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マイナンバーカード問題に潜む恐ろしい「思考」(7)【普及のために「創造される問題点」の不気味さ】

マイナンバーカード問題について考えています。

この問題を考えると、現代社会に生きる私たちの思考に潜む問題を感じるようになりました。

前回はこちら

今回は、マイナ保険証によって、保険証のなりすましが防止できるという説とそれが浮上してきた背景について考えます。

現在の紙の保険証で、どの程度なりすましができるのでしょうか。

医療機関にかかる場合、有効期限内の保険証であっても、月初めの診療では、どの医療機関でも確実に確認されます。これはかなり徹底されており、多くの方も「確実に」という表現に納得されることでしょう。

それは、紙の保険証を紛失することは、結構なリスクになるということを意味します。紛失したら多くの人は、すぐに役所に行って再発行の手続きをすることでしょう。自分が困るから当然です。

であるなら、拾ったり、盗んだりした保険証が使える期間は極めて短い。なので、犯罪の温床はそこまで大きくないと考えるのが常識的な判断になりそうです。

では、そもそもどのようなケースで不正利用は起こるのでしょうか。

紙の保険証であっても、医療機関の受付で人がチェックします。
顔写真はなくても、保険証を持ってきた人は、どんな感じの人かという確認はされます。保険証には生年月日と性別が書いてありますから、
・年齢があまりに違いすぎる場合
・性別があきからに違っている場合
は、よほどのことがない限り、ここで発見されます。

不正使用しようとする場合、自分と同性で、疑問を持たれない生年月日の近い保険証を手に入れない限り、難しいでしょう。

それは、現実的でしょうか?

さらに動機の面でも疑問が残ります。

保険証がないが、医療機関にかかりたい。年齢の近い同性の知り合いから保険証を借りて受診するというのがあるとするばらば、これが現実的にあり得る線でしょうか。ただ、このようなことはどの程度あるのでしょうか。

いろいろと考えを積み上げると、保険証の不正使用は、あまりないのではかいでしょうか。調べてみると、

という情報に行き着きます。

では、そもそもそんなに起こっていない「なしすまし利用」がなぜ光があたるのか。

一つの説として、マイナ保険証のメリット、つまり、マイナンバーカードの普及のためのメリットの強調のために、つくられた問題点ではないかという可能性が浮かび上がってきます。

これが不気味なと感じるのは、↓のような意見を言う人が湧いて出ることではないかなと思っています。

この方の論の展開が、あまりに一方的で、結論ありきだと感じますが、ご自分の役割を自覚してこのような文章を書かれておられるのではと感じます。

実は紙の保険証もミス、不正利用だらけ

という小タイトルにもそれが色濃く滲んでいます。

このような主張がメディアを通じて流されるということは、広い意味でのマイナンバーカードの普及のための政策の一部なのでしょうか。そこまでして、普及させたいと思う「意志」の強さを感じます。そして、その熱意の異常さも然りです。

マイナンバーカードは、推進する側にどんな手段を講じても手に入れたいものであるという証明になっていると感じます。それは、おそらく市民には政府が言うほどのメリットはないということでもある。

なぜなら、昨今のこの国で市民にメリットがある政策はあまり実行されないからです。


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