見出し画像

銀皮88 役者インタビュー #3 坂口弘樹(勝手にユニット BOYCOTT)

空降る飴玉社のクラシックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』
役者インタビュー #3 坂口弘樹(勝手にユニット BOYCOTT)


Q. 本作で演じる役はどのような人物ですか

坂口:ネタバレになってしまうとよくないので細かいことは言えないんですけど、“不思議な人”ですね。掴めない人、らしいですね。だから僕自身も掴めていないです。

–天然とかそういうのではない?

坂口:あ、そうですね。なんか、不思議な感じの。最後にはね、ちゃんと明かされるそうなんですけどね。それまで、やっぱりね、僕ら演じている側も「何なんだこいつは……」という雰囲気を持っていますね。

–不思議な人を演じる上でここだけは譲れないという軸みたいなものは?

坂口:人の動きを見ていますね。その人なりに考えて行動しているはずなので、動向を気にしていたり。

–加藤さんの演出でも他の人の動きを見て場の雰囲気がグラデーション風に変わっていく部分の演出が強いなと思って見ているんですけど

坂口:そうですね。やっぱりキャストが多いから、大人数で舞台に上がるじゃないですか。一人一人の細かい動きを見るのも楽しみの一つだと思いますね。


Q. 今作の印象について聞かせてください

坂口:僕は大阪に住んでいるんですけど、京都にまつわる話なのであまり馴染みがない。作中に出てくる京都に詳しくなれればいいなあと思ってやっていますね。

–見ている人にも伝わるといいですね

坂口:「こういうのあるんだ」ってね。

–ご自身も勝手にユニット BOYCOTTの主宰・演出をされていると思うんですけど、空降る飴玉社との違いは感じますか?

坂口:そうですね。空降る飴玉社はバックボーンの話がすごく濃いかな。役の内容も物語の内容も、バックボーンを大事にされててそこを深める傾向がすごくある。僕が演出をするときは画というか、観たときの印象に左右されやすいのでそこは違うかなと。

–空降る飴玉社は心情を大事にしていると。

坂口:だと思いますね。人物像を重視している。もちろん演劇は物語なのでそういうところは僕たちも気にするけど、特筆して「濃い」という印象。


Q. 珈琲がテーマということで珈琲にまつわるご自身のエピソードがあれば教えてください

坂口:喫茶店とかでね、略し言葉とかあるじゃないですか。例えば、というかパッと思いつくのはそれだけなんですけど、アイスコーヒーのことを「アイコ」って。

–え!?

坂口:言うらしいんです。時代によって違うのかも知れないですけど。僕、アミューズメント業をやってまして、おつかいサービスみたいなのがあって、飲み物を頼まれるお客様がいるんですよ。で、「アイコ」って言われて、「アイコ!? なんだろう…知り合いの店員がいるんかな。」みたいな(笑)「……アイコさんですか?」「アイコや!」って。で、煙草のおつかいもあるので、「iQOSですか?」「アイコや!」って。で、話が通じないのかなと思って先輩を呼んで対応を頼んだら、アイスコーヒーのことやと。

–先輩は知っていたと。

坂口:わかんねえよ、アイコって!(笑)

–僕もiQOSのことかと(笑)

坂口:最近何かと略すのかなあ。ポケモンとかね。あれ、ポケットモンスターじゃないですか。で、ポケモンGOもポケゴー。アナと雪の女王もアナ雪。みんな略したがるんですよ。でもちょっと時代によってはね、略し方がおかしい、違うなと。


Q. 観にきてくださるかも知れない人たちに一言お願いします

先ほどもちらっと言いましたけど、色々な人の細かい動きをこだわっているので、「あの人今なにしてるんだろう」と考えて観てもらえたら楽しめるのではないかと思います!

–ありがとうございます。

2019.7.28
インタビュイー:坂口弘樹(勝手にユニット BOYCOTT)
インタビュアー:田中直樹(劇団ひととせ)
編集:しき(來來尸來)

公演情報

空降る飴玉社のクラックシアター
『銀皮の中のY(M)は、88℃の熱さを知っている。』

脚本・演出:加藤 薫

《公演日時》
2019年8月15日(木)14:00/19:00
8月16日(金)13:00/18:00
8月17日(土)13:00/18:00
※開場は開演の30分前です。
※満席時はご予約にて日時指定頂いたお客様優先となります。

《料金》
当日 1,500円
前売 1,300円
Twitter割引1,000円

《会場》
人間座スタジオ
〒606-0865 京都府京都市左京区下鴨東高木町11

《予約》
https://www.quartet-online.net/ticket/ginpi_88

《Cast》
谷内 一恵
音蔵 乙葵
大谷 彩佳(同志社小劇場)
青木 琴音
出町 平次(來來尸來)
坂口 弘樹(勝手にユニットBOYCOTT)
ナカメキョウコ(エイチエムピー・シアターカンパニー)
藤村 弘二

菱井 喜美子(人間座)

《STAFF》
舞台監督 :長峯 巧弥
照明 :御手洗 幸助
音響 :鈴木 邦拡
舞台大道具:ユー(劇的集団忘却曲線/トイネスト・パーク)
舞台美術 :塚田 縁
衣裳 :松崎 雛乃
小道具 :加藤 薫
宣伝美術 :えび天(劇的集団忘却曲線)
イラスト :吉村 紗奈
制作・広報:吉田 香月(LPOCH)、しき(來來尸來)、田中 直樹(劇団ひととせ)、かづちやえ(演劇Unit∮Ring)

《あらすじ》
何百回も何千回も淹れた珈琲は、シンクに捨てられた。

毎年五山の送り火の夜に、祖母が大切な人たちに振る舞う珈琲は、人と人を繋ぐ力がある。たとえ離れてしまっても編んで繋いでいく不思議な力。
私にもいつか、そんな珈琲を淹れることが出来るだろうか。

ある日の夕方、実家にいる弟から電話がかかってくる。

ばあちゃんが怪我をして病院に運ばれた

淹れかけの珈琲をそのままに、私の夢が詰まった店に「closed」の看板をかけて深夜バスに乗り込んだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?