見出し画像

虹が欲しい

詩は虹のようだ
美しくある

しかし乾いた庭に
如雨露で水を撒けば
必ず虹が出るとは限らない

その水は土に染み込み
草を育てるかもしれないが
虹の元にはならない

虹を建設することの難しさよ
頭の中では簡単に鮮やかな
虹ができる

そして他のひとは容易に
その虹を作っているようにも見える

詩ではなくても
立ち話をしていて
作った訳でもないのに

詩情あふれる
虹のような橋が
誰かとわたしの間に架かることもある

詩の難しさよ
いや、その容易さよ

意図を別として
この世界にはいくつの虹がかかるのだろうか

わたしはペンを持ち
空に何度も線を引く

ノートに虹を書くように

あの立ち話で出来たような
ひとのこころとこころを繋ぐ
虹のような詩が書きたい

今年の夏に
何度も空を飾った
あの虹が