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業務相談:5分で終わる上司、30分でも終わらない同僚

新年度になり新しい仕事がアサインされた。

標準プロセスはあるので日常業務を回すのには困らない一方、例外が発生すると有識者に相談しなければならない状況に陥る。

この業務について上司はざっくり知識がある程度。
一方で同僚は前任だったため、(なぜやるか?の意義はさておき)細かいところまで手順を理解していた。


さて、状況に応じ上司と同僚それぞれに業務相談に行くのだが、驚くほどに「相談のしやすさ」に差がある。

上司は5分で終わる。一方で同僚は30分かけても終わらないのが常だった。

日を追うごとに同僚に相談するストレスが増し、もはや自分の解釈で業務を進めた方が楽とさえ思うようになった。

質問の難易度に大きな差はない。だがなぜこれほどまでに回答時間の差が生まれるのか?
振り返ると、5つのポイントが見えてきた。


なぜ上司との業務相談はすぐに終わるのか?

結論から言うと、上司は下の5つのポイントが押さえられており、同僚にはそれが無いからだった。



1.悩み解決に直結する必要最小限の情報をくれる

こちらが質問すると、同僚はあれもこれもと(同僚自身が関連あると判断したであろう)情報を出してくる。

言葉の意味が分からなかったりするので時折尋ねるが、そうするとまたどんどん新しい情報を出してくる。

こうして本来の質問からどんどん脱線していき、結局何が聞きたかったんだっけ?と元々の質問に回帰しようとするが、その間にも同僚はわんさか新しい情報を出し続ける。

残念ながらその発信内容のほとんどはこちらに届かず、”コミュニケーションの空白の時間”がそこに残るだけだ。


2.話を中断する隙をくれる

同僚はこちらの理解お構いなしに、言いたいことを一気に言おうとする。

理解が不十分なことに理解が不十分なことが積み重なっていくので、いずれ内容を理解しようと努めるよりも、話を中断する隙を伺うようになる。この間、同僚の話は何もこちらで消化できていない。

後日、「ここを教えてほしいのですが・・」と再び赴くと、「それは前回話したでしょ!」と言われ、「すみません、まだ理解の整理が追いついていなくて・・」と、あたかもこちらだけに非があるように下手に出て機嫌をとる茶番は、本当に全身を使って大きなため息を出したくなる。


3.情報を整理する時間をくれる

新しい情報が続けざまに出たときは、その意味や論理のつながりが定着していない聞き手にとって大きなエネルギーを使う瞬間だ。

上司はこちらが情報を整理する余白の時間をくれる。「貴重な時間をもらって質問しているのだから、こちら側の都合で場を沈黙させるのは申し訳ない」と思うような圧迫感を出さない。

「さっき説明したよね?」という雰囲気を出さない。情報をこちらが一生懸命消化する様子を見守っている。あるいは、整理に時間がかかっているようなら「ここをもう少し整理してこようか」と、時を改める提案をしてくれる。


4.言語化コストを負担してくれる

上司の説明は主語と述語の関係が明確だ。一方で同僚の説明はしばしば主語がない。

業務理解が不十分で相談に来ているのだから、聞き手には想像しなかった関係者が実は説明の中に登場している場合がある。

そんな聞き手に主語を明確に伝えないと、当然聞き手は混乱する。

想像しなかった主語を省かれて述語だけ出されたときには、聞き手は目の前に続く説明を記憶に残そうとしながら、その主語が何なのかを必死に探している。そして追加の説明をさらに畳みかけられ、間もなく頭がショートするのだ。


5.理解が浅そうなところを見抜き、逆質問してくれる

上司は説明をすると同時に、こちらの理解度を伺っている。

理解が浅いなと感じれば、その確証を得るために逆に質問を投げかける。回答に遅れがあるなら、聞き手の頭の中が整理されていないと判断し、今回の質問をするにはまだ早く、前提となる知識の整理が足りていないと示してくれる。


要は「相手の次の一歩」の支えになろうとするか否か

相談を持ちかけられたとき、相談してきた人は回答を足掛かりとして次のステップへ進もうとしていることを忘れてはいけない。

相手のために答えているようで、実は自分が言いたいことを言っているだけの人は多い。先に挙げた同僚が典型だ。

とはいえ自身もつい「最初は傾聴するが、途中から、考えを理路整然と話すことに快感を覚えて突っ走る人」になりやすい。

自分への戒めも含め、このnoteに記録しておく。


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