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うまく切り替えるには

 普段やらないことをしてみる。
 1年ぶりくらいにギターを手に取ってみたり、本を読む場所を変えてみたり、バイト以外の全ての時間をアニメの一気見に使ってみたり。
 音楽や美術で脳の普段使わないところを刺激すると、気持ちが切り替わって目の前のことに新鮮な気持ちで取り組むことができる。大事なのはバランスだ。
 アニメを一気見するのはとても楽しいけれど、のめり込みすぎてしまって時間や労力を圧迫してしまう。これは時間に余裕がある時に取り組むべきで、やるべきことにスッと向き合うために自分を手軽にコントロールできるなにかを、最近の僕は探している。
 ラーメンズの小林賢太郎氏は、仕事によって作業机を変えているらしい。劇団の主宰で脚本・演出家のとある方は、煮詰まったらモンハンを起動して、強いモンスターを5分程度で倒して気持ちを切り替えると言っていた。それくらいの手軽さで自分に上手にリセットをかけるなにかが欲しい。
 映画を見る、アニメを見る、漫画を読む、本を読む。これらは30分〜2時間かかるし、その後に余韻が残ってしまって脳みそがぐるぐるする。ゲームは大好きだけど、楽しすぎてやめられなくなってしまうタイプなのですぐにやめてしまうと物足りなさでモヤモヤする。実際、深夜から朝までスプラトゥーン3をやっちゃうし、負けた悔しさで何時間もネット麻雀をやってしまった実績がある。

 このnoteに何を書こうかと考えながらダラダラとスプラトゥーン3をやっていた昨日。なにも思いつかないなーと思いながら、サーモンラン(敵を倒してノルマをクリアするモード)をやっていても、これがなかなかクリアできない。うまくいかなくてイライラしていると、ふと、テーブルの上に置いてあった紙と鉛筆が僕の視界に入った。

 これだ。

 おもむろに鉛筆を取り、それまで散漫だった集中力のすべてを紙の上に注ぐ。
楽しい。気持ちいい。我が家の猫の横顔をじっくり観察し、それがまっさらな紙の上に僕の手で再現されていく。思った通りのバランスにならない、そのもどかしさも心地よく、鉛筆が紙に引っかかる感触も新鮮だった。グーッとのめりこんで、のめりこんで、のめりこんで。大体10分くらいで描き上げた。
 新鮮な気持ちで自分の描いた絵を眺め、晴れやかな気持ちでコントローラーを手にし、すっきりと画面に向かう。そうすると、今までより落ち着いて広い視野でプレイできる。見える。敵の動きが見える。あそこで仲間が死んでいて、仲間を救出するならここの敵を処理してから。勝てる。勝てるぞ…!

 ステージクリア。

 僕はクリアできた喜びと、お絵描きというマインドセット方法に出会えた喜びに打ちひしがれた。

 そして気がつく。noteに書く内容をまだ思いついていないことに。
 でも僕にはこれがある。アイデアが煮詰まった時、作業に集中できない時、どうすればいいかを僕はもう知っている。

 そうして晴れやかな気持ちで、僕はコントローラーを握った。

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【舞台出演情報】
『夜光星-ヒバナニマツワルキョウソウキョク-』
3/1(水)〜3/5(日) @中野ザ・ポケット
(*詳しくはチラシの裏面をご参照ください)

オモテ
ウラ

川﨑志馬専用予約フォーム↓

ぜひ劇場へお越しください。

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