見出し画像

updateの正解は…(舞台『ハザカイキ』)

THEATER MILANO-Za『ハザカイキ』のマチネを観劇👀

ポツドールの三浦大輔さんの作・演出。主演が丸山隆平さん(SUPER EIGHT)ということもあって、先週のK-POPの会場に負けず劣らずの女性客比率の高さ。感覚的には8〜9割が女性。上演時間は、休憩込みで約3時間。

兎にも角にも感じたことをまんま書いてしまうと(決して他意はないです)セクハラ、パワハラ、ジェンダー、アウティング、スキャンダル報道の在り方…ドラマ『ふてほど』並みに、令和の新スタンダードを、分かりやすく幾つも差し込んでくるストーリー。しかも、ところどころ台詞の中に三浦さんのwordテイストがまぶしてある。
これは、ある意味、表現するテーマのupdateということなんだろうけど…何気に、この舞台を観ながら鴻上尚史さんを思い出した。

たぶん、ブームだった当時、時代の空気を自然に体現していた第三舞台(鴻上尚史さん)のホンへ、公演を重ねるごとに徐々に鴻上さんなりのupdateネタを入れてゆくことによって、きっと時代にアジャストしてゆこうとしたのだろうけど…観ている側としては、あまりにも分かりやすくネタやwordを差し込んでくるので、少しばかり引いてしまったのは否めない(…とはいえ、好きは好きです)

鴻上さんの場合は『ドン・キホーテ』シリーズなどの長期コラム連載もあって、それを読んでいたりもしたので、よりホンの中に(ふだん鴻上さん名義で語っている)鴻上さん自身が見えてしまった、というのもある。

今回の三浦大輔さんのホンも、なんとなくそんな印象で…ポツドールやプロデュース公演で自然に時代の空気感を体現していたのが(おそらくは)意識的もしくは無意識的にupdateしようと具体的なwordを散りばめられたことで、観ている側(少なくともボク自身)からは、逆にアジャスト感が薄くなってしまったように思えてしまったのだ(誤解なきように繰り返すと、ストーリーテリングがつまらないとか、そういうことでは決してないです。むしろ面白い)

もしかしたら、最近であれば(今は自然に書かれている)ダウ90000の蓮見翔さんなんかが、後年、陥ってしまうパターンになるのかもしれない。

…とはいえ、じゃぁコンテンツ(芝居)をつくる側としては何が正解なんだ?と問われたら、なんとも言えず…
それはアーティストが自身のLIVEで、過去のヒット曲をやるべきか?もしくはそれ以外の最新曲をやるべきか?という問いにも似ていて、結局ボクはその回答をまだ持ち得ていない。

ただボク自身も、常に最近の情報を意識的に拾い続けることで、自分のつくるコンテンツを少しでもupdateしようとしてしまうこともあり…それは外側から見たら、もしかしたら同じような見え方になっているかもしれないと思うと、正直、怖いなーと。そして、やっぱり難しい。

ここまで、本線からは少し逸れた語りになってしまったけれど…『ハザカイキ』のストーリーは、たぶんに映像的(しかも単発や映画ではなく、連続ドラマ)で、それを舞台に落とし込んだこともあって、とにかくセット転換が頻繁に行なわれる。これは大劇場ならでは(“ザ・スズナリ”ではこうはいかない)

ラスト近くでの、舞台自体が観客席へ越境してきて一体化する演出は新鮮で、しかも徹底的にやっているだけにキチンと入り込めた。
その場面をはじめ、恒松祐里さんの演技も圧巻。
1年ちょっと前にインタビューさせて頂いた時から、今でも作品を重ねるごとに、どんどん大きくなっていきます。

終演後は、大空ゆうひさんに御挨拶。
オフィシャルで仕事を御一緒したことのない方への御挨拶は(佇まいの正解が分からず)いつになっても慣れません💦

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?