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車窓

人生で本当に
手に出来たものなんて
わずかさ
流れ行く風景に見惚れてはいるけれど

こうして過ぎてしまえば
あの日々に手にしたものの
価値だって薄れてしまう

思ってもごらんよ
このすごい早さで走る
人生という名の列車の
窓から見えるものの少なさを

それを本当に手にしたなんて
まるで幻想のように思えてしまうから

実はあの分厚い窓ガラスの上から
遠くの花を撫でていただけじゃないのだろうか?