コロナへの苦行

 中国発生の武漢ウィルスの蔓延で外出するとほぼ全ての人がマスクをしている。そして鉄道では車内換気として窓を開けている。地方では普通に車窓は手で開けられるものであるが都会では窓を開けてるのを観たことがない。それはどのようば空間であろうと空調を完備してるのはもはや常識のようになってるせいであったが、その常識を覆したのはやはり武漢ウィルスの驚異なのである。
 電車の走行により吹き込んでくる風はエアコンの冷気と相まって清々しい。今日は猛暑の天候ではなかったことも手伝って熱風とはなってない。少し強めのそよ風。半袖シャツから出た腕に当たると心地良い。その空気は走行することにより余計低められ、身体へと向かってくる。まるで水しぶきを浴びてるよう。涼しいがちょっと過剰かな。いや、これ本当の水しぶきだ。外は雨が降っている。窓を閉めなくては。
 ところがこの窓がビクともしない。固定されてるのか。いや、たまらん。とっさに立ち上がり席を移動したのだ。
 コロナとの戦い、それは雨にも負けず、風にも負けずということだろうか。そういえば俺はあまりに暑いとマスクを外してしまうがそれすらも周囲の眼を気にすれば気分のいいもんじゃない。
 苦行。その先にはコロナのない世界が待ち受けてるのか。だけど根性のない俺にはそれまで節度を保った行動様式を保てそうにない。ヨーロッパの中には感染が治まったわけでもないのに自粛解除をする国がある。それも結局は人間の耐性なんて限界があるんだなと知らされるのだった。

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