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誰でも使える農業のサービスを作り上げる

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農業の問題の一つに灌水の手間というのがあります。 このマガジンでは灌水サービスのこれからの展開について色々と書いていく予定です。
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記事一覧

ビニールハウス窓開閉の自動化システムを0から組み上げる

上記記事にも書いてありますが、窓の開閉の自動化というテーマに取り組んで行きます。 これはDIYレベルではなく、ビジネスレベルの話となります。なので、同じような窓開閉に悩むユーザーさんに導入して貰う事を念頭に置いて開発を進めています。 窓の開閉については、私自身ソフトウェアで制御した経験はあります。が、今回は実際に窓を開閉するモータを自分で調達して、設置も行う予定です。 その中で見えなかった事を学びとして先に進めて行きたいと思っています。 調達する窓開閉用のモーターは何が

コンテストを通じて知り合った生産者さんと共に、次はビニールハウスの窓の開閉を自動化させます

きっかけは豊橋アグリミートアップイベント 元々は、豊橋アグリミートアップというイベントがありまして、そこにファイナリストとして参加しました。 私達がテーマとして挙げたのは、「全ての農場をスマート化するリモートスイッチ」というもので、東三河地域や遠州地域で盛んなビニールハウスを使った農業にターゲットを絞ったものです。 この辺りに限らず、ビニールハウスを使った農業で今後問題となっていくのが「点在したビニールハウスの管理」です。この問題を解決するには先ほど挙げたスマート化す

リモートスイッチサービスについてのリーンキャンバスを描く事で強みを再発見する

リーンキャンバスとは何か 自社のビジネスを一枚に表し、社内の共通認識を統一させる計画書の役割を果たすのがリーンキャンバスです。 リーンキャンバスのテンプレートは下のページからダウンロードしました。 ただ、ダウンロード先はビジネスモデルキャンバスとなっていて、ちょっと内容が違ったみたいなので、自分で項目を改変しています。 自社のプロダクトをリーンキャンバスに起こしてみる 早速自社のプロダクトをリーンキャンバス上に起こしてみます。 今回のターゲットは最近の補助事業で作り

独自開発したリモートスイッチを使って、補助事業を無事終えて気づいた事

無事に補助事業を終了できました 上のエントリで、浜松市の補助事業に採択された事を書いていましたが、2/29をもって本事業も無事終える事が出来ました。 この補助事業を申請する時に思い描いていた形とは違う形になったのですが、結果から考えるとむしろ想定以上に先に進めたな、というのが正直な感想です。 今日はこの補助事業を通して学んだ事などを書いていこうかと思います。 予定通りに進む事は少ない、その中で何を成し遂げるのか、という軸をしっかりしておく 今回の補助事業、先にも言

独自開発したハードとソフトで日射比例灌水の開発と導入

以前、農業での水まきの方法の一つとして日射比例灌水を取り上げてみました。 日射比例灌水が判りやすい理由 上のエントリでも述べていますが、水やり(灌水)で一番判りやすい・導入しやすいのは日射比例灌水かなと思っています。 もちろん、土壌の乾き具合を見て水やりをするのが理想的ではありますが、土壌を計測するセンサが高価な現状では、やはり投下するコストに見合う効果が得られにくいと考えています。 日射はそれなりに計測しやすい 正確に日射量を計測する、となるとセンサの取付け位置を

農業向けのローコストなリモートスイッチを作っていたら、焼津駅の冬景色を彩る事になりました

浜松市の補助事業の取り組みの一つとして、ローコストな灌水システムに利用するハードウェアの試作を行う、と言うものがあります。 ローコストを実現するのってかなり大変です このローコストな機器というのがとても難関です。 パイが限られている(と思われている)農業分野では、専用にハードウェアを開発していたのでは、そのコストを回収するには長い年月が必要になってきます。まあ、「割に合わない」形になってしまうんですね。 それを避けたいがために、通常では販売単価を上げざるを得ません。 そ

浜松市の新産業創出事業補助に採択されて、そこでやりたい事を描く

私たちは2022年度にあいち農業イノベーション事業に採択されて、シクラメン鉢物に対する自動給液システムを構築しています。 そのあたりについては下のエントリで書いていますし、会社Webサイトにも経過などを掲載しています。 https://note.com/smartagri/n/n03941e8b98fb 浜松市で私たちのプロジェクトが補助事業として採択されました 浜松市でも新産業創出事業補助に採択された事をきっかけに、愛知県の事業とは別にプロジェクトが進み始めています

無いなら作ればいい!農業での3Dプリンタの使い道

細かいパーツこそ3Dプリンタが向いている 農業向けのちょっとしたパーツ。 将来の市場規模は判らないですが、現在は少なくともニッチな需要である事は間違いありません。こういったパーツは普通に外部に製作を依頼すると高くついてしまいます。 そのため、ありもので何とかするしかありません。少なくとも今まではそうでした。 でも、今は違います。 そういう時に役に立つツールとして3Dプリンターがあります。 一般的に作るモノが樹脂製で良ければこれでコト足りてしまう事も多いのです。 私が

農業で使う土壌センサの種類について

土壌水分や飽差による水やりコントロールもある 土壌水分によるコントロールというのは、様々な所で行われています。 土壌の水分を計測するのは、日射よりは植物体に一歩近い、より直接的な測定方法になります。 そのため土壌水分で灌水量を決めるのは、より植物ファーストな水分コントロールと言えるでしょう。 難しい点として、土壌の計測と言うのは、いわば固体を計測する事に近く(正確には固体間にある水分を計測する)、計測するセンサの設置度合いによってムラが出てきます。 なので困難さの度合

SwitchBotも所有しているので、これを自分のサービスでも動かしたくなった。 基本的な所は既にできていて、後は設定画面などの作りこみですね~

IoTで気軽に使えるArduino通信モジュールが無くなってきているので新たに作る事を考えている

自分は元々、農業分野でのテクノロジー化を目指して、手始めにビニールハウスの環境計測からスタートしています。 それが今では灌水(水やり)の制御や衛星画像を利用したデータ解析を行うようになりました。 また、最近ではLoRaWANを利用した環境計測機器の開発運用など、数年の経験を持つようになりました。 通信モジュールのコストが無視できないほど高い 生産現場のデータをクラウドに送信する場合、何らかの通信機器が必要となります。それはWiFiやLTE、5G、そして用途にもよりますが

農業灌水(いわゆる水まき)で使う設定2

前回、灌水(いわゆる水まき)で1日の間に定期的に水やりを行う設定について書きました。今回はそれを発展させます。 植物を上手く育てるか、を突き詰めていくと「いかに植物の光合成をスムーズに行わせるか」という事に行きつきます。 光合成とは「光のエネルギーを用いて二酸化炭素と水から炭水化物を合成する」事です。 炭水化物を元に植物の体を作ったり、果実を実らす事に使うため、植物を上手く育てるには「十分な光」と「二酸化炭素」と「水分」が必要となります。 (もちろん生育のためには微量元素も

自分で作る農業設備の自動化、どこまで進んできたのか

全てはここから始まった 2021年の7月に下のタイトル「農業設備の自動化」というテーマについて、書き始めました。 リンク先を見て貰えれば分かりますが、この時はたった4行しか書いていません。 家庭菜園、ここでは自分で使うDIYレベルという意味合いですが、そうでは無くプロ向けのサービスとして作りたい、と書いてあります。 そしてあれから2年経ちました。 自動化を図る話はどうなったんだよ?という事で、この話は現在どうなっているかを今回書いてみようかと思います。 私がやり

農業灌水(いわゆる水まき)で使う設定1

タイマ(プログラムタイマ)設定「タイマ設定」と言えば、例えば朝7時ぐらいに水まき(灌水)をしたい、と言う時に使う設定です。 手間をかけない、安価を求めるのであればタイマ設定で1日に数回の頻度で灌水をする、というのが一般的のようですね。 一日に何回水まき(灌水)を行うか 水まきは一日一回、というやり方もあります。が、理想を言えば植物が必要な時に必要なだけ与えるというのが正解ですね。 一日一回の水まきは、言ってみれば水まき直後は水多すぎ、水まき直前は水不足という状態です。 完