うつにっき、としか言いようのないエントリ

 予め申し上げるが、私に日記を書く習慣なんてものはない。毎日これをやらなくてはいけないなんて言われたら大概やらないのが私だ。毎朝の薬ですら飲み忘れる私が、井上山鳥毛さんを手に入れるために御歳魂を一日五千個目安で集めたり、「一体どんなジョブが開放されるのか知らんけどアスカロンがゼノ・イフリートのトレジャーで何とかなるんですって?」という感覚でゼノ・イフリート狩りをしている今が異常なのである。
 でも書いてみたら「鬱々とした随筆」以外の何でもないものになってしまったので、とりあえず「うつにっき」ということにした。まとまりも論理的思考もなにもない。本当に何もない。ただ私の鬱々とした感情を吐露しているだけのエントリだ。

 年下の友人に誘われて初詣に出たのだけれど、年末休みからこっち、私はそれこそ誕生日を迎えた浮かれ兎レベルの憂鬱に襲われておよそ寛解していなかった。誘ってくれた友人方には大変申し訳ない。
 初詣だというのに、二礼二拍手して何も頭に思い浮かばなかった。遅刻して来たし、焦って転んで草履が片方ぶっ壊れたというのもあって「私こちらのお宮様から歓迎されてないのでは…?」という気持ちが拭いきれず「すみません歓迎されてないのに来たんだとしたら本当にお邪魔ですみません、あけましておめでとうございます…えー…はい…ええ…」くらいのことだけ思い、後ろに次の人が待ってる気がして「なんか、変われるきっかけがあったらいいなあと思います」くらいのことをちょっとだけ、およそ期待せずに付け足してしまった。
 その後引いたおみくじで「願い事 遅すぎたが叶う」とあって「遅すぎた…? というのは、叶ってももうしょうがねえよってタイミングで叶ってしまうってことなの…?」「それともいつも死にたい死にたい生まれてきたくなかったって言ってたから遅まきながら今年それが叶うってこと…?」とかごねごね考え込んでしまった。普通に「えーウッソー諦めてたことが今年いよいよ叶うかもしれないんだあ! えー何かなあ何かなあワクワク」くらいの素直な気持ちで受け取ればいいようなものなのに。
 大体、私の願い事ってなんだったかな、こうなったらいいなって思うようなこと何かあったっけ? という、もうそこからわからなかった。貧乏暮らしと社会不適合と人間不信が長くなりすぎて、生活に不自由しないようになりたいだとか、出世したいだとか、人生初の恋人がほしいだとか、あるいは結婚したいだとか、幸せな家庭を持ちたいだとか、自分の才能を何らかの形で認められたいだとか、なんかそういうのがまったくないわけじゃないんだけど、その全てが「宝くじ当たるといいなあ」レベルの遠さになってしまって、わざわざ神様にお願いしたいという気持ちにすらならなくなっていた。
 どうせ叶わないことを願っても仕方ない、何せそれらを実現する方法すら自分で思いつかないのに神様のご利益アシストどこにつけるんだという気持ちがものすごくて、そうすると願いたいことが何も思いつかなかった。どこに行きたいのかも決められない状態では、駅に向かうかバス停に向かうか決められないようなものだ。
 その状態で初詣に来た人々や、みっしりかけられた絵馬を眺めていると、ああみんな願い事があるんだな、みんな夢や希望や願いや望みがちゃんとあるんだ、それを叶えたいと、叶えられると思うだけのことがあるんだ、と思っていよいよ鬱々としてしまった。別に誰も悪くない、ただただ私が悪い。みんなこんなに生きる希望に溢れているのに私にはなんにもないなあ、こんななんにもない私が社会に溶け込めないなんて当たり前だよなあ、となって、相変わらず自分が人間じゃないような気がした。
 人間は社会性動物なのに、私はその社会に馴染めない。その社会で良しとされるものにおおよそ興味がない。社会的地位もお金もコミュニティへの所属も、本当のこと言うとほとんど興味がない。自分が好きだと思う人とは仲良くしたいと思うが、「そりゃあ一種のギルドかい?」みたいなグループに入るのは苦手だ。私の書いたものや作ったものを「いいね!」と言ってもらうのは嬉しいけど、そのために一生懸命認知度を上げたいとはいまいち思っていない。欲しいものはたくさんあるけども、それを手に入れるために一生懸命働こうという熱意には至らない。
 多分に怠惰だし、何より「自分にそれだけのスペックは備わっていない」という自己不信が強い。ゼロに何をかけてもゼロなのだから、ほぼゼロスペックの私が頑張ったところで他の人たちと同じかそれより劣ったものしかできないに違いない、それなら頑張らない方がマシ、という結論になってしまう。何が手に入らなくても出来なくても「頑張ってないんだから当たり前」という、諦め以前の感覚にしかならない。生きる意欲が完全に失せている。生きながら死んでいるとはこういうことなんだろうなあと思った。

サポートをいただけると、私が貯金通帳の残高を気にする回数がとっても減ります。あと夕飯のおかずがたぶん増えます。