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【固有背筋】これこそ真の(深の)背筋である!

固有背筋の解剖について、その概要を解説してみます。

固有背筋は、その名の通り、背中の領域、背部に固有な筋たちです。
どういうことか。

実は、この辺りの背部の浅い層の筋というのは、本来背中の筋ではなくて、腕の筋、上肢の筋なんですね。

で、より深いところ、深部にあるこれらの筋こそが、背部オリジナルの筋、固有背筋なんです。
もともと上肢の筋である、例えば広背筋や菱形筋などが脊髄神経の前枝に支配されるのに対し、これら固有背筋は背部オリジナルの筋ですから、脊髄神経の後枝に支配されます。

固有背筋は、このように頭部、頸部、胸部、腰部へと上から下へ、背部の正中線近くに配置されています。
その中で特徴的なのは、胸部の固有背筋は薄い、ということ。これはなぜか。

固有背筋は基本的に、椎骨の棘突起と、横突起、もしくは肋骨との間にはまりこむような形で位置しています。

ここで脊柱の湾曲を思い出していただきたいのですが、頸部と腰部は前方に凸、胸部は後方に凸の湾曲構造を呈しているのでした。
なので胸部の脊柱は後方に凸の形をしているので、固有背筋がはまりこむスペースが、頸部や腰部より少し狭くなっているんですね。
なので、胸部の固有背筋は薄いのです。

さて、最後に、固有背筋にはどんな筋があるのか、その機能に応じた3つの大分類で見てみましょう。

まず、このあたりに頭頸部の進展と回旋を行う筋があります。
頭板状筋と頸板状筋です。

次に、脊柱の進展と回旋を行う筋、脊柱起立筋と、横突棘筋が、上から下まで広く配置されています。

そして、より深いところに、短い分節状の筋として、棘間筋および横突間筋があり、脊柱が動く際の椎骨の安定化を担っています。

このように、まずは固有背筋の全体像をおおまかに捉えてみましょう。

ということで、固有背筋の解剖について、その概要を解説してみました。

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