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ミニマリストもどきで身軽になる

生まれた時、僕は何も持っていなかった。

そこから少しずつモノが増えていった。

小学校の頃は漫画。

中学校の頃はゲーム。

高校の頃は服。

大学生になった時にはモノで溢れかえっていた。

何をそんなに持っていたのか今では思い出せない。

その時が所有物のピーク。

世界一周に出かけることを決め、そこで物を一気に処分して僕はバックパッカーになった。

リュック1つで生きていけるようになった。

帰国後に会社の寮に入る時も荷物はわずかだった。

長かった香港での海外生活。

僕は3回引っ越しをしたけど、一度も引越し業者に頼む必要はなかった。

新居と旧居を電車で何回か往復して所有物を運べば、自分で引っ越しすることができた。

海外生活をやめて山梨に帰ってきた時、僕の荷物は段ボール5箱くらいだった。

僕は他の人に比べたら、あまりものを所有していないと思う。

生活の中で所有するモノは減り続けている。

基本的に新しいものをほとんど買っていないから。

必然的に古いものが消費され、捨てられていく。

流入 < 流出 

当然、モノは減る。


意識的に整理もした。

まず、絶対に取っておかねばならない契約書みたいな書類以外は、

全部データ化して捨てた。

必要な書類はバック2個くらいになった。

まだ多いけど、仕事している関係で保存義務があったりするので、仕方ない。


新品のモノは、売るか、あげるかして処分した。

本もたいてい古本屋に行って売りさばいた。まとめて売ればそこそこのお金になった。


僕の所有物で一番多いものは服だった。

ダサさがアイデンティティと周りに思われている僕。

時代遅れのダサい服が大量にある。

服は、自然に消耗して使えなくなる、ということがほぼ無い。

どっちかというとデザイン的に死ぬ方が早い。

機能として体温調節をし、人体を守るのには十分なのに、捨てる必要があろうか。

そのタイミングがよくわからなくて残る。


そんな僕が大切にしている人生の教えがある。

中学校の時の理科の先生がニヤニヤ顔で語った話。

僕はその人の理科の授業なんか何にも思い出せない。

授業中はたいてい寝ていた。

でもこの話の時だけは、なぜかムックリ起き上がり、

話に耳を傾けたのだ。

そして、それは僕にとって大変貴重な教えとなった。



「旅行に行くときは要らない服を持っていく。
そして、旅先で着たら、旅館に捨ててきてしまう。
そうすると、帰ってくる時身軽になるし、その分、お土産も買えるのさ。」

宿泊施設からしたら良い迷惑。


僕は、この教えをしっかりと引き継ぎ、守って生きている。

多分、後世にも語り継ぐだろう。

「焼き肉は良いタレ買っとけば、肉はどーでもいい」理論と共に。

旅行先で着て捨てることで、

最後にその服は、僕を身軽にするという特別な活躍ができる。

唯一のデメリットは、
まさにダサい服なので本来は旅行で着るべきでないということ。
普通の人は、旅行の時、ちょっとオシャレして出かける。


この究極の教えのおかげで、僕の服はだんだんと減った。

最近は、ちょっと心配になるくらい減った。


諸々処分してしまって、かなり身軽に磨きのかかった僕だけど、

ぱっと見、ミニマリストにはまだ見えない。

その境地にまで捨てきる覚悟がない。

今は、必ず使うものか、思い出のものしか保有していない。

のに、なぜか。

1年に1回か2年に1回しか使わない、けど必ず使うから取っといてあるモノ。

これが結構あるのだ。

例えば、スノボの道具、みたいなもの。

こういうものを捨ててしまって、1ヶ月に1回は使うものだけ持つようにすれば、僕は完全にミニマリストになれる。

でも、一歩手前でいつも止まってしまう。

これ以上、処分してしまうのは、

土地が余ってて保管費用のかからない田舎では損だし、

また買ったり借りたりする手間も増えるので面倒だから。。。


ここから先は真に、ミニマリストでも趣味と意地、我慢の領域ではなかろうか。

本当はそっちの方がカッコいい。

おしゃれは我慢から、と思うのだけど、そこまでいけない。

だから僕はミニマリストもどき。

でも、ミニマリストもどきになったことで、旅しながら生活することが容易になった。

僕が株式会社スマナビで民泊運営に携わる仕事をしている。

いろんな民泊施設や、別荘、宿泊施設を転々として生活している。

民泊オーナーの集うサロン Vacation Lifeで携わることになった施設に、
滞在しながら立ち上げを行う場合が多い。

その時に持っていく荷物は、バックパック2個分くらいである。

こういうライフスタイルができるようになったのは、
所有物を絞り込んでいて身軽に移動できるから。

毎回の移動自体は手間ではあるのだけど、
新しい土地で新鮮な経験ができたり、出会いがあって、
こういう転々とする生活も楽しいと思っている。

hitoki

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