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投資を始める理由やタイミングについて全部聞いてみた!

こんにちは。
SMBC日興証券note編集部です。

2024年から始まる「新NISA」や「老後2,000万円問題」などの影響もあり、書店に行けば数多くの投資本で溢れています。最近はテレビや雑誌でも、よく特集が組まれていますね。

投資についてたくさんの情報が溢れている一方、
「結局、何をしていいのかわからない…」
「なんとなく始めたけど、今後はどうすれば…」
という漠然とした不安を抱えている人も多いはず。

そこで今回は、投資のプロフェッショナルであるCIO・竹山さんにお話を聞きました。

投資を始める理由から、そのスタンスや心構えなど、投資を始めたい人も始めたばかりの人にも、必見の内容です!

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【竹山 悟史(たけやま さとし)】
SMBC日興証券CIO部長。1996年以降、資産を戦略的に分散して投資するスタイルで、長年資産運用業務に従事。大手運用会社、ヘッジファンドにてファンド・マネージャー及びチームヘッド職を歴任し、20年以上にわたる運用経験を持つ。2021年3月より現職。

【CIO(チーフ・インベストメント・オフィス)】
資産運用に関わる様々な情報や投資戦略の提供を通じて、主に個人投資家の資産運用を支援する専門組織。
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そもそも、なぜ「投資」が必要なんですか?

― 今日は、読者の方にとって「今さら聞けない…」というような初歩的なところから質問したいと思います。

竹山:はい、もちろんです。何でも聞いてください!

― 早速ですが、どうして「貯金」ではなく「投資」が必要なんでしょう?

竹山:まず、大きな理由としては、「物価の上昇」です。商品やサービスの値段(物価)の上昇傾向を指す「インフレ(インフレーション)」は、みなさんも聞いたことがありますよね。

特に近年はコロナ禍、国・地域間の紛争の影響もあり、急速なインフレの影響は、すでに生活の中で実感されているのではないでしょうか。

物価が上昇すると、商品やサービスを買うために、より多くのお金が必要になります。今年は1万円で買えたものが、来年になると1万円では買えなくなってしまう、ということが起きるんですね。

― 手元にある「1万円」は増えも減りもしないのに、物価が上昇すると同じものが買えない…

竹山:そうなんです。もちろん、将来に備えて貯金をすることは決して悪いことではありません。ただ、超低金利時代の今、銀行口座に預けているだけでは、物価は上昇する一方なのに貯金はほとんど増えないという状況が続き、実質的な資産価値は目減りしていく状況が予想されます。

― 貯金さえあれば将来は安心だった時代とは違うんですね。

竹山:みなさんは、その「将来」とか「安心」のために貯金をしますよね。投資が重要だと言われるもう一つの大きな理由は、まさにそこで。

将来の夢のためだったり、お子さんの教育資金に充てたり、他にもご家族へのサポートや資産を残したいということもあるでしょう。私たちが投資の重要性についてご説明する時は、そのような「一人ひとりが持つ幸せをカタチにするため」ということもお話させていただきます。

「投資」って怖くないんですか?

― これもよく耳にするのですが、世間で「投資」といえば漠然と怖いイメージがあります。

竹山:個別銘柄の値動きを見ると、短期で上昇して大きく儲かることもあれば急に値下がりして損をすることもありますので、これが怖いというイメージにつながるのかもしれません。
もちろん、しっかり勉強をして成果をあげている方も大勢いらっしゃいますが。

― 値動きに一喜一憂して…のイメージでは、怖くなりますよね。

竹山:そうですね。そこで、視野を少し広げてみましょう。
何かひとつに資産を「集中」させるのではなく、「分散」させる。
「短期」の目線ではなく、「長期」を見据えて投資する。
という投資スタイルもありまして。
これが「長期分散投資」と呼ばれているものです。

― 「長期分散投資」…!もう少し詳しく聞いてもいいですか?

竹山:これだけ聞くと、小難しそうですよね(笑)。
少し噛み砕いてお話させていただきますね。

簡単にいうと、資産を運用するにあたって、様々な金融資産に分散して長期で投資すること。

たとえば、ひとつの金融資産、ひとつの国だけに投資をすると、特定の金融資産や国の動向だけに投資結果が左右されがちになります。その金融資産や国のマーケットが好調なときはいいのですが、当然悪いときもある。
日本にだけ資産を保有していると、日本という一国の経済情勢によって、資産価値が上がったり下がったりしてしまうということですね。

そういった事態を避けるために、複数の資産や国に分散投資をすることで、リスクを抑えながら長期で投資していくという投資手法です。

後ほど、もう少し詳しくお話するので、ここでは「そういう投資もあるんだ」ということだけ覚えておけば大丈夫です。

ズバリ「元手」は、いくらあればいいですか?

― 次は、気になる「元手」について。投資を始めるために必要な金額の目安ってあるんでしょうか。

竹山:結論から言うと「いくら」という金額にこだわる必要は全くありません。「できる範囲で少額からでOK!」ということを、まずはお伝えしたいですね。

投資と聞くと、「退職金などのまとまったお金で…」とか「ある程度の金額が貯まったら…」のようなイメージがあったかもしれません。
確かにそうしたタイミングもひとつなんですが、金額にこだわらず長期の目線で将来を見据えて、できる範囲の金額で、じっくりコツコツと投資することが重要なんです。

2024年から始まる「新NISA」は、まさに少額からの長期・積立・分散投資を支援するための制度なので、活用するのも一つの選択肢になりますね。

「投資」を始めるべきタイミングって?

― では、初心者の方はいつ始めればいいのでしょうか。

竹山:これも結論から言うと、できる範囲で少額でも「今」からというのが、私の考えです。

投資には「時間分散」という考え方があって。
短期で投資をすると、数日や数ヶ月、1年ごとの価格変動に気を取られて、精神的な負担になりかねません。だから、短期の価格変動のブレではなく、長期を見据えて、経済・マーケットの緩やかな成長に目を向ける。
時間もリスクも分散させて、たとえ少額でも今からコツコツ投資していくことが重要なんです。

知識不足を懸念される方も多いのですが、投資理論を完璧に学んでから始めるとなると、ハードルは高くなりますよね。

もちろん、ある程度の知識は必要ですが、まずは少額からでも始めてみる。そうすることで、実感を伴って得られる知識や経験もあって、学びたい意欲もきっと増えていくのではないでしょうか。
一歩ずつ学びながら積み重ねていくことも、ひとつの方法だと思います。

ここまでのおさらい

(後編に続く)

次回は、「投資Q&A」の【後編】に。
竹山さんのご自身の経験談も交えた投資に関する考え方など、もう一歩だけ進んだ内容でお届けします。
ぜひお楽しみに!


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