見出し画像

新卒で入社した会社を2年で退職した理由は、〇〇だった。

女性が退職する正当な理由だった

読者の方に共感していただけるかどうか心配ですが、私が新卒で入社した会社を2年で退職した理由はコトブキでした。

コトブキって何?と思われた方、これは死語なので知らなくても当然です。
かつて、女性が結婚を機に仕事を正々堂々と辞めることを「寿退社」と呼んでいました。これは、おめでたいことであり、退職を上司に告げると「おめでとう」と言われました。そして次に「相手は誰?」と質問がきます。当時は、プライバシーやハラスメントという言葉さえもなかったのですから、個人の恋愛ごとには皆、興味津々です。
私のお相手は、仕事を通して知り合った営業マンで上司もよく知っている人でした。退職を決意したのは、このまま仕事を続けるのが気まずいと思ったのと、周りにいろいろ詮索されるのが嫌だったからです。しかし、本音は別のところにありました。実は、当時の私は単調な営業事務という仕事に飽き、もっとやりがいのある仕事を求めていました。

エピソード#3 営業事務という仕事

私たちが結婚するという話はすぐに社内に広まった。にやりと笑みを浮かべながら職場の人たちから「おめでとう!」と言われ、少し困惑した表情を浮かべて、私は「ありがとうございます」と礼を言った。
入社した時には、こんなに早くに会社を辞めることになるとは考えていなかった。職場の人たちは、優しかったし居心地も悪くはなかった。ただ、給料は良いとはいえなかった。結婚後も、私は専業主婦になることは考えておらず、もっとやりがいのある仕事を求めていた。

当時の営業事務の仕事は、営業マンのサポートと受発注処理がメインで、注文は電話かファックスで入り、オンラインで結ばれたPCに、発注先コード、品番、数量を入力して伝票を発行する。急ぎの注文や特別割引を要する場合は、担当の営業マンに連絡を取り、見積もりを出してもらうように依頼をかけた。毎月5,10日(ゴトウビ)に得意先別に請求書を発行し、封書して郵送、その後の売掛金入金の確認をするところまでが仕事であった。
年間を通して売上は、町にある文具店を通して注文が入っていた。当時、地元の有力な文具店は、官公庁や学校を訪問して御用聞きをし、まとまった注文を取っていた。
文具業界は、官公庁や民間企業が決算を迎える3月頃が売り上げのピークで、また、4月に小学校に入学する予定の新入生のために、ランドセル展示会や学習机の展示会を開催していた。
営業マンは基本的にルート営業が中心で文具店と良い関係性を保つことが求められており、営業事務は、その営業マンと文具店をつなぐパイプ役といえば聞こえがいいが、誰がやったとしてもそれほど差が出ない仕事内容だった。

新卒で入社した会社をさくっと辞め、離職票を持ってハローワークに行った。
自分がやりたい仕事とは何なのか、具体的に決まっていたわけではなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?