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「ボクはやっと認知症のことがわかった」を読んで

長谷川和夫氏が自ら認知症になった


認知症検査で有名な「長谷川式スケール」。
この本は、長谷川式スケール開発の中心人物となった、長谷川和夫氏が自ら認知症になり、その経験から私たちへ向けたメッセージです。

長谷川和夫氏の心の中

認知症の診断を受けたことで、心の中には様々な感情が渦巻いていたことでしょう。最初は衝撃や不安、そして悲しみがあったかもしれません。
しかし、著者はこう書いています。

認知症になったのはしようがない。年をとったんだから。長生きすれば誰でもなるのだから、それは当たり前のこと。
ショックじゃなかったといえば嘘になるけれど、なったものは仕方がない。

『ボクはやっと認知症のことがわかった』長谷川和夫著

認知症は自分自身や家族にとって大きな変化をもたらす疾患であり、それを知ることは心に深い影響を及ぼすことがあります。

長谷川氏は、認知症に対する深い理解があったからこそ、あるがままを受け入れることができたのだと思いました。

長谷川式スケール開発の苦労話も

私の母もこの長谷川式スケールを受けました。
点数は散々たるもので、認知症診断を受ける一端となったことを覚えています。
設問は、9問です。
思ったよりも少ないな、と思っていましたが、一つ一つの設問に意味があり、この9問に絞るまで大変なご苦労があったようですね。
それまで認知症診断に対する物差しがなかったことから、このスケール開発により、判断の統一性がもたらされました。
素晴らしい功績です。

デイサービスは楽しい ショートステイは帰りたい

本では、ご自身のデイサービスのことも書かれていました。
長谷川氏は、「デイサービスは楽しい」と書かれている反面、
ショートステイは、一泊したところで正直帰りたくなったそうで。
それでも、一緒に暮らす奥様の負担を考えて我慢したとのこと。
私の母からは、デイサービスなどの客観的な感想を聞くことができなかったので、とても参考になりました。

認知症になるぐらい長生きできて幸せ

本の内容ではないのですが、長谷川和夫氏か亡くなられた時の息子さんのコメントが記事に掲載されていました。

「父は、認知症になるぐらい長生したのですから、幸せものです。」

長生きすればするけど、認知症のリスクは高まります。
認知症にならない様々な説がありますが、一番のリスクは「老い」です。
老いること=認知症を発症する
といってもいいぐらいです。

認知症になるぐらい長生きしたことを喜ぶ

正直、目からウロコでした。
そして、素敵な言葉。
改めて、長谷川和夫氏とご家族に感謝です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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