見出し画像

真実の行方


赤木俊夫さん(享年54)は財務省近畿財務局で国有財産の管理を担当していました。

3年前、森友学園への国有地の8億円もの値引き売却が発覚した時、取り引きをめぐる公文書の改ざんを上司に指示され、反対しても聞き入れられず、心ならずも改ざんさせられてしまいました。赤木俊夫さんはそのことを苦にうつ病になり、休職中にさらに悪化して、2年前、自ら命を絶ちました。死の間際に、知る限りの事実を「手記」として残していました。

残された妻の雅子さんは国と佐川元財務省理財局長を提訴。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていた裁判が7月15日、明日ようやく初公判を迎えます。

東からは第二波の兆しを見せている新型コロナウイルスの脅威、西からは集中豪雨による河川氾濫や土砂崩れの被害、日本列島はかつてない、自然の驚異にさらされ、国民の生活は疲弊しています。そんな中にあって、今回の裁判は国民の多くが注目する裁判となる事でしょう。
果たして、残念、無念の胸中で提訴した雅子さんの思いは届くのか、見守りたいと思います。

しかし、一方でこれまでの佐川氏の答弁や、恥知らずと言うか、鼻っから証拠など出す気が無い、と言わんばかりに提出された、真っ黒な資料の事を考えると、雅子さんはもちろん、到底、国民が納得できる結果を得られるとは思えません。
森友学園問題には一体どれだけの人間が関与して、その恩恵を受けた人間がいるのでしょうか?政治家、いや、政治屋に倫理観を問うたりする事など、どだい無意味な事かもしれませんが、国家公務員、中でもキャリアの人たちは人を、大きな志を持ってその職に就いたはずです。特定の人間に忖度し、人を悲しませるために公務員になった人は一人もいないはずです。
一人の人間を、仲間を、精神的に追い詰め、死に追いやる事に対して皆さん、上からの指示には逆らえない、やむを得ない、自分の身を守るため、と納得しているのでしょうか?

誰一人声を上げない、上司の命令は絶対で、たとえそこに人ひとりの命が葬られようとも真実を語ろうとしない。彼らは権力、国民のどちらを向いて仕事をしているのでしょう。そのくせ、自分より地位の下の者に対しては横柄で偉そうにしている人が多すぎます。

不正は許さない、ささいな事でも見逃さない、私は中央省庁の職員だ!私を誰だと思っている!と言う気概があるのなら、その事を証明して欲しいものです。真実を語る事のできる人、勇気のある人は手を挙げて欲しい。不正を隠した通すような人は、誰からも尊敬なんてされません。勉強ができて頭が良くても、国の舵取りするお役人様、と認める事なんてできるはずはないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?