Splatoon32週間弱のプレイ雑感

Splatoon3が発売されて2週間弱。そこそこ遊んでみたので今思うところの感想を書き残しておこうと思います。

スペシャルのわかりやすいパワーアップが楽しい

Splatoon3になってから一番大きく変わった点はやはり新スペシャルだと思います。それによって武器が生まれ変わり、新たな戦略を考えたり、練習により発見などの楽しみが生まれているので、今のところ一番楽しいところだと思います。私としては、Splatoon3を作るに当たってどういった方向性で作っていくのかが、気になっていました。任天堂の製作者インタビューでも触れていた本作のテーマが「混沌」ということで、1の「斬新さ」と2の「洗練さ」さの部分を思い切ってガッチャンコさせたのが今回の方向性だと感じています。

発売前の段階で、象徴的だったのが1のスーパーショット(スパショ)という強スペシャルがウルトラショットという形で復活していた点で、それくらいわかりやすく強力なスペシャルが復活させたということで、新規ユーザーの入りやすさやエンタメ性に軸を置いてきた感じを新スペシャルから受けました。

グレートバリアに象徴される塗り以外の拠点制圧の手段の追加

実際プレイしてみて今、一番驚いているのはグレートバリアというスペシャルって実は開発側としてはかなり思い切った改革なのではないかということです。特にヤグラの上にも置けるので、メチャクチャ便利で強いというスペシャルだと思いますが、これでゲームバランスを成立させるには、他のスペシャルだけでなく、様々な部分で再定義していく必要が開発の際には、あったのではないかと思います。特に長射程に対抗する短射程の手段のシンプルで強力な追加という面が大きいかと思います。

「爆発」による前線拡大からシンプルな「硬さ」での拠点制圧力へ

具体的には、Splatoon2までは、「長射程ゲー」といわれるように、長射程ブキが優位な環境が続いていました。いくら短射程で塗り能力が高くても、塗の境界を挟んで撃ち合えば、塗りの境界が押し負けてしまうのが道理なので、仕様上しょうがない面もあるかと思います。

しかしそれではあまり面白くないので、Splatoon2ではマニューバーなどによる素早さでの対面力の強化、傘などの盾付きのブキで対抗するアイデアがありました。スペシャルにおいては、ボムピッチャーやスーパーチャクチなど「爆発とそれによる塗りの拡大」ということで、前線を押し返すという方法が主でした。しかし、それでも爆発には射程があるため、長射程に射抜かれてしまったりしまうなど、技術敵な難易度が高い面もあり、「長射程ゲー」はSplatoon2でも健在だったかと思います。(マルチミサイルやハイパプレッサーなど無限射程のスペシャルが流行っていたのもそういう面もあるかもしれません。)

そこで今回登場したのが、シンプルで技術難易度が低いグレートバリアであり、単純な「硬さ」とその「持続時間」による拠点制圧力です。これを短射程でも初心者ブキである「わかばシューター」に搭載したのが、開発からのメッセージで、これにより初心者でも特に争点が発生しやすいガチマッチで活躍しやすい状況になったかと思います。Splatoon2での「わかばシューター」のスペシャルはインクアーマーでこちらも「硬さ」ではありますが、そちらはキル性能を高めるための人に対する「硬さ」でSplatoonという陣取りゲームの側面の強いゲームでの「拠点制圧力」というイメージしやすいシンプルなものになっているという違いが大きいかと思います。(味方に貢献しているのも目に見えてわかりやすいのも良い)※実際にはキル力はあるけど塗りが弱いブキにもグレートバリア持ちがあるので、射程だけでなく塗りに対抗する別の形の拠点制圧力というのが良いかも知れません。

同様に短射程ブキのシャープマーカー(私のメインブキ)に搭載されている「カニタンク」も本体の耐久力と長射程のバルカン砲での「拠点制圧」に長けたスペシャルかと思います。「ポップソーナー」についてもその地点の領域の情報収集と継続ダメージで同様の思想に基づくものといってもいいかもしれません。

余談ですがSplatoon2から続投されたスペシャルの「アメフラシ」も移動しながら継続ダメージを与えますが、あれは敵陣全体をジワジワと陰湿に攻撃してくるものなので、今作のスペシャルとは少し軸が違うように思います。

このように、短射程でも拠点制圧といういわばリアルの戦争のような歩兵の役割を与えられたスペシャルの導入により、今までよりもゲーム自体が明快になったように感じるということが言いたかった内容です。

それでもリッターが強い問題

とは言え、現時点では、新ステージが射線が通りやすく裏取り少ないなどもあってリッターが強く、のんびりしているとうまいリッターさんにすぐに抜かれてしまう状況になっています。個人的には、リッターですぐに倒されてしまうのはSplatoonの塗りによる陣取りゲームの戦略性などが無効化されてしまうし、打ち合いの楽しさなどもないので、あまり強くしないで頂けるとありがたいです。個人的にはリッターの武器自体のチャージ時間やインク使用量、半チャージの連射時間やダメージ量、移動速度などで調整はありかと思います。(チャージキープを取り上げるのはさすがに使い手の不満も大きいかと思います)

話変わって「メモリープレイヤー」の影響を考える

今回機能面で感動したのは「メモリープレイヤー」です。やはり、客観的に自分の試合をさまざまな視点で見返して技術向上ができるということは、大きいですし、自分がうまくプレイできた試合などを見返せるのも楽しいです。それ以外にあまりいい話ではないですが、あまりに悪質なプレイやチーターなどが、記録されることを恐れて減るのではないかという抑止効果があるかと思います。※一部にはいわゆる戦犯プレイヤー(敗因となったプレイヤー)をSNSなどで晒すのではないかなど言われており、ネガティブな面も指摘されていますが、さすがに一生懸命やった上で、ミスや下手だったことを、晒すのはあまりにも下劣な行為なので、大人であっても子供であっても人としてみっともない行為であるという認識が定着してくれることを望みます。

で、ここからが本題なのですが、個人的にはメモリープレイヤーの導入によって、より客観的なSplatoonのゲームにおける研究が進んでより「体系化」された戦術理論がでてくれるのではないかと期待している点が一番大きいところです。Splatoon2までは、レーティングが高い動画実況者さんの解説動画などが主にそういった役割を担っていますが、ある程度、主観や、動画の見出しのインパクトに引きづられた形の強引な解説などもあり、なかなか体系化できていない状況だったかと思います。Splatoonでもプロというものが出てきてeスポーツとなるのであれば、客観的な複数の視点によるデータの検証が必要になるかと思います。「メモリープレイヤー」をうまく活用した戦略動画や、上手い人同士の試合の「感想戦」などがじっくりできる機会が増えれば、よりSplatoonというゲームの理解が深まるのではないかと期待しております。

とはいえ「メモリープレイヤー」使いづらいので改善してほしい

以上の理由で「メモリープレイヤー」の使用が流行ってほしいのですが、如何せん操作性が悪く、5秒戻しとか、スタートのスキップとか、エンディング後でもシークバーを操作できるとか、ストップ時にもシークバーを操作できるとか、スロー再生ができるとか、もう少し使いやすくして欲しいと思います。なんとなく予想ですがこのゲーム自体が非同期型の通信ゲームなので、簡単に動画のように巻き戻しするのが難しい(時間軸前方方向にレンダリングする方式とか?)で技術的な壁がありそうな気もしますが、それでも5秒戻しスキップとかは、シークバーにアンカーをつけることができるだろうし、スローは倍速再生ができているので、できるだろうと思います。(おそらく、スローでゆっくり見てしまうと非同期通信によるおかしな挙動が際立ってしまうのであえて見せないようにしているのかもしれませんが)

話変わって、フェスの話

今週末からフェスが開催されるということですが、前夜祭ではトリカラバトルがわりと不評でした。不評な理由は2点あって、そもそも真ん中の人が不利すぎるという話と、マッチングができなかったり、あるいは強制的にトリカラバトルをさせられるといった内容でした。任天堂としては改善案を検討するという話ですが、私としては案外改善しずらい本質的な問題があるように思います。

選択肢が3つあることのマッチングによる利便性

3チームで戦うトリカラバトルはひとまず置いといて、マッチングを考える上で選択肢がSplatoon3から3つになったのは良い点だと思います。理由としては、いままでの2択だとチーム全体の人数に偏りがあると、多いチームが相手チームとマッチングしづらく、最悪同チーム同士の対戦をするということがありました。これは原理的にしょうがないことだと思いますが、3択になることで、A、B、Cと選択肢があった場合、仮にAが一番多いとして、
A≦B+Cが成立すれば、同チーム同士の対戦が避けられるのでそういったメリットが大きいと思います。 (↓対戦イメージ)

公平かつマッチングがスムーズな方法はない

今まで通りのフェスマッチをする分にはマッチングしやすくなっているのですが、トリカラバトルになると、4:2:2で3チーム編成で固定されてしまうため、上記のような調整ができず、さらに4人になる真ん中チームが2倍多くないと成立しません。なので、まずマッチングの問題は基本的に解決しづらい問題です。例えば4人になる真ん中チームを人数の多いチームにやってもらうという案もありますが、ここで公平性という別の問題が生じます。トリカラバトルはマップが非対称になるため、必ず真ん中が有利か不利に傾いている状態になります。ただし事前の段階ではどのくらいゆうりなのか不利なのかもわからないため、事前に真ん中チームが不利なので100ポイント+の状態から始めるなど囲碁のコミのような方式で公平性を担保する考えもあるのですが、やってみないとわからないためそれも厳密は公平にはなりません。公平にするには、真ん中のチームを3チームに等しく持ち回りでやってもらうしかなく、その方法が現状ベターなのですが、マッチングする人数が、一番人数が少ないチームの振り分けに依存するため、いままでの2チームバトルより、さらにマッチング状況が悪化し易い可能性がましてくると予想されます。よって人数が少ないチームが依然としてマッチングしやしのですが、個人的には次回のフェスは無人島に持っていくもので「道具」「食料」「暇つぶし」となっているなかで「食料」が結構不人気なのだと予想しており、私は「食料」に投票しました。(勝ち負けよりもマッチングの快適さを優先)

いずれにしても、3種類あるため、2種類よりも、一番人数が少ないチームと多いチームで差が出やすい可能性が高く、公平性は担保できても一番多いチームがよりマッチングしづらい状況になってしまうのは避けられません。

というわけで、トルカラマッチは原理的に公平性とマッチングを両立するのが難しいので、事前に諦めたほうが良いという話でした。

話変わってXマッチのナワバリバトルはないのか?

個人的にはナワバリバトルが好きなのでXマッチ導入時にナワバリバトルがあっても良いと思っていますが、やはりいままでガチマッチに導入してなかったことを考えると任天堂にとってナワバリバトルは遊び心の聖域のような位置づけであまり、ギスらないルールがあってもよいではないか?という考えなんでしょうか?(その割に公式大会はナワバリバトル)ナワバリバトル自体は、Splatoonを代表するオリジナリティの高い奇抜なルールなので、より高度な戦いの中で戦術の研究が深まったほうが面白いと考えていますが、ガチすぎると使うブキも環境ブキ以外はお断りみたいになるのもみたくはないので、難しいところでしょうか。

現状公式ページにあるXマッチの情報は以下の通りです。

(アップデート)Xマッチ
発売後のアップデートで、さらなる高みを目指すモード「Xマッチ」が追加されます。Xマッチには、ウデマエがS+0以上のプレイヤーだけが参加することができます。

Xマッチでは、ウデマエポイントの代わりに、ルールごとに計測される「Xパワー」をかけてバトルを行い、Xパワーランキングの上位を目指します。

Xマッチにはグループを組んで参加することはできず、おのれの力だけで挑戦する必要があります。

Xマッチでは、そのルールのXパワーが近いプレイヤーを8人集めて、バトルを行います。

くわしくは今後の情報をお待ちください。

https://www.nintendo.co.jp/switch/av5ja/report/index.html


今のところSplatoon3の雑感で書きたい内容は以上です。

Splatoonはストレスがたまらない範囲で適度に遊びつつ、ゲーム性の理解の深まりや研究の成果などが知れたら嬉しいと思います。

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