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キッズキッチンレター12月号

私が学校で習った生物学の知識は中学校までです。その当時は動物と植物に分けられるんだと思っていました。しかし今は生物を真核生物と原核生物の二つに分けて、真核生物をさらに4つ(原生生物、動物、菌類、植物)に分ける考えがとられています。姿形だけで分類していた頃と違い、今はDNA解析などを使い、分からなかったことがわかるようになっています。
さて、きのこは植物でも動物でもありません。さっきの分け方では、真核生物の中で菌類というところに属するものです。人間にとっては、野菜のひとつとして食べているので、植物でも動物でもない生き物、というと、とても不思議な感じがします。動かないのできのこは動物ではありません。自分で栄養を作り出すこともしないので植物ではありません。

昔の人は、木のまわりに出来るので木の子と呼んだそうです。古くは草の一種と思われて草片(くさびら)とも言われました。
きのこは栄養の取り方から3種類に分けられます。まず死んだ動物や植物などを分解して栄養をとるきのこ。栽培されるきのこはこのタイプが最も一般的で、よく見かけます。そして生きている動物や植物から栄養を摂るきのこ。このタイプは一緒に生きる共生タイプと、栄養を奪って相手を殺してしまうタイプがいます。こちらは栽培が難しいので、山や林など、共生する相手がいる、または、とりつく相手がいる場所にいかないとみることができません。採れる季節も決まっていて、食用になるきのこは秋から冬にたくさん旬を迎えます。中国の高級食材キヌガサタケやヨーロッパの食材モリーユ(アミガサタケ)、さらにタマゴタケなど、春や夏に発生するものもよくあります。
食べられるきのこは毒がないといわれますが、実はきのこはほとんどが生で食べることはできません。生で食べると皮膚炎になったり、そもそも毒があったりと、火を通してしか食べることができないのです。

神戸・兵庫の山である六甲山系はきのこが豊富に生える場所で、たまに森林植物園できのこ展をしています。
森林植物園内でも爪の先ほどの小さいきのこから手のひらを超えるような大きいものまで、四季折々にたくさんのきのこを見つけることができます。冬虫夏草の一種、クモタケにであうことも。
六甲山は採取が禁止されているので、たくさんのきのこがそのまま残っています。車や公共交通機関で山に上がって、きのこをのんびり探して歩くのもおすすめです。

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