コロナがもたらした潔癖行動

 ゴールデンウイークという言葉も空しくなる何もない連休、家にいることに飽きが生じてしまいジョナサンでモーニングを食べに出てしまった。果たしてこれが感染リスクを考慮した上での正しい行動なのかと問われればいささか答えに窮するものの、面積の狭い我が家においては自分の居場所自体がないのでせめてもの避難所でもあるのだった。
 小雨がパラついてる中、自転車を漕ぎたどり着くものの駐輪場に屋根がないことで帰りはサドルが濡れていることを覚悟した。ただそういう日であったが為に店内には人がいないことを期待するもまるでいないという訳でもなかった。
 入店するなり常設されてるアルコール消毒液を掌に吹きかける。こすり合わせるとすぐに蒸発してしまうので特に負担になることはないのだが、これも数を重ねる毎に肌あれの原因ともなるらしい。
 マスクをしたウェイトレスの案内によって好きなテーブルに着席するとタッチパネルによる注文。そして注文後にはビニール手袋までトレーの中に入っている。電車のつり革に触れないなどといった極端な潔癖症に対してある種の嘲笑感があったものの決して笑ってはいられない様子になってしまった。
 生きてる限りウイルスの感染リスクがあり自分も感染源となるリスクがある。恐らくこの過剰な潔癖行動は俺が生きてる間はずっと続けられるのだろう。人同士が距離を取る日常、そういうのが当たり前な社会になっていくのだろうか。

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