も少なくないかもしれません。

銀幕で見る永山吐夢は、
「めちゃくちゃ美男子だ…!!」とはならない。

なんなら初登場シーンは仄暗い水族館の中なのですが、暗がりからヌッと顔を出し、目の周りはクマでくすんで、白金の傷んだ髪はボサボサで手入れもしてないような印象を受ける。

しかもこの人、初デートに長靴履いてくるんです。

なぜ長靴なのかは後に彼の職業と共に判明するのですが、明らかに様子がおかしい見た目で現れる。

土屋太鳳ちゃん演じる主人公の輪花ちゃんもこれには苦虫を噛み潰したような顔を隠そうともしません。
近くを歩いていた親子は「見ちゃいけません…」と
いう風に子供の肩を抱き寄せる始末。

しかしそんな彼の仄暗い瞳に、退廃的な色気を感じずにはいられないのも事実。

欠けた器に侘び寂びを感じるように、あるべきところに人の心が備わってないような永山吐夢の「空っぽ」加減にどんどん目を奪われていきます。

そんな彼、主人公の輪花と出会って交流(?)を重ねていくうちに、登場シーンのたびにどんどん
「生き生き」してくるんです。
涼しげな瞳が輪花を前にすると何かを訴えるように仄暗い光を灯し、太陽の下で見る金髪はキラキラと眩しく見える。

ヤンデレの目が輝き始めたら本編筋では地獄が起きてる、なんてあるあるだと思うのですが、永山吐夢も例に漏れずです。

隣のヒロインの顔は比例するように死んでいきます。ぜひ憔悴しきった土屋太鳳さんとの対比をお楽しみください。


②「三次元」のヤンデレ

ヤンデレの魅力は、
『二次元だからこそ輝く』という点ではないでしょうか。
ヤンデレの妹に愛されて死ぬほど眠れない夜があったら困るはずです。
友達と食事して帰っただけで包丁を振り回されたり自分の血がついたハンカチを取っておこうとされたらちょっと流石に怖い。
現実世界でストーカーとかされたらたまったもんじゃありません。

「それでも好きだ」「現実でも狂おしいほど愛されたい」という方もいるかもしれませんが、
ヤンデレキャラはフィクションの中でこそ過激に鈍い光を放つ特別なコンテンツだと私は認識しています。

さて、この度永山吐夢が登場する映画『マッチング』、フィクションなのだけど、アニメではない。
三次元のヤンデレストーカーとして存在するわけです。

故に急にガンギマリ目で
「これでようやく2人っきりですね…(うっとり)…邪魔者は全て消えましたよ…!!!ヒャハハハ!!」(エアプ吐夢)とか言い出したりしないわけです。

ヤンデレアニメ金字塔と名高いひぐらしよろしく
「あはははは!!!!やった!!!!やりきった!!!!褒めてよ悟史くん、、、!!!」と叫んだり「嘘だ!!!!!!」と叫んだりしないわけです。

ただ、そこにいる。

ただ、話しかけてくる。

それだけでなぜかこちらのテリトリーをじわじわと足元から、濁った澱が靴下を染み濡らしていくような不穏感。

「あ〜、いるだろうな…」というリアリティと、
「こんなやつ居てたまるか」という非現実みの境界をギリギリまで攻めた絶妙なキャラクターを体現しています。

更に、彼には彼なりの美学と世界観があり、こちらの感情の起伏が全くと言って良いほど影響を及ぼさない。

日常を脅かされた主人公が怒っても怯えてもお構いなし。

「警察を呼ぶわよ!」と叫んでも
「何か警察を呼ばれるようなことしましたっけ?」ととぼける始末。

更に最悪なのが、

普通に警察呼んでくるんです。この男。

「警察を呼ぶわよ!」と言われた永山吐夢、
親切心なのかその辺を歩いていた警察を呼んできてくれる。もう最悪です。

「警察を呼ぶぞ」が脅しにならないんです。
強すぎるぞ永山吐夢。めちゃくちゃ怖いぞ永山吐夢。ちょっとは考えてくれ永山吐夢。

泥濘を殴っているかのような手応えのなさが不気味でSAN値をピンチにしてくるのも、彼の魅力の一つと言えるかもしれません。


③視聴者まとめてストックホルム

『ストックホルム症候群』とは、
精神医学用語の一つ。 誘拐や監禁などにより拘束下にある被害者が、加害者と時間や場所を共有することによって、加害者に好意や共感、さらには信頼や結束の感情まで抱くようになる現象。

この「マッチング」という映画、
主人公に立て続けに辛いことが降りかかるわけですが、視聴者はいつの間にか心のどこかで「吐夢来てくれ…!!」と願い始めてしまうのが恐ろしいところ。

彼は主人公に「危害は加えない」と明言してくれます。なんか… いいやつかもな…?と思ってしまう。
…なんか、顔も綺麗だしな…と心を許してしまう。

更にこの永山吐夢、生い立ちがかなり残酷であるのも、フィクションにおいては魅力の一つでもあります。
こんなの現実では絶対に起こるべきではないのは大前提として。

愛情のキャパシティがぶっ壊れてるキャラクターは大抵幼少期に壊れてしまうような悲惨な過去がつきものです。ナチュラルボーンサイコも大変好みですが。

間桐桜、我妻由乃のように家庭環境が最悪な彼女たちが唯一見つけた一番星に夢中になる様は悲しくも健気で、イカれ行為の数々も許してしまいそうになりますよね。

永山吐夢も例に漏れず。
生い立ちのせいもあり、他者との「繋がり」「縁」が圧倒的に希薄な青年が、やっと見つけた運命の赤い糸を太く太くより取ろうとする様は、見ていてどんどん庇護欲を誘い始めます。

「あれ、吐夢かわいいかも…」と思ってしまうフェーズが必ず訪れる。

『些細な行動も心から喜んで宝物のように大事にしてくれる』健気さ、『この人には私がいないとダメなんだ』という特別感を感じさせてくれるのもヤンデレの魅力の一つだと思うんです。

あります。

この映画、それもちゃんとあります。
いいの、揃ってます。

演じる佐久間大介はファンの間で『目のハイライトを自由自在に消したり入れたりできる』ことで有名です。なんだそれ。どんなアイドルだ。しかしそれが実際に永山吐夢の感情の機微を見事に表しているんです。「あ、今この吐夢はATフィールドを張らずに話してくれているな」と思うシーンが必ずあります。

永山吐夢の頼りなさ、寂しさに気付いた後、
顔を見てください。

ほら、可愛い顔をしていますね。

もう吐夢の虜です。


④最後に

ここまでお読みくださりありがとうございました…!!

映画『マッチング』に登場する
狂気のキャラクター、"永山吐夢"の魅力が伝わりましたでしょうか?

「なんか思ってたんとちゃうな」「もっと愛と嫉妬に狂って人生を破滅に追い込むぐらいの激情型の方が好み」「雛見沢症候群はレベル5以降が至高」
「包丁持って迫って欲しい」「Nice boat.」などなど、
期待ハズレだと言う方ももしかしたらいるかもしれません。

ご安心ください。

この映画において、狂気的な愛が原動力の魅力的なキャラクターは永山吐夢ただ1人ではありません。

私は冒頭に書きました。

「『彼ら』を覚えて帰ってください」、と。

そう、この映画「マッチング」は永山吐夢以外にも
魅力的なキャラクターたちが登場します。

『愛』という実態のないものに狂わされた人々が
熱された鉄板の上でワルツを踊るような、そんな映画です。

赤い運命の糸がいくら首を絞め上げようとも、
赤い靴は持ち主を地獄へ運ぶまで止まらない。

愛に狂う行き着く先はどんな地獄なのか。

全員愛おしく、不思議と嫌いになれず、
彼らの人生について考え込んでしまうような、そんな映画「マッチング」。

ヤンデレ好きの方はク〜ッたまんねえぜ!!となること間違いなし。

彼らの行き着く地獄がどんな色をしているのか、
運命の赤い糸は釈迦が垂らす蜘蛛の糸足り得るのか。

ぜひその目で、劇場で確かめていただきたいと思います。


さて、今一人暮らしのアパートの一室でこのブログを書き終えたのが深夜0時33分なのですが、
さっきからノックの音が止まないので、少し玄関を見てきます。




ここまで読んでくださりありがとうござい

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