新卒で入社した会社を勇気を振り絞って「辞めます」と言った日のこと

2015年4月、私は晴れてピカピカの社会人一年生になった。就活もそこそこ思い通りの結果となり(そもそも、本気で入りたい会社なんてなかったので、いわゆる「大企業」に入れればそれでいいと思っていた)、憧れの大手企業、総合職、都内勤務、最高かよ!という社会人の幕開けだった。

テレビコマーシャルで自分が所属する会社のCMが流れてきたり、生活のあちこちに自社製品があったり、本当にそりゃ気持ちのいいものです。謎の「誇らしさ」というか。「あ、これうちの商品」みたいな。今考えると、「“うちの商品“ってなんだよ」という感じではあるが・・・。

とまあ、一見キラキラしたような社会人生活を同期300人とスタートしたわけでありました。

ただ、このフェイク感のあるキラキラさは数日で終わり・・・

いまいち会社が何やっているか全体像がつかめない。そりゃそうだ、全社員3万人以上もいるんだから、事業内容なんて新入社員が全部把握できるわけがない。ただ、それが気持ち悪かった。「私は今会社の何をやっているんだろう」という疑問しかなかった。

上司の「入社3年間は下っ端だ!なんでも吸収して下積みをしろ!」の口癖に違和感だった。ということは、どんなにせっせと働いても、会社のために私の大事な時間を貢献しても、3年という月日が経つまでは何も起こらないのか?

1日の勤務を「見積書作成」と「見積書に上司と課長と部長のハンコをもらう」という作業で終わる日もあった。部長が不在の時は、不在時用に勝手にハンコ押せる制度もあったが、そのための申請書をかかなればいけなく、ハンコをもらうためだけにマジでフロアを駆け回らなければならなかった。(ねえこれどうにかならないの?)

当時海外志向が高かったので、海外研修や海外出張、駐在に行った先輩をランチに誘ってお話しを聞きに行ったりもしていた。でも先輩全員こぞっていうのは「駐在は楽しいけど、日本に戻ってから最低3年は会社は辞めてはいけない規則もあるから、ちょっとねえ」という声。私が思っていた海外勤務と現実には少し差があるように感じた。

海外勤務したいんです!!と事業部長の机までいってアピールしたこともあった。でも「そうだね、まずは3年間頑張ろうね!」と返された。「でた!!!3年間ルール!!」

もうここらへんから嫌気がさしてきた。

私はこの会社で何ができるのだろうか?何か価値を提供できるのだろうか?

「もう、やめよう。」と心に決めたのは、入社してから4ヶ月後の8月初旬。お盆休みを利用して水面下で転職活動を始めた。(転職方法については今度また書こうと思う)

一つ、転職ができそうな会社のめどがついた。

お盆明け、もう仕事なんて一切身に入らなくなった。後々上司方に言われたのは「お盆明けから様子が急に変わって実はもうやめちゃうんじゃないかと思っていたんだよ。。みんな心配していたんだよ。」と。ばれてた!!!!!

私の頭の中は「早く直属の上司に打ち明けないと」。ということばかりだった。自宅でも、どのタイミングが1番いいか考え様々な方法でシミュレーションを実行。

数々のシミュレーションの結果、決めたのは、「直属の上司をランチに誘い、そこで打ち明ける」というものだった。

8月31日。8月も最後。実は、8月の最終週くらいに転職先から内定をもらうことができたので、後は会社を辞めるだけという段階になっていた。前日からソワソワしていて、朝起きて、今日絶対いうぞ。という決意のもと電車に飛び乗った。

途中駅で大学時代の友人に出食わした。「久しぶり!最近仕事どうよ!」という会話の後、「いや〜〜今日さ実は、会社辞めるのを上司に言うって決めてるんだ」と言うと、まさかまさか、友人も「えっ、嘘!!私も実は会社辞めようと思って、今日言おうと思っているんだ・・・」

二人して笑い、「どうなったか、後でLINEしよう!」とお互いの会社へ向かった。リアルに、この友人とこの日に駅でばったり会えたことは本当に良かった。

会社を辞めます って本当に体力使うんですよね。相当の勇気がいる。こっちだって一応上司や先輩にお世話になっているわけだし、裏切る形になるんだから。今まで私に費やしてくれた時間もあるのだし。という善意?が胸に強く刺さり、本当に苦しい毎日だった。

でもこの友人のおかげで、会社辞めるということを公言してしまったんだから実行しなければという後戻りできない状況になった。

出社。ソワソワして落ち着かない。上司をいつランチに誘おうか。いや、むしろ、上司の方から誘ってくれないかな。12時に昼のチャイムが鳴るが、11時半くらいに社内チャットで「●●さん、今日ランチしませんか?」。勇気を出して送った。

そしたら、まさかの、「ごめん、今日違う人とランチの予定があるんだ><」

ウッっっっっっそーーん。

やばいやばい、こんな展開は予測していなかった。終わったーー。

と、いいタイミングで、2歳上の先輩がランチに誘ってくれた。海外出張にもよく行っていて、できる感じが漂っている憧れの女性の先輩。

ランチの中で、この先輩にまずは打ち明けようと決めた。幸いにも先輩から「最近、どう?なんか、あの、会社変えようとか思っていたりしないの?」

ドキッ!!!!!ばれてる?!?!?

「実は・・・転職を考えていて、もう内定先があるんです。」

打ち明けた。(打ち明けた先は、予定通りではなかったけど)

13時になり、会社に戻り数時間後に、部長から呼ばれた。

「ちょっとお前、聞いたぞ、辞めるのか?」

情報が早い。こういう時だけは情報が早い。先輩、早速言ったのかwいや、でもナイスジョブ。ありがとう。と心に思いながら、

すべてを部長に打ち明けたのであった。


後半に続く。

後半は、打ち明けた後の会社の対応について。

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