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【マナー】和製英語な理由=MannerとMannersの違いが紛らわしいから(ハートに刺さるカタカナ英語解説 Vol.4)

マナーを守ろう
・電車での通話はマナー違反

人が集まるところなら嫌でも「マナー」という言葉が目に入って来る。実は「マナー」は和製英語で、本場の英語では全く違う使い方をする。今日は、その違いを楽しんでもらえたらなと願って書いた。

1.sの有り無しが紛らわしい
2.英語での使い方 manner / manners
3.Manners=礼儀になるのは語源が「手」だから (2019.3月まで無料公開)

*本記事は「シルバー記事」です。記事等級についてはコチラから。
https://note.mu/slovar/n/nd175096a55aa

*本プロジェクト詳細はコチラから
https://note.mu/slovar/n/nc5faf988afa4


1.sの有り無しが紛らわしい

この写真だけでこの記事が完結してしまうほど話は単純だ。

・Manner=手段
・Manners=礼儀

よって、

・マナーを守りましょう→マナーズを守ろう
・電車での通話はマナーズ違反→電車での通話はマナーズ違反

とするのが英語的には正しい。が、ズの音を足すと違和感が異常なほど感じる。単純に言いにくいからだと思う。英語的にはマナーズが正しいが、日本語的に言いやすくするために、「ズ」を落とした、とSLOVARは推測している。

これは悪いことなのか?というとSLOVARは良いことだと思っている。何でも本場にこだわる必要は無いのだ異常なまでの本場へのこだわりは幸福感を大きく損害する。カレーとキムチが良い例だろう。それぞれインド・韓国が本場だが、日本人の口には本場のカレーもキムチも合わないであろう。無理やり日本人に食べさせたところでも、拒絶されるか食べたくない気持を押し子として嫌々食べるかのどちらかだろう。ということから、本場を強制することのメリットは薄いと言える。日本人に合うようにアレンジしてから食べさせたらみんなハッピーなのだ。

言葉を身につける授業より、言葉を「味(ミ)につける」授業をしたいSLOVAR的には、料理の味覚も、言葉の味覚も、その土地の人に合うようにアレンジしてから提供するのが吉だと考えている

そんなわけで、マナーが和製英語であっても基本的に悪いことはない。ただ、本場の英語を学ぼうとする時に多少障害にはなるが。

ここからは本場の英語での使い方を見ていく。


2.英語での使い方 manner / manners

【mannerの場合:方法】

He tackled the problem in an unusual manner.
(彼は普通ではない方法でその問題の解決を図った)

in an unusual manner = in an unusual wayという言い換えが効くことから、mannerが方法という意味で使われていることが分かる。

【mannersの場合:礼儀作法】

It's bad manners to eat with your mouth open.
(口を開けながら食べるのはマナーが悪い)

こちらが和製英語の意味と同じ使い方だ。それゆえ「テーブルマナー」や「マナーモード」も和製英語ということになる。テーブルマナーは英語ではtable mannersとなる。しかしマナーモードはmanners modeとはしない。代わりにSilent modeと言うので、ここだけ注意が必要だ。


まとめ

と覚えておけば、英語的には正しく使うことができる。


さて、言葉の味覚を追求するSLOVAR的にはここで終わらせるのはプライドが許さない。そこでなぜsが付く、付かない、でこんな大きな差が出てくるのかを独自に考えてみた。これを聞いたら二度とmannerとmannersでは迷わなくなる、そんな説明だ。この続きは投げ銭の後にしようかと迷ったが、まだこのシリーズが始まったばかりということで、2019年3月までは無料で公開しておきたいと思う。


3.Manners=礼儀になるのは語源が「手」だから

誰でもMannerの語源を調べれば、ラテン語で「手」を意味するmanus という単語にたどり着くことができる。問題はここからどう広げるかだ。SLOVARなりに解釈をしてみた。

私は英語圏の文化である握手が鍵だと睨んだ。握手とは社交目的でするもので、そして握手がたくさんされる場所とは、人が集まっている場所であり、手の本数が多い場所なのだ。人が集まっている場所では、良好な人間関係の構築のためTPOを意識した立ち振舞が重要となる。そんなわけでmannersは礼儀を示すようになったのではないのか、と考えた。

手が1本でもできることは多くある。食事、手紙を書く、リンゴをもぎ取る...などなど。つまり、何かを為すための手段としての「手」の場合、1本でも事足りる場合は多い。ゆえに、manner=手段と考えた。


いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。