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銀皮88 役者インタビュー #5 出町平次(來來尸來)

空降る飴玉社のクラシックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
役者インタビュー #5 出町平次(來來尸來)


Q. 早速ですが珈琲に思い入れはありますか?

出町:紅茶派なんですけど、実の姉が珈琲を全然飲めなくて、小学生の頃「自分は飲めるで。姉ちゃんまだまだガキやな」なんてことを言ってましたね。


Q. 姉弟関係と今回の役について

–作品上の関係性と実際のご自身を取り巻く関係性にギャップを感じることはありますか?

出町:姉弟関係についてだと、役柄としては実際とは逆なんですよね。僕の姉は場を大切にするタイプで僕が内に篭るタイプですから、つまりメイ子(演・谷内一恵)と桔多が逆転していますね。普通に話すし今は仲がいいけど、そんな突っ込んだ話をしても「ようわからん」って返されることはあるので、家族でも分かり合えないと感じるときはある。そこが桔多との違い。桔多は家族とか共同体を大切にするので。桔多というのは僕が今回演じている男の子なんですけど…

–男の子。どんな役ですか?

出町:27歳なのでまあ、僕より年上なんですけど。主人公であるバリスタのメイ子の弟で、多国籍料理店を経営しているという設定。僕としてはあまり友達にはなれない人物です。場の空気を大事にして盛り上げるタイプ。昔から器用でいろいろなことをサクサクっとやれちゃって地元に残っちゃえるような人。
僕は外身としては盛り上げるということをするけど、実際は不器用で。外側から見たらなんとなく似ている気がするけど、発信元が違うから気持ち悪いと思ってしまう。でも、「こいつはこいつでいろいろあんねんなあ」なんてことを思いつつ、友達にはなれないけど話すぐらいはできそうやなとも思う。
あと、典型的な店主だと思いますね。

–店主なんですね。ご自身がやるなら、何屋さんになりたいですか?

出町:なぜか潰れない骨董品店。以前アンティークショップでバイトをしていたので、そういう修理業をしたいですね。どっちかっていうと理宏(演・音蔵乙葵)に近いのかもしれない。


Q. 今回のクリエイションの印象を言語化すると?

–出町さん自身、演出も役者も含めていろいろな団体でいろいろやっているわけですが

出町:じっくり豆を焙煎している釜の中。いろいろなものが取り除かれたり付け加えられたりしながら、ゆっくり少しずつ丁寧に。お客さんの前に出るときにはきれいな珈琲豆になっているんだろうなと。僕らだけではお芝居は完成しない。お客さんなしでは50%までしか作れない。だから残りの50%をお客さんがどう豆を挽いてどうお湯を淹れてくれるか。

–なるほど。素敵なお話でした。

出町:あはは。うんこうんこ。

–これだけは言っておきたいこととかあります?

出町:最高級の珈琲って、さっき僕うんこって言いましたけど、麝香猫の糞から豆を取り出すんですよ。

–最高級の芝居になることを期待しています。


2019.8.3
インタビュイー:出町平次(來來尸來)
インタビュアー・編集:しき(來來尸來)

公演情報

空降る飴玉社のクラックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』

脚本・演出:加藤 薫

《公演日時》
2019年8月15日(木)14:00/19:00
8月16日(金)13:00/18:00
8月17日(土)13:00/18:00
※開場は開演の30分前です。
※満席時はご予約にて日時指定頂いたお客様優先となります。

《料金》
当日 1,500円
前売 1,300円
Twitter割引1,000円

《会場》
人間座スタジオ
〒606-0865 京都府京都市左京区下鴨東高木町11

《予約》
https://www.quartet-online.net/ticket/ginpi_88

《Cast》
谷内 一恵
音蔵 乙葵
大谷 彩佳(同志社小劇場)
青木 琴音
出町 平次(來來尸來)
坂口 弘樹(勝手にユニットBOYCOTT)
ナカメキョウコ(エイチエムピー・シアターカンパニー)
藤村 弘二

菱井 喜美子(人間座)

《STAFF》
舞台監督 :長峯 巧弥
照明 :御手洗 幸助
音響 :鈴木 邦拡
舞台大道具:ユー(劇的集団忘却曲線/トイネスト・パーク)
舞台美術 :塚田 縁
衣裳 :松崎 雛乃
小道具 :加藤 薫
宣伝美術 :えび天(劇的集団忘却曲線)
イラスト :吉村 紗奈
制作・広報:吉田 香月(LPOCH)、しき(來來尸來)、田中 直樹(劇団ひととせ)、かづちやえ(演劇Unit∮Ring)

《あらすじ》
何百回も何千回も淹れた珈琲は、シンクに捨てられた。

毎年五山の送り火の夜に、祖母が大切な人たちに振る舞う珈琲は、人と人を繋ぐ力がある。たとえ離れてしまっても編んで繋いでいく不思議な力。
私にもいつか、そんな珈琲を淹れることが出来るだろうか。

ある日の夕方、実家にいる弟から電話がかかってくる。

ばあちゃんが怪我をして病院に運ばれた

淹れかけの珈琲をそのままに、私の夢が詰まった店に「closed」の看板をかけて深夜バスに乗り込んだ。

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