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【国道の謎】 昭和30年代半ばの「階段国道」 ~R339/龍飛~

 昭和20~30年代半ばの階段国道の区間となっている龍飛の写真が「青森県史デジタルアーカイブシステム」にありました.

左手奥に見えるジグザグ上の白い線が現在の国道339号(階段区間)です.幅員は今とは変わらないぐらいの幅が確保されているように見えます.

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「青森県所蔵県史編さん資料」,資料番号00-O-7576:龍飛風光 龍飛全景

解像度が低いので判別がしずらいですが,当時はまだ階段ではなく,「坂」の様子であったことがわかります.手前から弓状に軒をつらねる集落も現在の国道339号の道筋で,今と比べると随分と漁業を営む番屋的な建屋が多く,生活の場として賑わっていたことが見て取れます.

また,資料番号09514には,撮影日が昭和38年6月25日となっている「階段国道の入り口」と題された写真にも目を見張りました.国道に昇格する前の沿道の風景です.左右には「龍飛 本州の最北端~三二〇米」,「龍飛崎 上り口」といった観光案内の看板があるように,ちょっとした仲見世のような岬への参道ともなっていたことが伺えます.

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「青森県所蔵県史編さん資料」,資料番号09514, 階段国道入口

このような面影は,2000年代にも残されていたものでしたが,残念なことに2016年9月と2018年1月の火災によって多くの家屋が消失し,このような路地裏の風景を一変させたと聞いております.

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