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アマゾン地方から来日した警察の鑑識官が放った言葉に「ぎょえ~っ!」な話


かれこれ20年程前、

研修員として来日したブラジル警察の鑑識官の
通訳をしたことがあります。

ブラジルの中でもその人は、

法定アマゾン圏の大都市である
パラ州ベレン市から来た人でした。

とても気さくな「おっちゃん」で、
移動時間や待ち時間にいろいろ教えてくれました。

まず最初に教えてくれたのが、

「僕たちパラ州の人間は、
他州や外国の人にパラ州の気候について聞かれたとき、
どう答えるか知っている?」

と訊くので、首を横に振ると、

「こう言うんだ。
『パラ州には2つの季節がある。
毎日雨が降る季節と一日中雨が降る季節だ』
ってね!ワッハッハ~♪」

と。

事実、
この地域に住んだことのある日本人の方からも、

「毎日スコールが降る季節が終わると、
延々と長雨が続く季節が始まるので、

何が嫌って、
てんで洗濯物が乾かないこと...」

と、聞いたことがあります。

でも、「おっちゃん」の言い方はというと、

ポルトガル語で「毎日」は、

「todos os dias 」

伯葡語:【トードゥズスーアス】
欧州葡語:【トードゥズシディーアシ】、

「一日中」は、

「todo o dia」

伯葡語:【トードオーア】
欧州葡語:【トードオディーア】

というので、

似通った言い回しによる言葉遊びまで盛り込んでいて
「笑わせよう精神」満載なのです。

そんなこんなで、全体的には
退屈する暇のない楽しい研修期間となったのですが…

*****

あるとき

警視庁の担当官が

「先日のバラバラ殺人事件の遺体の一部が上がったとの
連絡が入りましたので、見に行きましょう!」

と…。

向かったのは、なにかとテレビでもよく耳にする湾岸署方面。

ふ頭に到着した警察用船舶が岸壁に降ろしたのは

なんと!

男性のボクサーパンツ型のご遺体...!

「ゲッ!」


頭じゃなくて良かったと、
すなおに言っていいのか微妙なパーツ...。>爆!


ともあれ、

湾岸署の捜査官の説明を訳したあとは、

10分~15分、

日本の鑑識官達の動きを見学したのですが、

その間も「おっちゃん」は私につぶやきまくります。

「いやぁ、日本人はやることが細かいねぇ…。」、

「ブラジルには、こんな面倒なことをする犯罪者はいないよ…。」

「それにしても、羨ましいなぁ~…」



「ハッ?! 羨ましい?! なんで?!」

と、私。

すると、こんな説明が続きました。

「だってさ...、

証拠が残るじゃない。

僕の住んでいるのはアマゾンだからさ、

ピラニアに食わせられちまったら、
骨がちょびっと残るだけ。

ワニに食わせられちまったら、
何も残らない…。

いいな~、日本の警察は、いいなぁ~…

証拠があっていいなぁ~…」




なるほど…。

職業柄というか、

ところ変わればというか...、

悩みってホント、人それぞれね…

というお話でした。 >爆!

魚 新鮮


※ 「びっくり魚ーてん!」、否、
「魚 新鮮」はこたつぶとんさんの作品です。




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