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アルシンドのCM撮影


「友達なら、当たり前~!
」の
アルシンドを覚えていらっしゃいますでしょうか。

「覚えているもなにも、生まれてすらないワ」

という方も多いでしょうから(笑)説明しますと、

1990年代、Jリーグ初期に日本で活躍した
ブラジル人サッカー選手で、

カッパハゲの頭とひょうきんなキャラで
アデランスのCMなどで一世を風靡した人です。

CMの台詞の「アルシンドになっちゃうよ~」
大流行しましたから、
当時生まれていなかった人も意外と知っているかも?!


1990年代といえば、
既にブラジルからの出稼ぎブームは真っ盛りでしたが、

まだ日本語とポルトガル語双方を自由に話す人口は少なく、
サッカーチームにもお抱えの通訳さんがいるような時代ではなく、

そのおかげで、私などにもサッカー業界絡みのお仕事が
舞い込んでくることがあったのです。

で、

アルシンドのCM撮りで私が通訳したのは、確か下記3本でした。


アルシンドは、

奥さんが同行しているときはおとなしく、

奥さんがいないときは、

CM撮影は、
仕事終わりの接待が楽しみなイベント>笑


だと信じてはしゃぎまくってしまうという、
極めて分かり易いキャラでしたが、

会う毎に、だんだん本音を漏らすようになっていきました。

「めちゃんこラーメン」の撮影の時は
ちょうど所属チームとの契約更新の交渉が決裂した直後で、

「なあ、君も知っているだろう。ブラジルで交渉といえば、
お互い低めの金額と高目の金額を最初に提示して、
どこか真ん中ら辺で折り合いを付けるものだ。

だから、最初に高目の金額を言っただけで、
俺はそんな金額を貰おうと思っていたわけじゃないんだ。

なのにさ、話し合いもなしに、
『こちらの提示した金額で了承するかチームを去るかだ』

って言われた挙句に

『あいつはうぬぼれて、こんな金額を提示してきた』

みたいな報道のされ方してさ…。

本当に参るよ…。」

と。

また、

「俺がブラジルに帰るとさ、
親戚がわんさと集まってくるのさ。

皆大変なの分かっているから
全員に小遣いを渡すんだけれど、

前回、とうとう甥っ子を怒鳴りつけちゃったよ。

結構いい額の小遣いをやったのに、
一週間もしないうちに

『またちょうだい』って、来やがったんだ。

『この前のはどうした?』って聞いたら
『遊びに使った』って言うからさ。

『俺は日本で遊んでいるんじゃないんだ。
汗水垂らして稼いだ金だ。

金は無限に出てくるもんじゃないってことを
いい加減に理解しろ』ってね。」

などと、こぼしていました。

ひょうきんキャラが日本でウケて、

場をわきまえないで、そのキャラで通そうとした結果、

日本では生きていけなくなっちゃったのかなぁ~

と思っています。

確かに今でいう「チャラ男系」ではあったけれど、>笑

いい人でした、間違いなく。

懐かしいな~…。

本日もお読み頂き、ありがとうございました!


友達 ネコ

※ 「友達なら、あたりまえ~!」否、「友達 ネコ」は
こたつぶとんさんの作品です。


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