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ハシビロコウ

ハシビロコウという鳥を初めて知ったのは、さて、いったいいつだったろう。

おそらくほんの数年前、バラエティ系のテレビ番組で「動かない鳥」というキャッチで紹介されていたのを目にしたときだと思う。

とにかくこの鳥、水辺で餌がやってくるのを、じーーーーっと動かず、ひたすら待つのだそうだ。

だが、そのファーストインプレッションは、「へえ」「ふーん」「あ、そう」

色は地味だし、顔は厳ついし、動かないという要素に萌えるわけでもないしで、関心ゼロ。

頭の中の隅っこに名前は残ったものの、正直、一生思い出さなくてもどうでもいい存在だった。

それがどうして、ここ1年で『伊豆シャボテン公園』『上野動物園』『掛川花鳥園』と、ハシビロコウを見に行っているのだ?

理由は明快。最初に訪れた『伊豆シャボテン公園』にある。

ここを訪れたのは昨年の正月休み。カピバラさんの露天風呂見学が目当てで、ハシビロコウは「せっかくだし、ついでに見ていくか」という程度だった。

(お目当てだったカピバラさんの露天風呂)

なんでもここのハシビロコウは日本に来てすでに45年(1971年来日、1981年4月28日来園『シャボテン公園サイトより』)、そのときすでに成鳥だったというのだから、相当なお歳なのだ。

「長寿の鳥といっても、老若の違いって見てわかるのか?」

などと思いながら、バードエリアへ。

普段、放し飼いにされているというので、間近で撮れるとカメラもスタンバイしていた。

が……いない?

「今は小屋の中です」

と、近くにいたスタッフさん。その小屋の中の様子は休憩所のモニタで観られるというのだが……暗いよ。

「午前中なら、比較的外にいますよ」

と、言われても、こっちは今日帰る旅行客なんですよ、はい。

そう、ハシビロコウ見たいし! 会いたいし! 愛しいし! に心がチェンジしたのは、シャボテン公園で接触できなかったせいである。

どうでもよかった存在は、会えなかったというその一点で、どうでもよくない存在に格上げされたのだ。

この心理をどういうのかは知らないが、興味はないがみんながもらっているからもらってみるかと手を差し出したら「なくなりました」と、直前でもらい損ねたノベルティに対する執着に似ている(?)

伊豆がダメならほかにないのか? と全国の動物園を検索し、そもそもハシビロコウとはどういう鳥なのだ? とWikiを読み、動く様子をyoutubeで観て、愛でる人々のブログを漁り、ハシビロコウがマスコットというアニメにハマった!

ってことで、去年の夏に上野動物園で感動の初対面を果たし、今年の正月、掛川花鳥園でその雄姿を堪能して参りました。


こちらの動画は、掛川花鳥園のハシビロコウ『ふたば』さんです。

※動画自体は1280×720のハイビジョンですが、ハシビロコウを撮ったムービーはハイスピード撮影のため640×480ピクセル。木枠モニタに見立てた中に収めてあります。


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