大相撲令和元年九州場所

 今年の大相撲が終わった。幕内最高優勝は白鵬。休場明けで序盤に金星配給などあったが終わってみればほとんど危なげない。相撲を見始めて日が浅いので、(全盛期のフィジカルではないだろうけども)聞いていた通りの強さで暴れ回る白鵬は楽しい。一方で玉鷲戦の剣呑な雰囲気や遠藤戦の荒々しい立ち会いなども見て、ああこれが噂に聞くあれかあなどとも思ったりした。でも手放しとはいかなくても私は白鵬がすごく好きだ。素人にも分からせてくれるような技のうまさがすごい。できるだけ長く、できればあまり休場せず、これからも土俵に立ってほしい。帰化して親方となる準備もできたので、土俵を下りたあとも楽しみだけど。こういう気の長い楽しみがあると長生きも悪くないと思うのか。

 その白鵬の弟弟子兼内弟子の炎鵬も石浦も15日間魅せてくれた。二人とも勝ち越し。炎鵬はよく動く相撲と土俵際の凄まじい粘りが見応えある。毎場所後半苦しんでいる印象があるがそれでも3場所連続勝ち越してじわじわと番付を上げている。体のある力士より戦わないといけないものが多いだろうがこれからも熱い取組を見せてほしい。お尻の素敵な石浦も序盤苦しんだが締め込みを変えると共に勝ち星を伸ばした。

 この場所で松鳳山がとても好きになった。黒くてコワモテで炎鵬と毎場所名勝負をする力士、と言う風に覚えていたが、35歳の大ベテランなのに筋肉の張ったいい体をしていて、相撲も毎日諦めないしつこいものを見せてくれる。来場所からこの人も重点をおいて応援したい。

 15日間追いかけていて相撲、楽しいな。と思うが、一方で白鵬の独走状態で呆気なかった感も否めない。上位陣の怪我、休場、不振。白鵬のレベルと経験の差、批判を受けるほどの勝ちへのこだわりが若手上位陣と数段の差を作っている印象があった。強い白鵬を見るにしても、並み居る強い力士をなぎ倒す強い白鵬が見たい。世代交代するにしても怪我人続出の中で消極的世代交代や台頭ではしょっぱい。力士の年間スケジュールの過酷さを耳にしたのでえらそうな文句を垂れることはできないが、来年来場所以降もできるだけ怪我は少なく、どの力士にもがんばってほしいと願っている。

 観戦はアベマTVにお世話になりました。土日の元三代目若乃花の解説がとても面白かった。いつか現地観戦してみたいな。15日間ありがとうございました。

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