短編小説 素顔

「私は私の好きな格好をして、好きな事してるときが本当の私だと思ってるの」

学校からのバイト終わり。薄めのメイク。ジャージ。でもそれも今日で一旦おしまい。明日は、何もないからお出かけDay。あーあ疲れたなぁ早く寝よ。
プルルル
「電話?こんな時間に誰よ…」
「あ、もしもーし、今なにやってたー?」
「…これから寝るところ」
「えーごめーん。ってか明日空いてる?」
「出かける」
「じゃあいっしょにいこうよ!」
「えー」
「なんでちょっと嫌そうなの!?学校ではあんなに大人しくていい子なのに、私といると一瞬で扱い雑になるじゃん!!」
「うるさいなぁ。わかった、いいよ。」
「やったー!何時にどこ集合?」
「10時くらいに迎えに来て。」 
「あーなるほどね。Ok、迎えに行くわ」
「じゃ、おやすみ」
「はーい。おやすみー」
…騒がしかったな。まぁいっか
唯一の友達はとっても明るい子。友達も多いのになぜかいっしょに居てくれる。


次の日、メイクをして、可愛い服をきて、
「好き」で武装した私を鏡で見る
「みて!今日の私めっちゃかわいいかも!」
「…いつもかわいいよ」
「…なに急に」
「いや…準備終わった?」
「待って!もう少し」
「いつもと本当に違うよね」
「なにが?」
「メイクとか、服とか、その他諸々…」
「まぁねそれはそれ、でも本当の私はこれだよ」
「知ってるよ」
「素顔ってすっぴんのことかと思ってたけどあんた見てると違う気がしてきたわ」
「なんか言った?」
「いや?ってか、本当は買い物1人が良かったんでしょ?」
「いや?あなたなら別に?」
「…なんだよ〜!ツンデレか?」
「なんかキモっ」
「はぁ〜?」
「置いていくよ!」
「いや、私はあんた待ってたんだけど!?」

最強の私、できあがり!!



-あとがき的なやつ-
素顔って難しいですよね。でも自分の中にだけはきっとあると思うんです。「自分」がわからなくて、誰かの決めた自分でとりあえず生きてるときもあるかもしれないけど、自分だけは本当の自分を、そして、なりたい自分を、なくしたくないですね。

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