「感情」

ものすごくエグいです。想像のお話です。



感情に逆らえずに睨みつける目つきにぼうっとみながら変えられない変わらない景色に佇んでいた。

夜風に吹かれ息を呑みながら肌に伝わる凍えるようなジンジンとした脈絡が嘘偽りのない自分だと認識させる。

ただ呆然と無意識に東へ東へ一本道を歩いた。

交差する車両の速度には到底かなわない流れを揺らいでいた。

ふつふつと湧き上がる脈から滲み出る怒りを静かに静かに心臓の音に逆らわないように宥めていた。

体の奥底から聞こえるいつか、殺してやる殺してやる。関わる人全て皆殺しにしてやると八つ裂きにしてやると激情の内部にある濁流が押し出されて聞こえてくる響きに呑まれながら眺めていた。

このまま歩き続けてのたれ死んでもいいとそんなずっしり我慢し続けていた本音が溢れてしまった。

これが私なのか。名字と名前がついた人なのか。環境と遺伝子によって形成された哺乳類なのか。感情と理論の狭間で苦しみ続ける生き物なのか。

わ・た・し・は・誰?

どんな形をしているの?感情が声を出していた。いつでもあなたのことを呑み込んで建前だけで生きてる奴らを血の海にしてしまえばいいと。

体を無にして本音だけの機械になればいい。そうすれば、何にも残らず何にもなれずに古時計のように錆びて死んでゆくのだから。

人間様のエゴを満たすためにSEXして快感や衝動に夢中になって欲望を満たして選べないままに命が生まれるのだから。

環境と遺伝子によってギフテッドだとか天才だとか非凡だとか凡人だとか勝手にランク付けして優越の浴槽に浸かってる奴らは窒息死した方がマシさ。と。

景色を見たとき全ての視線の意味を感情が濁流のように代弁するのをひっそりと微笑みながらコーヒーを飲むのです。

黒くてほんの少し優しい苦味が明日を過ごすために騙すのです。黒にうつる本当の私がほんの少し怖いのです。さようなら。わたし。

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最後までお時間を割いて読んでくださりありがとうございます。生活するきっかけになれたならとても嬉しいです。