見出し画像

【連載】新卒ズのぶれぶれ日記 vol.2 プールの中のアヒル大海を知る

みなさんこんにちは!新卒ズのわたなべです。
「新卒ズ」こと2022新卒メンバーの4名で連載している【ぶれぶれ日記】の第2回。
ぶれながら、ぶらしながらの日々、その中にある振れ幅、ぶれ幅の中での手触り感や感じたことなどを今回も書いていきたいと思います!

さて、まずは自己紹介。
好きな秋の食べ物は梨、苦手な通年の食べものはセロリです。
今回はそんなわたなべがお送りします。

時は2022年の7月に戻ります。新卒ズが入社して半年も経たないうちのこと。右と左が少しずつわかりかけた頃に、新卒ズはPASS THE BATON MARKETで縁日をやることになります。



はじまりは、ある初夏の日


ある日のこと、現・社長の野崎さんからこんなことを言われます。
「夏のPASS THE BATON MARKETで、子どもたちが楽しめるような縁日をやりたいね。新卒のみんなでやってみようか。」
こうして、縁日プロジェクトがはじまっていきます。
自分から手を挙げてやるときもあれば、気づくとはじまっているときもある。プロジェクトのはじまり方には色々なパターンがあります。
今回は、ふらっと話しかけられて気づくとプロジェクトがはじまっているパターンでした。

メンバーは新卒ズと、頼れる先輩・デザイナーの小池さん、当日のオペレーションなどを考えるにあたり、先輩PMの大久保さんが入ってくださいました。(心強い!)

無邪気に、シビアに

まずは縁日で、何をやるかの企画を考えていきます。
最初のうちは質より量。それぞれがどんどんアイデアを考えて、案を持ち寄り、その中からいくつかの方向に絞り込んでいきます。
シールをつけて、これはいいねとやったり、付箋でコメントをつけたりしながら、メンバー同士でコミュニケーションを取りながら進めていきます。

最初はおもしろそう!、やってみたい!、など感情ベースで話をすることも多いのですが、感性だけでなく、実現性などを踏まえて考えることでアイデアが具体化したり絞り込まれたりしていきます。

実際にやって楽しそうか、会場の環境で出来るのか、資材や材料は用意できるか。子どもがやるにあたって危険性はないか。複数の要素を考えながら企画を練っていきます。

昨日はこれをやりたい!と無邪気に言っていても、翌日には、実際にこれは出来るんだっけと、ぐっとシビアな方向に傾いたり。無邪気くんとシビアさんは、実はすぐ隣に座っていたりするのです。


アイデアを出しては検討するの図

シサクして、シサクする


様々なアイデアを検討し小さく試しながら、アヒルすくいという方向が固まります。
アイデアは決めるというよりは決まっていくというような感覚で、多数決でこれにしようと決まっていくのではなく、様々にぶらしていった後のどこかの段階で、自然とおさまるべきところにおさまり、おさまりが悪かったらまた別のところにゆくといったような感じで、納得感をつくっていくようなプロセスなのです。(こう書くとゆるっとふわっと決まっていくように聞こえますが、それぞれの「これがいい」をぶつけあって、戦い!のようなときもあります笑)
「実際に自分はこれを試してみて、こう思ったからこれがいいと思う。」といったように、単なる思索だけでなく、小さくても何かしらの試作があることが重要なのです。
※何かやると何か起こる、そう信じてやまない人が多いのだと思います。



スケッチで小さく試すの図


アヒル、袋に入ってたら可愛いんじゃないかを試す図

検討を検証で追い越してゆけ

ある程度の方向性が固まったら、そこからさらに、ひたすらに手を動かしながら試していきます。この段階で特に重要なのは見えていないものを1つ1つ検証していくこと。
とにかく手を動かしながら、実際のものを触りながら、1つ1つ試しながら、求めているもの・ゴールに近づいているか、時にはそのゴールさえもぶらしながら、ブラッシュアップしていきます。

プールに入るをばら撒いてみるの図

アヒルはどのくらいの量浮かんでいたらよさそうか、それにはいくらくらいの金額がかかるのか、そもそもアヒルを何に浮かべるのか、与えられたスペースをどのように使うと良いのか。デザイナーの小池さんに3Dでモックアップなども作ってもらいながら、準備を進めていきます...!
この頃、オフィスには大量のアヒルが集合し、「アヒル商社」という言葉が誕生します。

デザイナーの小池さんに空間のモックアップなどもつくってもらい準備も佳境に!

実際には読み切れない部分も可能な限りは検証して準備をします。子どもは何人くらい来そうか、それに伴いアヒルはどの程度の数用意するのが良いか。1人当たり何分くらいかかりそうで、そのためには何か所でやってもらうのがよいか、人は何人配置するのがよいか。自分たちでも実際にオフィスでプールを組み立てて、実際にアヒルをすくったりしながら試していきます。

たらいでスーパーボールをすくっていた時期も


自分たちで進めながら、適宜フィードバックももらいます。自分たちが入り込んでいる時こそ、周りからのコメントがありがたいです。
スーパーボールすくいを考えていたときには、会場で跳ねたりなにかあったときに危ないかもと言われ、リスクを踏まえて、別の方向性を考えたり。
またある時には、ルールはわかりやすく伝えた方がいいねと。ルールを決めておきつつもサービスできるところはサービスする。実際にやってみてもらっての満足度が大事など、いくつかのアドバイスももらいます。

想定外さんはついてくるけども

ここまでの様々な検証や準備を経て、いよいよ当日直前の設営に入ります。
これだけ準備してきたのだから、何事もなく準備はスムーズに!といきたいところでしたが、そうもいかずいかずで。

イベント会場に様々な物資を搬入し設営をしていきます。ところが、設営の日はあいにくの雨で準備は難航。
湿度が高いせいでパネルがうまく張り付かなかったり、雨の水でポイが濡れてしまったり。
頑張ってポイを乾かし、念のために追加購入先を調べたり、購入をしに行ったりと想定外さんは最後まで新卒ズを追いかけてきます。
(ひとつひとつこなしていき、何とか振り切ります...

雨の中での前日準備。ポイが濡れていることにはまだ気づかず、後に絶叫する。

ぶれたその先で価値に触れる

前日の準備をなんとか乗り越えて迎えたイベント当日。
実際のお客さんを目の前にするのは、イベント当日が初めてということもあって内心ドキドキです。
まずは事前に決めたオペレーション通り、お客さんを案内し、ひとつひとつの対応をこなしていきます。大きな崩れもなく、なんとなくうまくいっているかなといった中、野崎さんもふらりと遊びに来ます。


アヒルすくいをやる野崎さん

いいね楽しいね。オマケしちゃっていいよ。
ルールももちろん大事だけど、目の前のお客さんが大事。
楽しんでもらうこと、やって良かったなと思ってもらうこと。
とコメントを残していく野崎さん。

お客さんが戸惑わないかなと少し疑問に思ったもの、お客さんに楽しんでもらうことを優先して、臨機応変な対応をしたり、少しだけルールをファジーに、ぶらしたりしてみます。

はじめてのアヒルすくい接客


早くポイが破けてしまった人にポイをもう一つ渡したり、すくったアヒルを一緒に数えてあげたり。「楽しかったからもう一回」と、2回来てくれるお子さんも現れたりと、楽しんでもらいたいというスタンスが伝わったような、そんな気がしました。
目の前のお客さんの様子に合わせて、楽しんでもらうにはどうしたらいいかを考えながらやること、なんなら自分たちも楽しんじゃうこと。
効率だけを考えると明らかに必要のないこと。でもその余計なことが実は大事だったり。
ルールをある程度守りつつも、ときにはちょっとはみ出して、自分たちで考えながら、その場その場で少しずつぶれていきながら、ぶらしていきながら、『パスザバトンの縁日』が出来上がっていったように思います。

当日は天気も良く、沢山のアヒルちゃんが羽ばたいて行きました

『パスザバトンの縁日』、入社して間もなくの自分たちで考え、つくり、それを面と向かってお客さんに届ける場でした。事前準備も当日も、様々なことを試しながら、ぶれないものがありながらも、ぶらしながらやっていくこと。その振れ幅・ぶれ幅が手触りとなった。ぶれた過程を経たからこそ、中心にある軸のような価値や振れ幅の先にある価値、そのような価値の振れ幅があることを感じられたと、振り返って思います。

ぶれること、ぶらすことを恐れず、そのぶれを価値に変えていけるように引き続きやっていきたいです。

ぶれぶれと揺れる振れるのその幅で触れる膨れる価値の手触り

▼この記事を書いた人

渡辺拓実(わたなべたくみ)| プロジェクトマネージャー
東京大学大学院卒。桑沢デザイン研究所基礎デザイン専攻修了。学部在学中にデザインに興味をもち、デザイン思考などのアプローチからクライアントワークや自主プロダクトの制作に取り組む。「人はどのように自らの興味のある対象に関わり、その関わり方を変化させていくのか?」に関心を持ち、大学院で興味に関する研究を行う。M1グランプリ2021・キングオブコント2021出場。新卒入社後は商業施設開発などに参画中。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?