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Nikon FE2とふたりっきりの小旅行・奥大和編 (1)

ふと目が覚めると僕を呼ぶ声がした気がした。
突然訪れた連休。誰にも邪魔されずに寝坊を決め込もうにも、その声が絶えず意識を現実へと引きずり出す。
視界の端に捉えた時計が午前7時を指していた。
僕は声に誘い出されるように車に乗り込んで、あてもなく走らせた。

助手席でずっと楽しそうな表情をしている。
雪を見るなんてすっごく久しぶりだね。何度もこっちを見てはそっぽを向き、そしてはにかむ。


わけないんですけどね。カメラだし。人じゃねぇし。

そんなわけで、急なお休みができたので彼女ことNikon FE2をもって奈良県の奥の方を旅してきました。
Nikon FE2を彼女だなんて呼ぶと、防湿庫のNew FM2ちゃんとかEMちゃんに嫉妬されそうです。ってか誰でもいいから嫉妬してほしい。くやしい。

フィルムはPRO400Hを装填。撮った写真は旅の思い出になるのだから、もちろんデート機能はONにします。

朝7時に家を出て、まず向かったのは野迫川村にある立里荒神。
鳥居がずらっと並ぶ参道が圧巻で、パワースポットとしても人気があるそうです。
ことしの初詣に行けていなかったので、とりあえず神社、ということで思い浮かんだ荒神様へ向かいます。

その前にまず朝食を。旅の情緒をかき立てる、とっておきのブレックファストです。

道の駅「吉野路 大塔」にて

大阪市内からは阪神高速→阪和道→南阪奈道→京奈和道(大和御所道路)を経由して五条市内へ。
そこから168号線に沿って山奥へと南下します。
五条市の市街地まではただの曇りでしたが、旧西吉野村を抜けるあたりからうっすらと雪が。大塔の道の駅に着くころにはすっかり一面の銀世界でした。
タイヤは4年目のピレリ・アイスアシンメトリコプラス。正直、そろそろ限界な気がします。もともと横方向のグリップが弱い印象のあるタイヤなのですが、そのネガが目立ってきた感じ。来年は新調しようと思います。

大阪市内から2時間ほどであっさり野迫川村に入ります。歩く人の姿もほとんどない静かな世界。

2020年国勢調査の速報値によれば、離島を除いて日本一人口が少ない自治体である

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E8%BF%AB%E5%B7%9D%E6%9D%91

そんななか、タイヤチェーンを巻いた宅配便のトラックが通りをゆっくりと走り抜けていきました。目には見えねど、そこにはひっそり息を潜め、やがて来る春を待ちながらこの地を守る人たちがいるのです。

野迫川村の中心地から荒神社へまっすぐ抜ける道は、積雪のため通行止め。
少し北側に膨らむように山中を走る道を迂回します。
やがて側道にそれるとそこから荒神社まではもう一息。

なのですが、傾斜がきつく車がまったく登れなくなってしまいました。
その横をさっそうと通り過ぎる郵便局の赤い軽バン。

にっくきツルツル坂

仕方がないので一度引き返し、開けた場所でチェーンをつけました。

雪のほとんど降らない大阪市内で、スタッドレスに履き替えた上に毛布・チェーン・スコップまで積んだ僕の車はしばしからかいの対象になります。
が、現にいま役に立った・・・!
いや、タイヤ代をケチらずに新しいスタッドレスに履き替えておけば済んだのかもしれませんが。
(なんにせよ安全が一番。タイヤを替えるまではしばらく雪道は自重しようと思います)

なんとか上り切ったその先にある立里荒神社は、簡単には人を寄せ付けぬ荘厳な佇まいで出迎えてくれました。



写真を見ただけでしばれる指先を思い出します。本当に寒かった・・・。

野迫川村のあとは天川村へ向かったのですが、思いのほか写真が多くなってしまったので続きはまた後日。(続きは後日いいながら続きを書かなかった記事が多いな、とふと思い出して恥ずかしくなる)

<つづきはこちら>


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