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M-1グランプリ2021の審査結果をデータで分析してみた

今年もM-1グランプリが終わりました。
個人的には1番手で最終決戦進出もあり得るかと思わせるほどのモグライダーの鮮烈デビューと、錦鯉の優勝を喜ぶ芸人仲間の姿が印象的でした。

さて、毎年見ながら気になるのは、リアルタイムで見ながらだとよくわからなくなってしまう採点の全体像。
そこで今回、1stラウンド全ネタの点数を分析してみることにしました。

1stラウンドの審査結果

審査結果の一覧はこちら。
各審査員が最も高い点をつけたコンビの点をオレンジ、2~3番目を黄色、そして最も低い点をつけたところをグレーに色付けしています。

1stラウンド採点結果(点数・順位はM-1公式サイトから)

多くの芸人さんが語っているとおり、オズワルドをきっかけに会場の空気が変わったことが点数にも表れています。
結果的に、オズワルド以降にネタを披露した3組が最終決戦に駒を進めています。
そんな中でも前半に高得点を付けた富澤さん(モグライダー)、志らくさん(ランジャタイ)、上沼さん(ハライチ)が際立っています。

またランジャタイは大方の予想どおり、賛否の分かれる結果に。
7名の審査員のうち4名が最低点をつける一方で、志らくさんは最高点をつけています。

実はランジャタイ以上に賛否が分かれたコンビ

次に、出場者ごとの標準偏差を見てみましょう。
標準偏差とはデータのばらつきを見る数値で、数字が大きいほど点数のばらつきが大きいということになります。
標準偏差で見ると、実はランジャタイよりもハライチのほうが点数にばらつきがあったという結果に。
上沼さんが98点をつけたことに加え、松本さんが92点と、4番目に高い点をつけているのが効いているようです。
その一方でオズワルドの満場一致具合がよくわかります。

点数の標準偏差

審査員の点数のつけ方

最後に、審査員ごとの点数のばらつきを見てみました。
一番幅広い得点をつけているのは上沼さん、次いで志らくさん、松本さん、礼二さんの順でした。
このみなさんは比較的メリハリをつけた採点をしていると言えそうです。

審査員ごとの採点のばらつき

点数から見えてくるもの、見えないもの

今回は採点結果を点数とそのばらつきという観点で分析してみました。
改めて数字を並べてみると、順位は本当に微妙な差の中で生じた結果であることがよくわかります。
年々レベルが高くなっていると言われるM-1で、紙一重の戦いを勝ち抜き最終決戦に進むことのすごさがよくわかる結果となりました。
また、分析を通して審査員の大変さも垣間見ることができました。

ちなみに審査員ごとに点数の詳細を分析していますが、全体の傾向と個別の審査員の採点の違いを際立たせる意図はありません。
審査員一人ひとりの好みが採点に反映されるのは当然ですし、個人的には、審査員は多様な方が良い大会になると考えています。
多様な審査員がいる中で勝てる漫才こそが、日本一になれる漫才なのだと思います。

しかしいくら点数で比較しても、見えてこないものもあります。
ネタが視聴者に与えた衝撃や、この大会全体を通したインパクト、そして背景にある物語が与える感動などは点数には現れません。
錦鯉が優勝を決めたときの塙さん・富澤さんの涙などは最たるものではないでしょうか。
また、個人的にはモグライダーが「もしかしたらトップバッターで最終決戦あるかも!」と思わせてくれたことや、
それにランジャタイが続く展開は、一人で声を出してしまうほどに胸が熱くなるものでした。
終了後も色々な芸人さんが感想を語っており、それによってまた違う一面が見えてきたり。
M-1グランプリ2021はまだまだ楽しめそうです!

これからも、決勝進出メンバーの2022年のテレビや舞台での活躍と、たくさんの芸人の来年のM-1グランプリでの活躍を楽しみに、
いちお笑いファンとしてM-1グランプリを見続けたいと思います。

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