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車:ルノー・トゥインゴⅢのオイル交換②フィルター&ギヤオイル交換(後編)

【前回】

☝作業に必要な道具なんかの説明はこっちでやっている。

 気づいたら作業から2週間以上の時が経っていた……Time Flies……

 まあ今時、自分の車のオイルフィルターとか、ギヤボックスオイルとかを交換するのは余程のケチか酔狂者だけだとは思うが、せっかく私も苦労して作業の腰を折りながら動画と写真を撮りまくったので、記録を残したい。

 どちらかと言うと、ルノー・トゥインゴⅢを自力で管理したい人に向けた日本語における知見の積み重ね、という意味合いが大きい。

 なんせ、あの「質を問わなきゃ何でもある(ボトムズ)」YOUTUBEにすらトゥインゴⅢの整備動画ってそんなにアップロードされちょらんのだ……。

(説明しながら作業しているせいでクソ長い動画。記事の副読本として)

 皆がやらぬなら私がやる(謎の使命感)

 まあ私は Always 好奇心旺盛な精神年齢5歳児なので、破産しない程度の無駄遣いでDo It Yourselfは大歓迎なのである。上の動画も眼球は守ってるが足元はサンダルだったり(絶対マネしないでね)、四輪を持ち上げてる時にカースロープから車輪がハミ出しているにも拘らず、止め直していないなど安全管理上のガバが散見されるが、今こうして生きている幸せを祝おう。

 手前が作業している車は、重量1t近い金属の塊なのはどうか忘れずに。

 一応、前輪に輪留めは噛ませているが、車が落ちてきたら死ぬ。マジで。

 真似して死んでも自己責任とお断りしたところで、やって行こう。

 ぶっちゃけ、作業から時が経ちすぎて苦労を半分忘れかけてるが……w

 2024年1月14日、11時。意気揚々と作業前に撮影した写真。

 封切り前の新品オイルフィルターは、MAHLE OC727(溝切りタイプ)。トルクレンチとラチェットレンチは、アストロプロダクツの安物。差込口は9.5sq(9.5mm 四角)であり、狭い場所で作業するために10cmの延長バーを噛ましている。延長バーの先端に着けたフタ状の部品が、9.5sqのソケットとオイルフィルターレンチの27mmを互換するための、変換ソケットである。

 この小さいペットボトルキャップのフタみたいなヤツが2,000円もすんの!

 アレコレ介してラチェットレンチに連結された、アルミ色のお皿みたいな部品が、76mm 十二角のオイルフィルターレンチである。レンチに付いてる物と新品フィルターに付いてる物と、二種類あるのに気づいただろうか。

 まさかの互換性が(微妙に)無い形状で、二つ買わされることになった!

 レンチに付いてる角形レンチはメルセデス・ベンツ車用で、フィルターに付いてる溝切レンチはルノー車用っぽい? 何だかなあ……である。

 じゃあ、私の車に今付いてるフィルターはどこから持って来たんだ?w

 恐らくは、互換性のある他車用の部品を流用したんだろう。フィルターの取り付け部ネジのピッチがM20なので、理屈から言えばネジさえ合致すれば部品を取り付けることは可能だ。とはいえDIYで外す方は迷惑なんだがな。

(そんなこと言われても…… by 泥塗れのHengst H221Wフィルター)

 ……滑る。

 何度やっても滑る。何をどう頑張っても滑る。

 ていうか作業スペースが超狭ぇ! 延長バー10cmじゃ全然足りねえわ!

 出だしからケッ躓いてんなぁ(舌打ちの連続)。これ、レンチの差込形状合ってんのかよ? 残念ながら合っている。単純にやり方が悪いのだ。

 ゴムハンマーで優しく叩き込んだり、ティッシュを噛ませてフィルターとレンチの隙間を埋めたり、紙やすりでフィルター側面の金属表面を荒らして摩擦力を上げて見たり……まあ思いつく手段は何でもやって見たがダメ。

 舐めとんのか!

 休日なのに仕事の電話はかかってくるわ、作業のスタート地点で進展せず二時間ほど徒労を続けるわ、何かもう色々とダメ。素人作業の限界である。

 つーか……せめてリフトで車を持ち上げられれば……!

 いや10cm車を持ち上げるのも、何もしないより百倍マシなのだが、それにつけても作業スペースが狭い。何なら地面にタコツボ掘って、車を乗り入れ地下に潜り込んだ方がマシなのではレベル。まあ思うだけでやらないけど!

 ああもう、金槌だ、トンカチ持って来い! 力こそパワーだ。困った時は暴力が全てを解決する。フィルターにレンチを被せて……暴力炸裂!

 ウェェェェイ回ったァァァァァwwwww☝☝☝☝☝(ここ一番の喜び)

 ……いや、まだ作業のスタート地点から一歩だけ進んだだけですからね?

 絶望かよ。

 まあ、今日も作業不能でお開きかと思いかけたので、突破できて何より。

 見辛いと思うが、十二角の代わりに十二の溝が切られた新品フィルター。こんなんでホントに変わるのかよ? と半信半疑だったが、驚くことなかれ摩擦力が段違いである。レンチの食いつきが半端ねぇ。レンチ取り付け部がテーパーネジになっているのか、締めるごとに必要トルクが増していくけど滑る気配は全くなし。もう全部この溝切りタイプのフィルターでいいよね?

 一応、動画では言及しているのだが、締め付けトルクは20N・mである。

 前回記事でも言ったトゥインゴ用のサービスマニュアルは、フィルターの締め付けトルクは32N・mで書いてたはずなんだが、これはターボ車向けでフィルター取付形状が異なる、全くの別部品の話であるのが落とし穴。

 つーか、自然吸気用のフィルターの取り付けトルクも併記しとけよ!w

 まあ缶フィルターの本体側面に、ご丁寧にトルクが書いてるので及第点。

 何せトルクレンチを使うのもこれが初めてなので、カチッと鳴らしてから3/8回転ぐらいオーバーに回し過ぎてしまい、これ大丈夫か? と思うも……まあ面倒くさいからそのままでいいか。私は何も間違っていない。いいね?

 しかし、取り外す時の筆舌に尽くしがたい苦労は一体何だったのか。

 やれやれだぜ……。こいつを外すのに苦労させられたわ。

 ダイジェストで流してるけど、ここまで二時間かかってますからね?

 しかし、これは作業の半分に過ぎない。まだトランスミッションオイル、マニュアル名・ギヤボックスオイルを交換する作業が待っているのだ……!

 車の下に、赤い脚が見えるでしょう? これがウマ(リジッドラック)。車を支える縁の下の力持ちね。この左側のウマ近辺に、トゥインゴにおけるJE3-001マニュアル・トランスミッションを納めたケースが配置されている。

 ギヤオイルというのは、MTの歯車を潤滑する文字通りのオイルなのだが、実はそれもエンジンオイルと同じように、ユーザーが入れ替えできるようにタンク外からアクセスできる穴があるわけね。ボルトを抜いて油を排出する構造になっているんだけど。で、上の画像に見える注射器のオバケみたいなサクションガンと呼ばれる注入工具で、新油をケースに入れるのだが。

 改めて見ると、スロープから車輪がズリ落ちかけて危ないすね(白目)

 まあ、前輪も同じカースロープに車輪を載せた上に輪留めして、車の方もサイドブレーキで後輪をロックしているので、落ちない……と思いたいが。

 つーか、落ちてたら私は今こうして記事をアップロードできてませんw

 サクションガンがとんでもない場所に見えるけど、今からこの車輪の前に寝そべって、車の下に半身を突っ込んで、注射器のオバケひり出すんよ?

 シャレや冗談じゃなくて、マジだぞ。ここしか物理的に作業できない。

 安全ヨシ!(現場猫)

 ……何を見てヨシと言ったんですか?

 ……嗚呼、リフトがあれば、下から安全に楽に作業できるんだけどな。

 ここで問題が一つ発生。購入したギヤオイル(1L×2本=2L)だけじゃあ、抜けたオイルに対して補充量が足りないw いやさ、サービスマニュアルに書かれたJE3ミッションのオイル規定量は2.7Lだったから、実際足りないのは知ってはいたんだけど。まさかケースの中身が全部抜けると思わんじゃん?

 みんな知ってるだろうか。ATやCVTといった、日本で一般的な自動変速のトランスミッションは、ギヤオイルに相当するATやCVTフルードというのは交換するために抜くとしても、規定量の半分ぐらいしか抜けない物なのだ。

 手動変速だと、ギヤオイルが全部抜けるんだな! 知らなかったぜ!

 まあ物理的に潤滑油が足りないのはNGなので、泣く泣く廃油を一部補充。

 臨機応変ってヤツっすよ。

 苦心惨憺。からのオーバーフロー。

 みんな信じられないかも知れないが、ギヤオイルの適正補充量というのはとにかくケースに注入して溢れるまでなのである。サービスマニュアルにもそう書いてある(忍殺) 知能不要の大雑把なパワープレイなのだな。

☝前回の記事でも引用したマニュアルの記載な。画像として書かれている、羽根つきのキャップが、フィラーキャップという重要部品。作業する時にはドレンボルトを外す前に、必ずこれから外さなければならない初見殺しだ。

 こいつね。プラスチック製で、単なるフタ以上でも以下でもない物。

 こいつを捻じ込んで、今度こそようやっと作業終了である。

 お疲れ様……私。


 結論。しんどかった(小学生並みの感想)

 やっぱ、車の部品交換は素人が気安く手を出す物じゃないすね。

 ルノー・トゥインゴⅢを維持したい人、頑張れ!

 いの一番には色々な工具を買い集めなきゃならんけど、何度も作業すれば元は取れるかもしれないぞ! 時間とお金を天秤にかければ、設備の整った自動車工場でプロに整備してもらった方が百倍マシだとは思うがね!

 今の時代、車の整備を自分でやるのは却って贅沢な趣味かも知れない。

 時間的にも、お金的にも。

 安く上げようとか、元を取ろうとか考えてやるもんじゃないっすね。

 そんな気付きを得た貴重な体験でした。

 みんなはくれぐれも真似しないでね!

 車を持ってる人たち、車屋と整備士の人たちに感謝を忘れずにな!

 皆さん、どうか明日も一日ご安全に!

 以上!

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