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ブラジルの「〇リ〇ッド」

ここは
「Cabaceiras【カバセイラス】」
という、

ブラジル北東部の小さな町です。


「Cabaceiras【カバセイラス】」は、
ブラジル北東部パライバ州にある
人口5千人程度の小さな都市です。

日本ではあまり知られていませんが、
カバセイラス郊外のジオパーク
「Lajedo de Pai Mateus【ラジェードゥ・ジ・イ・マウス】には
珍しい巨石群などもあるので、

それらを見に行くというのであれば、
中には日本人もいるようです。

https://www.flickr.com/photos/valedaneblina/11562814774
https://www.uol.com.br/nossa/noticias/redacao/2021/06/26/lajedo-de-pai-mateus-na-paraiba-lembra-paisagem-extraterrestre-conheca.htm
https://turismoemfoco.com.br/v1/2023/01/06/coluna-do-uol-indica-joao-pessoa-conde-e-lajedo-de-pai-mateus-para-as-pessoas-curtirem-o-dia-de-nossa-senhora-aparecida/
https://www.brasil-turismo.com/paraiba/cabaceiras.htm
https://www.researchgate.net/figure/Figura-15-Karrens-aglomeracao-de-caneluras-no-Lajedo-de-Pai-Mateus_fig5_349348045
https://www.flickr.com/photos/valedaneblina/11562814774
https://vitruvius.com.br/revistas/read/arquiteturismo/04.038/3430
https://www.paraibacriativa.com.br/artista/lajedo-do-pai-mateus-pedra-do-capacete/
https://viagemempauta.com.br/2017/07/24/cabaceiras-roliude-nordestina-2/
https://unsplash.com/es/s/fotos/Lajedo-de-Pai-Mateus

ところが、
ブラジル人のあいだで
カバセイラスが有名なのは、

巨石群以前に
トップ画像の文字看板にも記されているとおり、
ここが

「ROLIÚDE NORDESTINA」

ホリッジ・ノルデス―ナ

として知られているからなのです。

あっ、


気付いちゃいました?w

そう、
この「カバセイラス」の異名は
「北東のハリウッド」なのです!

いや、ブラジルでだって
普通はちゃんと
「Hollywood」と綴るんですよ!

ただ、発音は

「ホリウッジ」

になってしまうんですけどね…。w

※ ちなみに、かつてブラジルで最もよく売れていたタバコの一つが
「Hollywood」といい、それは「オリッジ」と読まれます。w

んでもって…、

ポルトガル語では本来「H」は読まないし、
語頭の「ハヒフヘホ」なら「R」で表すのが通常だし…、

語尾が「ジ」に聞こえるといえば、
ブラジルのポルトガル語では「de」で終わっているのが定番だし…、

そもそも面白がって付けた異名だし…、

ということで、
「ハリウッド」ならぬ「ホリウッジ」
「完全ブラジル化」したら
「Roliúde」になっちゃった!

というわけです…。w

https://viagemempauta.com.br/2017/07/24/cabaceiras-roliude-nordestina-2/

😅 😂 🤣


で…、
何故この町が「ハリウッド」なのかというと、
勿論ここで多くの映画の撮影が行われているからです。

初めてカバセイラスで
動画が撮られたのは1929年で、
このときはブラジル北東部に関する
ドキュメンタリーの一環としてだったのですが、

ポルトガルの植民地だと一目で分かるこの町並みといい、

https://www.paraibacriativa.com.br/artista/cabeceiras/

「セット」として使うのに好都合なサイズ感といい、

https://jc.ne10.uol.com.br/colunas/turismo-de-valor/2021/12/14916684-cabaceiras-a-roliude-nordestina-no-sertao-da-paraiba-que-ja-foi-palco-de-mais-de-50-filmes.html

降雨が少なく、天気を気にせず撮影を進めることができる上、
州都ジョアン・ペソアから 200 km 弱
(直線距離は166 km、移動時間2時間程度)
という好立地 ♪

徐々に多くの作品がこの町で撮影されるようになり、
町側もすっかり慣れっこになり、
どんどん協力的になり、

撮影される気満々な「大通り公園」も出来、w


https://www.paraibacriativa.com.br/artista/cabeceiras/

今やすっかり「観光地」、「映画の町」としての
地位を確立して、
国内外の観光客がやってくるようになりました。

記念撮影にもぴったりなアートウォールも♪
https://jc.ne10.uol.com.br/colunas/turismo-de-valor/2021/12/14916684-cabaceiras-a-roliude-nordestina-no-sertao-da-paraiba-que-ja-foi-palco-de-mais-de-50-filmes.html

無論、映画博物館もあります。

https://www.destinoparaiba.pb.gov.br/ondeir/cabaceiras-e-a-roliude-brasileira-que-tem-um-lajedo-mistico/
https://viagemempauta.com.br/2017/07/24/cabaceiras-roliude-nordestina-2/

なお、これまでに
通算50本以上の映画やドラマが
カバセイラスで撮影されたそうですが、

※ 残念ながら、今のところコンプリートリストが見つかりませんが…。😓

中でも有名なのが、こちらです。

「O Auto da Compadecida【オ・アウトゥ・ダ・コンパデスィーダ】」

☝ 英語字幕付き予告編です。

「Auto da Compadecida」は、
ブラジル人作家 Ariano Suassuna による同名の戯曲を原作とし、
1999年に公開された、
Guel Arraes 監督によるドタバタコメディー映画です。

「O Auto da Compadecida」
(無理やり直訳するなら「慈悲ある者の宣言」?)
とは、
つかみどころがなく訳すのが難しい題名である上、
話が「ある犬の死」から始まるため、
英語では『A Dog's Will』という題名になっています。

舞台は1930年代初頭のブラジル北東部、
パン屋で働く
「João Grilo 【ジョゥン・グーロ】と Chicó【シ―】は
古くから馴染みの2人組。

パン屋の奥さんが飼っている愛犬が瀕死の状態になると、
愛犬を愛してやまないパン屋の奥さん、
教会へ連れていき祝福してくれと頼むも
神父は「人間じゃあるまいし」と拒否します。

神の祝福を受けないまま犬が逝ってしまったことから
せめて盛大な葬儀をと、
パン屋の奥さんは再び教会へ。

神父は無論「犬の葬儀などは行わない」
と断りますが、
ジョゥン・グーロ と シ―が

「敬虔なクリスチャンだったその犬が、
ラテン語で祈りを捧げてほしいとの遺言を残したんだ、
その祈りを捧げてくれた神父には謝礼を払うとも言ったんだ~!」

と告げると、
「謝礼」になびいた神父は話に乗ってしまいます。

そこから紆余曲折を経て、
ある時カンガセイロと呼ばれる盗賊一味が町に襲来し、
主要人物の多くが亡くなってしまいます。

ジョゥン・グーロ と シ―は、得意の口車で
盗賊を騙せそうになりますが、
ジョゥン・グーロは亡くなってしまいます。

死後の世界では、
生き残ったシコー以外が全員再会しますが、
「金で買われた」神父などは地獄に落とされてしまいます。

そして最後に慈悲溢れる聖母マリアが
ある決定を下し…

といったあらすじです。

この映画は、
ブラジルでは非常に人気があり、
ブラジル映画としては、
質の高い映像美や演技が高く評価され、
国内外で高い評価を得ています。

歴史的な建物や町並みが多く映し出され、
特に映画の冒頭で描かれる「聖母マリアの祭事」のシーンは、
カバセイラス市内の中心的な教会で撮影されたこともあり、
まさに「聖地巡り」の目玉となっています。

https://www.destinoparaiba.pb.gov.br/ondeir/cabaceiras-e-a-roliude-brasileira-que-tem-um-lajedo-mistico/

😊😊😊

というわけで、
当初は多くの映画を紹介できるかなと思って
記事を書き始めたのですが、

コンプリートリストは見つからない、
こっちの情報があっちの情報と一致しない等々ありまして、

また、ブラジル映画の知名度の低さを考えると、
せっかくなら面白いものをチョイスして、
映画1本につき1記事というスタイルで
シリーズ化するのもありかなと考え、
今回のこの記事については、
この辺で締めさせて頂こうかと思います。

本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!


https://makeagif.com/gif/encontro-de-joao-grilo-e-o-diabo-auto-da-compadecida-QYCXiM

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