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コインランドリーのプロダクトアウトとマーケットインについて考える②

さて前回「プロダクトアウト」と「マーケットイン」に関して書きましたがじゃコインランドリーってどうなのよ?というところですがまずもってそんな事考えてるプレーヤーがまずほとんどいません。エリアによっては飽和しつつある今になってようやく動きが出てきてるかなーという感じです。なぜそうなるのか?答えは簡単でこのコインランドリー業界にとってのお客様は機器を買ってくれるオーナーでありコインランドリーを使うお客様を「利用者さん」などと言ってしまう業界だという事です。ではそんな業界なので幼稚なプロダクトアウトはお客様(ここでいうお客様は機器を買ってくれるオーナー)に聞こえの良い事に注力します。必要以上にシステムやIoTに寄っていきます。本当の消費者であるお客様が本当に必要としているものに届かないものになりがちです。今本当にプロダクトアウトとして動いているのはお布団などの大物洗いです。このコト消費で体験して頂き今まで天日干しという選択肢しか無かった所にお布団をふわっふわにするという新しいニーズの掘り起こしが出来ているかどうかで売上が変わってきます。では各店舗でそれをするのは誰?という問題が出てきます。無人で何にもしなくて良いんですよーと言う甘い言葉で誘われますが誰かがそれをしないと売上は上がって来ないのです。かと言ってスタッフを常駐させるほどに費用対効果は得られないので「定期的なキャンペーン」などでその市場を掘り起こし取りに行かなければなりません。投資・節税目的だけでコインランドリーを始めるとここの壁にぶつかります。そこの部分を担える販売店やその後の運営に協力的な業者を見つけましょう。(是非当社にもご相談ください笑)次にマーケットインの要素を考えましょう。先ず洗濯家事というポイントから見ると日本人で洗濯と関わらずに生活している人はいないと思います。食と一緒で生きていく事に必要なのです。ではお家で洗うのが自炊で外で洗うのが外食とします。外食は値段もサービスもありとあらゆる選択肢がありますがコインランドリーの選択肢って何ですしょう?まずコインランドリー機器メーカーは限られており洗濯と乾燥は中にいると考える所もありますがお客様からすると和洋食や中華程のカテゴリーは無いと思います。今日はAQUAが良いなとかやっぱりTOSEIが一番!とかエレクトロラックスは北欧の風が吹いてるわーさすがスウェーデン♪なんて区別して使う事は皆無です。ちなみに中の人としてはあるんですよ笑ただそこまでの差ではない。なので実はコインランドリーを作って運営する方としては付加価値は商品サービスで作る事が出来ないんです。したがって店舗の内装雰囲気演出や何かと複合するとか「小手先」に走るんだと思います。コインランドリー×〇〇って良く聞くしオーナー希望者から見ると聞こえが良いですが単純に1未満のもの足しても2にならないんです。それぞれが独立して成立する1以上のものを足して初めてそれが相乗効果を生み出す事になります。複合的な事を考える場合は無人もしくはコインビジネス。そうでない場合は必ずコインランドリーが無くとも成立するビジネスモデルを複合させるという事をおすすめします。簡単に言うとコインランドリー+○○ではなく○○+コインランドリーが本質だからです。これが基本です。何かと複合した場合コインランドリーの+になる事はあっても複合先のビジネスには殆ど+が無いからです。なのでしっかりと成立するビジネスモデルと複合しないと共倒れになる可能性があります。そもそもコインランドリーがあるから成立するビジネスはやらない方が良いと考えます。コンビニ+コインランドリーがイマイチ普及しなかったのはココにあります。コンビニの売上や収益にそこまで寄与しなかったという事です。正直コンビニが「本気」でコインランドリーを展開したら別の可能性もあったとは思いますが…あと飲食店と比べる場合の大きな要素が「値段」です。飲食店の場合は1食の金額に大きな幅があります。そしてお値段に相応な食事やサービスを受けられるという需給バランスが成立しています。そのバランスに上手く乗れない場合は撤退という事になります。「価値」と「値段」がしっかりとかみ合ったお店が生き残ります。それは良くも悪くもお客様が判断する事になります。その中でお客様に評価され生き残る為に日々試行錯誤を続けています。これをコインランドリーに当てはめるとどうでしょうか?コインランドリーの値段って誰が決めているのでしょう?大体どこに行っても同じくらいの値段設定になっています。これは実はメーカーや販売店が決めているのです。今各メーカーは「どうやって更に値段を上げようか?」と考えています。基本的な機器の構造は変わらないので新しいコースや別の機器の開発です。誰の為に?そうオーナーの為にです。このままいくとコインランドリー=儲からないという構造になるのでお店が増えない=機器が売れない…さて困った…という事です。今各メーカー共に危機感をもって市場(ここでいう市場はコインランドリー機器の販売市場)に向き合い始めました。ようやくです。視点の良し悪しは置いておいてようやく試行錯誤を始めた所です。今後は各メーカーの色が今までよりも強く出てくると思います。今まだメーカーもお客様へ向けた「プロダクトアウト」「マーケットイン」の考え方ではなくどうやったら機器を買ってもらえるのか?の観点で動いています。ただそれほど遠くない先に気が付くと思います。今コインランドリーの現場で求められているのは「マーケットイン」です。「プロダクトアウト」は今必要ではありません。コインランドリーを利用してくださる本当のお客様に対してのニーズを取り込む事が大事です。結論を言うと今は「値下げ」すべきと考えています。もう需要と供給のバランスが供給過多になっています。そうなってくると次に起こるのはその需要の取り合いです。いよいよコインランドリーも「競争」しなければならないステージに入ったという事です。ただこれは全ての「商売」に共通です。逆に今までが順風満帆に行き過ぎた業界なのです。地方郊外においては以前書いた「わが町の唯一だけど地域一番店のコインランドリー」が生き残っていき都市部のソーシャルランドリーは値段を下げてでもいかに足元商圏のお客様に足を運んで頂けるか?来店動機を作れるか?「一般衣類洗いで成立させる+大物洗いも捨てない」という事です。雨を期待しながら毎日天気予報を見る事よりもその時間を晴れの日の来店動機の創造に当てるかが分かれ目です。先ずは「マーケットイン」の考え方でお客様のニーズを吸収し求められるコインランドリー商品サービスの提供とお店づくりを考えてみましょう。実際に自分も常に模索しています。考えています。またこれが答えが出ないんですけどね笑

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