見出し画像

【海外ドラマの話】とても悲しい、辛いエピソード【LAW&ORDER SVU】

 これを書いたことでふと、思ったこと。 
 

 何度かこの作品のことを書いています。【モヤモヤ】しがちってこととか。決して不満ではなく、こうして【結末が曖昧】な作風っていろいろ考えるキッカケとなるなと思うんです。ただホントすっきりしないけど(笑)。

 前回も書きましたが【シーズン序盤は裁判にならず(なる前)に終わる】ってことから、スッキリはしないことが多い。

 かと言って、裁判も描かれるようになったエピソードでも、スッキリしないこともあります。まぁ自分が望むような判決とならないこともある。

 で。

 そんな中でも、【これが法なのか・・・】とやりきれない思いになるエピソードが。それについて少し書きたいと思います。

 ※今回もネタバレします。ご注意ください。

シーズン3エピソード21

 “とあるパーティーで女性が乱暴されそうになった事件が発生。その女性は抵抗した際に犯人の男を花瓶で殴り、その後犯人は死亡した。”

 事件を捜査するオリビア。女性は救急車で手当を受けていたが、オリビアが到着した頃には姿を消していた。

 情報を元に被害女性を見つけ事情を聞く。暴行未遂の加害男性(※死亡)は、その女性の交際相手の兄だった。

 交際相手は【兄は女にだらしなかった】と証言した。女性は正当防衛だと主張した。

 しかし、救急隊が手当した際の包帯などから、付着していた血液は男性のもの。加害男性ではなく、別の男性のもの。つまり、被害女性は男性であることが判明。

 恋人の男性に聴取をしたエリオットは(※この時点でそれが秘密だとは知らない)、【君たちのことをとやかく言うつもりはない】と。恋人はなんのことかわからなかったが、エリオットから事実を聞かされて動揺します。

 オリビアに聴取を受けていた女性が恋人が戻ってきたのを見て駆け寄りますが、恋人は【触るな!】と・・・。女性が男性であることを知ります。

 女性は【彼を失うのが怖かった。手術をしたら話すつもりだった】とオリビアに打ち明けます。

 エリオットはトイレで恋人に話しかけます。女性と思っていた人が男性だったなんて・・・と、自身の心臓病の薬を過剰摂取します。そしてそのまま亡くなってしまいます。

 こうなると、女性が【正当防衛】を主張していますが、自身の秘密を知られたことによる犯行ではないか?と疑惑が。そして裁判となります。

 弁護士は、【注目を集めること】に敏感なタイプ。性同一性障害の女性であれば注目度は高いと踏み、無料で引き受けたしたたかな男。

 オリビアは被告女性をあくまでも【女性】として扱い、エリオットは【男性】として、生まれ持った性を重視します。

 しかし、アレックス検事補は葛藤がありながらも自身の役割を果たそうとします。それと、司法取引をもちかけますが、弁護人も被告女性も【陪審員に委ねたい。きっと理解があるはずだ】と。

 しかし、アレックスの追求の中で被告女性は胸の内を吐き出します。”秘密をバラされることを恐れた”と・・・。

 結局陪審の判断は【有罪】。収監されることとなります。弁護人はこれについてもよく説明をしていなかったらしく、被告女性は【男性として収監される】ことになります。※手術はしていなくても、ホルモン剤の服用により女性のような容姿になりつつあった。

 オリビアもアレックスも、胸を痛めつつも【それが現状の法】であることから、何もすることができません。悲痛な叫びを上げながら、被告女性は裁判所から連れ出されます・・・。

 検事局的には【勝利】であれど、気持ちの晴れないアレックス。オリビアも同じような気持ちでした。2人で飲みに行こうと話をしていたところに電話が入ります。

 被告女性が収監先で、複数の人間(受刑者)から暴行をされて病院へ運ばれたと・・・。

 病院に駆けつけたオリビアとアレックス。見るも無残な状態で搬送されてきた被告女性を見て、言葉を失います。

 ・・・。女性が恋人の兄を殺してしまったのは、身を守るためであり秘密を守るためでもあった。判決は”秘密を守るため“の方が大きかったと判断された。確かにそう。

 そもそも、ウソをついていた女性。でも、それは幼少期からの“いじめ”が原因でもあった。彼女の妹はそんな”姉“を不憫に思っていた。両親は理解がなく、”病気”だ”おかしい“と・・・。

 無条件に愛してくれるはずの両親に見放された女性が、自分を愛してくれる恋人に言えずにいたのも理解できる。手術が終わったら・・・。

 恋人の反応は女性の恐れていることそのものだった。”ばけもの”と突き放した。そしてそのまま自殺を図ってしまった・・・。

 女性は、自分に罪が無いとは思わないが、裁判を女性として受けられないこと、そして有罪判決が出た場合も男性として扱われるということが怖かった。

 収監されるとしても、女性と同じもしくは男性としてでも他の受刑者と隔離して欲しいと願った。

 それも叶わず、結局女性が懸念した通り、最悪の結果となった。

 オリビアもアレックスも職務を果たした。女性が選択した行動は、理解はできるが法的に容認できないことでした。

 これは、本当に難しい。この作品が作られたのも20年ぐらい前?アメリカと言えど、性同一性障害やLGBTQに対して今に比べれば偏見も強かったのでは。

 なんとも辛く、印象に残るエピソードでした。・・・余談ですが、写真のメンバーはこのシーズンのメンバーではありません(笑)。※のちのシーズンに登場。

 

 

 

よろしければサポートいただけるとありがたいです。いただいたサポートにつきましては、保護→家族の一員となった猫ちゃんのために大切に使わせていただきます。