チャレンジアンドカバーは最強じゃない!

「ボールってどうやったら奪えますか?」

「チャレンジアンド…チャレンジだ!」

「抜かれたらどうするんですか?」

「その時は…カバーをしろ!」

「チャレンジアンドチャレンジじゃないんですか?」

「チャレンジアンドチャレンジの中でカバーをするのがチャレンジアンドチャレンジだ!!」

「?????」

----------------------
日本サッカーの課題・世界との差と言われている「ボールを奪う」

よく、海外の人から「日本サッカーはどうしてこんなに奪いにきてない?」
と言われてることを目にする。

その結果、局面の守備をバチバチ行ったり
気持ちハイプレスが見られたりと変化が生まれてきたようにみえる。

だが、それはそうだがそうではない。
と私は思う。

私が思うにそれは
「そもそものやり方の違いの話し」なのではないかな?
と思う。

「奪う」守備「守る」守備

守備
と言ってもそこには2つのものがあると私は思う。(最近言われている「守備」って概念は違う…とかの議論はここでは一旦おいておきます。)

①奪う守備
字の如くボールを奪いに行く守備である。
相手を前進させない!
のではなく相手からボールを奪いに行く!
ことが目的な「能動的」な行動である。
前に出る分、後ろを取られるリスクはあるが奪えれば「攻撃」の局面に移行できる。
守備を終わらせることができる。

②守る守備
相手の得点の可能性を下げさせる守備であり
ゴールを守る、もしくは前進を妨げる「受動的」な行動である。
自分の背中方向に進ませないようにすることで後ろを取られるリスクは下がるが、前に出れないため意図的にボールを奪うことは難しい。
自分達の攻撃の局面に持ち込むことは難しく、守備は続くが相手に有効な攻撃をさせることを難しくさせることができる。

「奪う守備」「守る守備」の使い分け

この2つの守備は目的が違うので当然やり方も異なってくる。

この異なる2つをプレーする際も指導する際も使い分けなくてはならない。
ここが混同していることが日本サッカーの課題として挙げられていることなのではないかな?と私は感じる。

「奪う守備」では先ほども言ったように背後を取られるリスクを承知の上で、背後にスペースを作ってでも前に出ることである。
そのため、背後を取られることは起こりうる。
ただなるべく前でボールを奪うために背後を取られないようにする必要がある。
上記のようなことを達成するために「奪う守備」を発動させる条件を理解する必要がある。

①奪うチャンスがありそう
②ポールがどこに出そうか予測しやすい
③相手が背後に進みづらい状況
④相手に背後を取られてもどうにかなる

このような条件下で「奪う守備」の発動は効果を発揮する(もちろんこれが全てではない)。

「守る守備」では背後を取られない、前進させない、ゴールを許さないことを最優先に行動を取ること。発動条件としては

①奪うチャンスが少なそう
②ボールの出どころが予測しずらい
③相手が背後に進みやすい
④背後を取られたらまずい

つまり、ボールホルダーや周囲の状況によって使い分ける必要がある。
この2つは全く別物であることがわかるだろう。

極端に言ったら
「奪う守備」であれば多少背後を取られても気にしない。
「守る守備」であればボールを奪えなくても気にしない。
くらいに考えても良い。

ただしサッカーというゲームの目的を果たすためには「奪いに行ったので背後を取られて失点しても仕方がない」とは言えないので、この2つは常に天秤にかけて状況に応じてミックスさせて使い分ける必要がある。

例えば…
今は奪うチャンスが少なそうだから、一旦守る守備をして相手に横に進ませて、その隙にプレッシャーをかけて奪う守備に移行する。
とか。

ボールサイドは奪う守備をしながら
ボールが来なそうな逆サイドは守る守備をする。
その間に相手がサイドチェンジをしてきそうだから、今度は逆サイドが奪う守備をしてボールサイドだった人が守る守備に移行する。
みたいなことである。

目指すべきは
自分達で意図的に奪う守備をできる状況を作り(誘導したりなんなり)、奪う守備を実行することであると思うが。

チャレンジアンドカバーとは?

では冒頭の議論に話を戻そう。
サッカー界で挨拶のような頻度で使われる
「チャレンジアンドカバー」

この万能薬は実は万能薬ではなかった。
この言葉は「守る守備」であり
「奪う守備」ではより比率が低くなったり、もっと全体で見られることであった。

例えば…
サイドハーフが相手のサイドバックへプレッシャーをかけた際に、ボランチは一般的に言われる「チャレンジアンドカバー」ではサイドハーフの斜め下に入りカバーのできる位置をとる!
というのが良くある指導である。

ではそこから相手のボランチに横パスが入ったら?
またボランチがプレッシャーをかけてサイドハーフはカバーの位置に入る。

ではそこからまたサイドバックにポールが戻ってきたら?
今度はサイドハーフ…
そう。これは守る守備である。
一生奪えない(相手のミスやプレスバックがあれば別かもしれないが、プレスバックをされたら通常はフリーになったセンターバックにボールを返すよね)。

チャレンジアンドカバーとは「守る守備」なのである。

じゃあ奪う守備にするなら?
まずサイドハーフがサイドバックに対して強く寄せる。
それによって相手のプレーを制限する。
その時に横のボランチは斜め下方向ではあるものの、より相手のボランチにプレッシャーをかけられる位置を取り、横パスに対してインターセプトを狙う。

じゃあ斜め縦パスをフォアードに通されたらどうするの?
それはセンターバックが狙うべきである!
ここを狙えないで前向きをつくられた時はボランチのエラーではない。
強く寄せきれなかったサイドハーフの。
縦パスを狙えなかったセンターバックのミスである。
じゃあそのセンターバックの背後を取られたら?
そこはセンターバックの駆け引きと遠い選手のカバーである。
なぜならば、遠くには蹴れないくらいのプレッシャーがかかっていることが前提でしょ?

もちろん、ボランチの選手は相手ボランチからボールを奪いたいので最初からつんのめり過ぎるとそもそもボールが来ないからそこは駆け引きである。

この「縦パスを通された際」の改善は
「奪う守備」と「守る守備」では異なってくるのだ。

「奪う守備」をしているのに
「お前、そこはチャレカバだろー。」
では一生ボールは奪えない。

だからと言ってなんでもかんでもチャレンジをしてたら背後取られ続けてボールも奪えないし、ゴールも守れない。
そこが使い分けと判断である。

チャレンジアンドカバーは万能薬ではない。
時には「チャレンジアンドチャレンジ」が必要である!

結論

酒井宏樹の守備をみてほしい。
奪う局面になったら、背後のスペースを空けてガンガン取りに行く。
ただ闇雲にやってるわけではなさそう。
状況に応じてだ。
状況を作るためにはその前の味方にプレッシャーに行ってもらう必要がある。

海外の試合を見てほしい。
何でもかんでも奪いに行っているわけではない。
全く行かない歩いてるシーンもある。

ただ行くシーンになった時に
横の選手がもう前を狙って
縦通された時に前の選手がセンターバックに「潰しに来い」と強く要求してる時がある。

1番後ろの選手がガチャン!とつぶしに来た時に入れ替わったらファールで止めるシーンがある。
なぜならばそのリスクを背負ってでも行くべきところだったから。
やられたらもう背後は守れないから。

球際!とか
前から!では「奪う守備」は作りきれない。

いつ?どこで?誰が?どんな状況で?
そのためにどんな状況を作り出す?

頭を使いながら根性を出すことが必要である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?