医学部受験生に必要なこと②
医学部受験生に必要なことを考えるシリーズ、今回は2回目です。
前回はこちら。
今回から、塾講師が見た実際に合格した受験生に共通した要素をお話していければと思います。
もし、これを読んでいる方が医学部志望の受験生であれば、お聞きしたことがあります。それは、
「あなたは、どんなお医者さんになりたいのですか?」
考える暇(いとま)もなく、答えが出てくるでしょうか?
意外に思われるかもしれませんが、これがすぐ出てくる医学部志望者は、そう多くはありません。私自身、とても不思議に思っていることの一つです。
これが他学部だとそのようなことは少ないです。何故かというと、大抵が職業が先で学部(学科)が後になる思考回路だからです。
建築士になりたいので、工学部建築学科を志望する。
薬剤師になりたいので、薬学部を志望する。
教員になりたいので、教育学部を志望する。
職業のイメージがなくても
物理を勉強したいから理学部物理学科を志望する。
バイオテクノロジーを勉強したいので、農学部を志望する。
となります。
本来、医学部の場合、比較的職業のイメージがつきやすいはずです。
小児科医になりたい。外科医になりたい。整形外科でスポーツ医学を学びたい。地域医療の担い手として、広い診療科を診れる医者になりたい。アメリカで働ける医者になりたい・・・。
そんなイメージを持っている受験生が本来なら多くあるべきなのではと思うのですが、実際には違っているのが現場の皮膚感覚です。
当たり前のようですが、実際に医学部に合格する人は将来のイメージを持っています。もちろん、そのイメージを持っていても不合格になることも多いです。
ただ、自分がどんな医者になりたいかの志を持っていない人が厳しい医学部入試を突破できる可能性は高くはないと感じます。
医学部受験生は、自分がなぜ医学部を目指すのかはきちんと考えた方が良いのではないでしょうか。
別の言い方をしましょう。私は、合格できる学力のありながら他学部を志望している受験生に医学部を志望しなかった理由を聞くことが多いのですが、彼らはちゃんと自分の言葉をもっています。
・父が勤務医だけど、父の生活をみて医者は自分がなりたい職業ではないと思った。
・病院が嫌い。できれば関わりたくない場所。
・そもそも興味がない。自分のやりたいことは、これ。
などと明確な答えがありました。
医学部に限らず、入試は数字の競争です。入試と将来への志は関係ないとも言えますが、実際には将来のイメージは大きく影響を与えていると思っています。
なので、「何となく医学部志望」の受験生の意思の薄弱さは問題ではないかと思っています。
それはお医者さんのお子さんに顕著にでていると思います。
自分はなぜ医学部を目指すのかについての答えが真っ二つに割れる印象があります。
親の姿をみて明確な医者へのイメージがある場合と親が医者だから何となく医学部を目指している場合です。
昔に比べ、親がお医者さんだからといって、お子さんに医学部を求める例はかなり減っている印象があります。
一方で明確な意思がないまま医学部を志望するお子さんの例は増えているように思います。いうまでもありませんが、そのような方でちゃんとした受験生は皆無です。変なヒエラルキー意識があることもあり、場合によっては厄介な受験生となっていることも少なくありません。
医学部入試が厳しい時代だからこそ、明確な志望動機は大切にするべきなのかなと感じています。
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