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働きがいを高める人事評価制度とは?


企業には多くのパターンの人事評価制度が存在します。
人が組織のなかで成果を上げていくために、必要な仕組みだからです。

以前、リクルートの調査で「現在の人事評価制度に対して満足しているか」との質問に「満足している」(「とても満足」「満足」「どちらかといえば満足」合計)と回答したのは約半数にとどまる結果となっていました。
社員の働きがいを高める人事評価というのはどのようなものか、今回は考えてみました。

リクルートマネジメントソリューションズ「心理学からみる人事評価」参照

人事評価とは何か?

ITトレンド「人事評価とは」参照

人事評価とは、一定の期間内における従業員の業績や能力に対し、評価を下すことです。 従業員の給与やポジションなどの処遇決定、人材育成にも活用されます。

評価項目によって自分がどのような能力・役割を求められているのかを把握できるため、人事評価は従業員と企業の方向性を一致させるための方法ともいえるでしょう。

人事評価制度運用における人事の役割とは?

評価者・被評価者双方の信頼関係を構築するために、使いやすい道具を渡してあげることだとあります。
具体的には、透明性の担保、丁寧なフィードバックを行う仕掛け、評価者の育成に、都度のフォローなど(「図解 人材マネジメント入門」より)。

人事評価制度に限らずあらゆる人事施策に通ずることかもしれないですが、
様々な具体的な打ち手や流行り廃りはあれど、決定打はないのです。

評価制度の運用については、「その道具は人と組織の信頼関係を助けるか?」この視点を常に持っておくべきなのだろうと思います。

上司とのコミュニケーションで意欲が上がる瞬間

評価の段階でどのようなコミュニケーションを積み重ねれば、社員は意欲が上がるのだろうか。

評価をめぐる上司とのコミュニケーションで、意欲が上がった瞬間をリクルートの記事を参照に考えてみました。

リクルートマネジメントソリューションズ「心理学からみる人事評価」参照

意欲が上がった瞬間については、当然、高い評価そのものに意欲が上がったと答えた人もいたが、それよりももっと多かったのは、承認の実感でした。

さらに、「自分を見てくれていること」そのものへの喜びや、次なる成長に向けた「効果的なフィードバック」を挙げるコメントも多数見られました。なお、フィードバックについては、承認や期待とセットで伝えられたことを示すコメントが複数見られています。

つまり、スキルを評価する前にその人自身を「まず承認してあげる」
そんなことが社員を評価するにあたって必要なんだと思われます。

人事評価という個と組織の結び目をデザインする

目標と評価は、個人と組織をつなぐものであり、それをめぐるコミュニケーションは、個人と組織が信頼関係を構築するために必要なものです。

調査結果から伺えたことは、これらをデザインすることが非常に重要でありながら、成否の分かれ目が紙一重でデリケートなものであるということです。

このデザインを、現場の上司だけで何とかしようとするのは現実的ではないと思われます。業績を上げること自体、複雑で難易度が高い昨今の環境において、部下個人の意欲や成長の側面も踏まえながら、上司が自力でデザインしていくのは負荷が非常に大きいと言えます。上司自身が、過去に被評価者として良い経験を積んだことがなければ、なおのことです。

ではどうすれば良いのか。

コミュニケーションは、双方の関係性のなかで成り立つため、互いの主体的関わりは肝となります。よって、被評価者である部下にも、目標と評価をめぐるコミュニケーションを、上司と共にデザインするものとして、捉えなおしてみてもらうのも一案と考えます。

例えば、自らのこれまでの貢献や今後の成長目標について上司に問いかけるなどです。

その際に人事担当者は、このプロセス全体をデザインする存在として、運用の手続きの詳細を伝えるというよりも、評価を通じたコミュニケーションの意味や起こしたい組織や人の在り方・理想の状態を伝える、またそうなるためのスキルやノウハウを教育していくことが重要だと考えます。

人事評価制度についてご相談したい方は下記フォームからご連絡くださいませ。


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